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この記事では「目には目を歯には歯を」について解説いたします。
日常会話などでも使われることがある言葉ですが、その意味や使い方についてはよく理解していないという人もいるかもしれません。
そこで今回は「目には目を歯には歯を」の語源や類義語、対義語や英語表現なども合わせてピックアップしました。
この記事を通して「目には目を歯には歯を」への理解が深まれば幸いです。
「目には目を歯には歯を」の意味
「目には目を歯には歯を」は「受けた害と同じだけの害を与えて仕返しをする」という意味です。
自分に危害を与えてきた者に対して、復讐や報復を与えるという「やられたらやり返す」ことを表す言葉として知られています。
「目には目を歯には歯を」と同じ言葉を繰り返すことから、善い行いに対しても「同じようなことをする」や「同じようにお返しをする」と誤解をしてしまうこともあるようです。
しかしこのことわざは心身ともに痛みを伴う「傷を与え返す」、つまり「復讐」そのものを意味しています。
人からのご好意のお返しという意味で「目には目を歯には歯を」を使うのは誤解を招きかねないので、気をつけた方が良いでしょう。
また「目には目を歯には歯を」ということわざには「目には目」「歯には歯」というように、「身体の同じ個所を指している」ことに深い意味があります。
これは自分に危害を与えた者に対して復讐する際、「目をやられたら目をやり返す」「歯を折られたら歯を折り返す」ということを意味しているのです。
元来は「被害者が被った傷に対して、同等の傷を加害者にも与え返す」という「同害報復」の教えでもあり、広い意味では「同等の権利」を「復讐」にも適用すべきだというところからきています。
ちなみに「同害報復」はラテン語で「レクス・タリオニス」(略称は「タリオ」)です。
「目には目を歯には歯を」はなぜいけない?
時代劇などでは「仇討ち」のシーンがしばしば描かれ、日本人の中にはこの「同害報復」の考え方に共感する人も少なくありません。実際江戸時代では届け出すれば仇討ちは合法として認められていました。
しかし、明治になると「仇討ち禁止令」が交付され、仇討ちは禁止されました。現代においても仇討ちのような私的制裁は憲法で禁止されています。刑罰には大きく2つの目的があります。
ひとつは「目には目を歯には歯を」のように、罪に見合った苦痛を与えるという目的です。もう一つが、再び罪を犯すことのないように教育する目的です。この2つの目的が正しく実践できなければ、法治国家とは言えません。
現代において「目には目を歯には歯を」がいけない理由がここにあります。
「目には目を歯には歯を」の語源
「目には目を歯には歯を」の語源は諸説あると言われています。
この項目では、その中でも特によく挙げられているものや「目には目を歯には歯を」の続きについてまとめました。
旧約聖書
「目には目を歯には歯を」の原文は「旧約聖書」のエジプト記、21章における24項目~25項目で以下の文を見つけることができます。
「Eye for eye, tooth for tooth , hand for hand , foot for foot」
直訳すると「目には目を、歯には歯を、手には手を、足には足を」です。
あらかじめ刑罰の限度を定めておくことで、余計な犯罪を増やさないことを主旨としています。
近代的な刑罰に近いイメージだと考えるとわかりやすいかもしれません。
ハンムラビ法典
「目には目を歯には歯を」は「ハンムラビ法典」の代名詞ともいえる一説で、「ハンムラビ法典」が復讐法と呼ばれる所以でもあります。
「ハンムラビ法典」では国民が守るべき規範を示し、この規範を破ったものを処罰するというルールを明確にしました。
この法律ができたことで、多くの独裁的な支配者が好き勝手できなくなり、法治国家としての基礎を作り上げたとされています。
十二表法
「十二表法」とは古代ローマの基本法典のことです。
訴訟手続きや相続などに関する法が12枚の銅版に記述され、公示されたことから「十二表法」と呼ばれています。
「十二表法」は法の下では貴族も平民もみな平等である、つまり「平民の権利を守る為のもの」という法律です。
しかし第12表には「平民と貴族の通婚は認めない」と明記されているなど、婚姻制度については完全に平等であるとは言い難いところがあります。
「目には目を歯には歯を」に続きはある?
「目には目を歯には歯を」の続きは、先述の「旧約聖書」に書かれている「hand for hand , foot for foot」の部分です。
本来「目には目を歯には歯を」という言葉は、「やられたら、同じようにやり返す」という「復讐」だけを意図したものではありません。
「度を越えるような酷い復讐をしてはいけない」という「復讐の度合いに対しての規制」を掲げていたのです。
つまり目を傷つけられた被害者が怒りに任せて、目どころか歯や腕や足にまで害を与えることがないよう法律で禁止したのです。
「目には目を歯には歯を」の使い方
「目には目を歯には歯を」の使い方としては、例えば以下のようなものが考えられるでしょう。
「目には目を歯には歯を」は単に仕返しをするというだけでなく、「やられた以上のことをやり返してはいけない」という意味を持っています。
この例では、そのことを踏まえて同じだけの仕返しをしたいと言っているのかもしれません。
「目には目を歯には歯を」の類義語と例文
「目には目を歯には歯を」の類義語は、下記のようなものがあります。
・同様にやり返す
・同害報復
それらの類義語を使うと、次のような例文を作ることができます。
何か迷惑になるようなことをされても、されっぱなしでは相手を調子づかせることになりかねません。
そうしたことを防ぐ為にも、同じようにやり返すということです。
「同害報復」は「どうがいほうふく」と読み、「同じ害を持って相手に復讐する」という意味です。
賛否両論ある意見ですが、この例の人物は「同害報復」に賛成しています。
「目には目を歯には歯を」の対義語と例文
「目には目を歯には歯を」の対義語は、次のようなものが挙げられます。
・仇を恩で報ずる
・怨みに報ゆるに徳を以てす
これらを使った例文としては、以下のようなものがあります。
「仇を恩で報ずる」は「あだをおんでほうずる」と読み、「ひどい仕打ちをされても、それを怨みに思わず、逆に温かい気持ちで接することです。
そうしたことをできるのは、器が広い人だと言えるでしょう。
「怨みに報ゆるに徳を以てす」の読みは「うらみにむくゆるにとくをもってす」です。
「怨みたくなるようなことをされても仕返しをするのではなく、全ての人を愛する気持ちを持って接するべきだ」という意味があります。
怨みたくなるようなことをされるとつい仕返ししたくなるもので、愛する気持ちで接することを実践するのは難しいところがあるかもしれません。
「目には目を歯には歯を」の英語表現
「目には目を歯には歯を」の英語表現としては、以下の2つが適当でしょう。
- Eye for eye,tooth for tooth,hand for hand, foot for foot.
- An eye for an eye,and a tooth for a tooth.
(目には目を、歯には歯を、手には手を、足には足を。)
(目には目を、歯には歯を。)
まとめ この記事のおさらい
・「目には目を歯には歯を」は「受けた害と同じだけの害を与えて仕返しをする」という意味がある
・「目には目を歯には歯を」の語源は「旧約聖書」や「ハンムラビ法典」、「十二表法」など諸説ある
・「目には目を歯には歯を」の続きは「旧約聖書」に書かれている「hand for hand , foot for foot」
・「目には目を歯には歯を」の類義語は「同様にやり返す」や「同害報復」などが挙げられる
・「目には目を歯には歯を」の対義語は「仇を恩で報ずる」や「怨みに報ゆるに徳を以てす」といったものが考えられる
・「目には目を歯には歯を」の英語表現は「Eye for eye,tooth for tooth,hand for hand, foot for foot.」と「An eye for an eye,and a tooth for a tooth.」が適当