【誤用注意】「雨模様」とはどんな天気?雨が降っている?意味、使い方を徹底解説

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この記事では「雨模様」について解説いたします。

あいにくの雨模様、なんて言葉をニュースや天気予報などで見聞きすることもあると思いますが、その意味や使い方を誤解しているという人も少なくありません。

というのも文化庁による令和四年国語に関する世論調査半分以上の方がその意味を誤解していることが分かったのです。

そこで今回は「雨模様」の正しい意味や語源、正しい使い方や誤った使い方なども含めてピックアップしました。

この記事の中で一つでも参考になる情報があれば幸いです。

「雨模様」はどんな天気? | なぜ誤用されるように

「雨模様」は非常に誤解されやすい言葉の一つだといえます。なぜならその言葉から正しい意味ではなく、誤った意味を連想してしまう恐れがある言葉だからです。

そこでこの項目では「雨模様」はどんな天気なのかと誤用されるようになった理由、正しい意味と語源についてまとめました。それでは一つずつ確認していきましょう。

雨模様はどんな天気?

「雨模様」とは「今にも雨が降ってきそうな空の様子」を表す言葉です。例えば空が暗くていかにも雨が降りそうだったり、遠くで雷の音が鳴っていたりするような空の様子のことをいいます。

つまり「雨模様」という言葉は今現在雨が降っているのではなく、これから雨が降りそうな状況に対して使う言葉だということです。したがって雨が既に降り始めている、あるいは降ったり止んだりしている場合に「雨模様」は使用しません。

しかしながら「既に雨が降っている様子」や「小雨が降ったり止んだりしている様子」といった意味だと誤解している人が少なくありません。これらは「雨模様」が表す意味ではないので、この際にはっきりと覚えておきましょう。

余談ですが天気用語の「荒れ模様」も現在天気が荒れているわけではなく、雲が暗くなってきたり雷が鳴ったりするなどこれから天気が荒れそうな時に使用します。現在天気が荒れている際に使うことがないように気をつけましょう。

なぜ誤用されるように?

「雨模様」は後述する別の言葉が変化して使われるようになった言葉です。「模様」は「物事の有様」という意味があり、今現在の状況を表す際に用いられます。

つまり別の言葉が使われていた頃は誤用されることはほとんどなかったものの、「雨模様」という言葉に変化し「模様」という言葉がついたため現在の状況を説明している言葉だと誤解されるようになったということです。

例えば「窓を叩く音がするので、どうやら外は雨が降っている模様だ」のように「模様」は使用されます。「模様」はこのような使い方をする言葉なので、上記のように誤解されるようになったということでしょう。

なお平成22年の「国語に関する世論調査」によると、「外は雨模様だ。」という文章から「小雨が降ったり止んだりしている様子」と思った人は47.5%で最多という結果になりました。「雨が降りそうな様子」という正しい意味を回答した人は43.3%と次点だったのです。

このように誤解している人が多いのが実情なので、もしも「雨模様」という言葉が会話の中で出てきた際はどのような意味で相手は解釈しているかを念のため確認した方が良いかもしれません。なぜなら相手が正しい意味を理解しているかどうか、確認しないと分からないからです。

このように誤用している人が多い言葉は、「雨模様」に限らず意思疎通が正しくできているか確認するというのが無難だといえるでしょう。

雨模様の意味と語源

先述のように、「雨模様」の意味は「今にも雨が降ってきそうな空の様子」です。また「雨模様」の語源は「雨を催す」という意味の「雨催」(あめもよい)だとされています。

「催す」とは「そういう気持ちにさせる」や「掻き立てる」といった意味です。例えば「涙を催す」とはまだ涙は出ていないが、今にも涙が出そうな状態を表します。

そのため「雨催」もまだ雨は降っていないものの、今にも降ってきそうな空の様子を表現しているというわけです。「雨模様」は別の言葉が変化したものだと先ほど解説しましたが、その言葉とは「雨催」のことでした。

「雨催」が「雨模様」になったために「模様」という言葉から現在の状況を表すことを「雨模様」だと誤用する人が増えたということは上記の通りです。言葉は時代とともに変遷するものではありますが、極力正しい意味を理解した上で使用するのが望ましいといえるかもしれません。

「雨模様」の正しい使い方・例文 | 「明日は雨模様」は正しい?

「雨模様」の誤用や正しい意味を理解したところで、具体的にはそれぞれどのように使われるのかを確認した方がより理解しやすくなることでしょう。

そこでこの項目では「雨模様」の正しい使い方と例文をそれぞれまとめました。

具体例を交えて確認した方が、よりイメージしやすくなります。

「雨模様」の正しい意味と誤用を踏まえた上で、一つずつ確認していきましょう。

雨模様の正しい使い方・例文

繰り返しにはなりますが、「雨模様」の正しい意味は「今にも雨が降ってきそうな空の様子」です。したがって「雨模様」の正しい使い方は、その意味で「雨模様」を使うことだといえます。

その点に留意した上で、以下の例文を見ていきましょう。

例文
  • 雨模様であることが窓越しに確認できたので、念のために傘を持って行くことにした。
  • 雨模様だからといって、必ずしも雨が降るとは限らない。
  • 雨模様な時に洗濯物を干したまま外出するのは心配になる。

雨模様の誤った使い方・例文

続いてよく誤用される「雨模様」は「既に雨が降っている様子」や「小雨が降ったり止んだりしている様子」です。これらの意味で使われる例文としては、次のようなものが挙げられます。

例文
  • 今の時点で雨模様だから、傘は絶対に持って行く必要がある。
  • 今日は雨が降ったり止んだりを繰り返す雨模様だ。
  • 雨模様の中で外出しなければならないのは、傘が手放せないから億劫だ。

「あいにくの雨模様」は使ってOK?

「雨模様」を使った表現の一つに「あいにくの雨模様」があります。この項目ではビジネスメールでよく見かける「あいにくの雨模様」とはどういった意味なのか、そもそもこの表現は使っても良いのか、この表現を使った例文の3点をまとめました。

ビジネスメールでよく見かける「あいにくの雨模様」とは?

ビジネスメールでよく見かける「あいにくの雨模様」とは「残念ながら今にも雨が降り出しそうな空の様子」という意味です。「あいにく」は漢字では「生憎」と書き、「(ある物事をするのに)都合が悪い」や「具合が悪い」といった意味があります。

「雨模様」の前に「あいにくの」がつく場合は今にも雨が降り出しそうなので「(外で何かをするのに)都合が悪い」ということを表すということです。「あいにく」の漢字表記や意味もこの際に合わせて覚えておくと良いかもしれません。

また「あいにくの雨模様」という表現は問題なく使用することができます。ただし「雨模様」という言葉は単独で使用する場合と同じ意味なので、誤用にならないように気をつける必要があります。

「あいにくの雨模様」の例文

「あいにくの雨模様」という表現の使い方を理解する上で、実際にどのような使い方をするのか実例を確認する方がイメージしやすいことでしょう。そこでここでは「あいにくの雨模様」の例文を取り上げました。

上記のような意味があるという点を確認した上で一つずつ見ていきましょう。

例文
  • あいにくの雨模様だが、大降りにはならなさそうなので予定通りに外出することにした。
  • 今日は会社のメンバーでバーベキューをするにはあいにくの雨模様だ。
  • あいにくの雨模様であっても、取引先との商談を延期にすることはできない。