合縁奇縁とは?|読み方や意味、使い方、英語表現までを解説

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この記事では「合縁奇縁」の読み方や意味について解説いたします。

どこかしらで見聞きする機会は度々ある言葉ですが、その意味や使い方についてはよく分からないという人もいるかもしれません。

そこで今回は「合縁奇縁」の意味や使い方、語源やビジネス上での使い方、類義語や英語表現なども含めて取り上げました。

それでは一つずつ確認していきましょう。

「合縁奇縁」の読み方・意味・使い方


「合縁奇縁」は「あいえんきえん」と読み、「人が互いに気心が合うか合わないかは、摩訶不思議な縁による」という意味です。

要するに「人との相性は奇怪なもので、すでに決まっている」あるいは「奇妙な巡り合わせにより人との相性が決まっている」というようなニュアンスを持っています。

元来「縁」という漢字には「人と人とを結び、努力や人力では到底変えられない不思議な力を持つもの」という意味があり、人の能力や知能を超越した不動の力が存在することを示す言葉です。

その縁に良し悪しがあるのはどうしようもないことで、それに伴い人と人の気持ちが通じ合うのも縁、気持ちが通じ合わないのも縁、といった意味で「合縁奇縁」は使われています。

また「合縁奇縁」の使い方としては、次のようなものが挙げられます。

何かと馬が合う彼とは、合縁奇縁を感じずにはいられない。

「馬が合う」は「うまがあう」と読み、「お互いの気持ちや性格が合う」という意味です。

お互いの考えや気持ちを、言葉抜きでも分かり合える人というのはそう多くないでしょう。

この例では、お互いの気持ちや性格が合う彼と出会えたことに対して不思議な縁を感じずにはいられないということです。

新入社員の同期である彼女と結婚するとは、まさしく合縁奇縁だといえるだろう。

会社は仕事をする為に出社する場所で、そこで出会う同期とは本来は仕事仲間であるはずです。

そんな中で同期として出会った異性と結婚することになるのは、とても運命的なことだといえるでしょう。

今回の例でも、そのような不思議な出会いに対して「合縁奇縁」だと表現しています。

「合縁奇縁」の語源

「合縁奇縁」は仏教の思想に基づいた言葉だとされています。

仏教とは紀元前五世紀頃、インドで釈迦(しゃか)が説き始めた宗教です。

現世の苦悩を超越し悟りの境地に至ることを目的としており、日本には六世紀半ばに伝えられました。

「合縁」という言葉は「恩愛による人と人との結びつき」、「奇縁」とは「思いもよらない不思議な巡り合わせ」という意味の言葉です。

「奇」という漢字には「珍しい」や「不思議」という意味があり、その為「奇縁」は上記のような意味で使われます。

「合縁」と「奇縁」という二つの言葉が組み合わさって、「合縁奇縁」という四字熟語になりました。

「愛縁奇縁」や「合縁機縁」と表記することも

「合縁奇縁」は「愛縁奇縁」や「合縁機縁」と表記することもある言葉です。

最もよく使われるのは「合縁奇縁」ですが、主に男女の間柄を強調する時は「愛縁奇縁」、不思議な機会で得た縁だということを強調したい場合は「合縁機縁」が使われる傾向があります。

「合縁奇縁」と「一期一会」の違い

「合縁奇縁」と似た言葉としては、「一期一会」が挙げられるでしょう。

「一期一会」の読み方は「いちごいちえ」で、意味は「一生に一度のことであると考えること」や「誠意を尽くして参加すること」です。

「一期一会」は元々茶道の心得を表現した言葉で、同じようなお茶会でも粗末にせず、一生に一度のことであると考えること、あるいは誠意を尽くして参加することという意味で使われていました。

「もう二度と会えないかもしれない」または「体験することができないかもしれない」という想いで、一度きりの出会いを大切にするべきだという教えを説いたものです。

それに対して「合縁奇縁」は「人と気持ちが通じ合うか合わないか、気が合うかあわないか」ということにスポットが当たっています。

「合縁奇縁」には「一期一会」のように「一度きりの縁を大切にして誠意を尽くす」という意味は直接的には含まれていません。

それが「合縁奇縁」と「一期一会」との大きな違いだといえるでしょう。

「合縁奇縁」のビジネス上での使い方


「合縁奇縁」はビジネス上でも使われることがある言葉です。

その使い方としては、例えば以下のようなものが考えられるでしょう。

「こうして取引を続けられていることに対して、御社とは合縁奇縁を感じます」

ビジネス上での「合縁奇縁」は、「ご縁があってとても嬉しく思う」というようにポジティブな意味で使われることが多いです。

今回の例では、取引を続けられていることに対して良い縁であると感じていると表明しています。

入社以来共に切磋琢磨してきた彼とは、合縁奇縁の仲だ。

職場に競い合えるライバルがいるということは、とても恵まれたことだといえるでしょう。

この例だと、入社以来共に高め合ってきた彼とは不思議な縁を感じる仲だということです。

「合縁奇縁」の類義語と例文

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「合縁奇縁」の類義語は、下記のようなものがあります。

・縁は異なもの味なもの

・何事も縁

また上記の類義語を使うと、次のような例文を作ることができます。

犬猿の仲だった彼らが交際することになるとは、まさに縁は異なもの味なものだ。

「縁は異なもの味なもの」は「えんはいなものあじなもの」と読み、「男女、特に夫婦の縁というものはどこでどう結び付くか、不思議で面白いものだ」という意味です。

この例では、仲が悪かった二人が交際したことに対して、その縁が不思議で面白いということを表しています。

何事も縁という言葉もあるからこそ、気が進まない誘いにも応じるようにしてる。

「何事も縁」は「世の中は縁で繋がれていて、不思議なほど縁を軸に成り立っている」という意味を持っています。

今回の例だと、どこでどんな縁が待ち受けているか分からないからこそどんな誘いでも受けるようにしているということです。

「合縁奇縁」の英語表現

スキーマ
「合縁奇縁」に相当する英語表現は存在しませんが、強いて挙げるなら「Whether or not you can get along with someone is predetermined by fate」などが考えられるでしょう。

上記は「誰と仲良くできるか否かは縁によって事前に決められている」という意味です。

「fate」は「縁」を表しており、運命や縁について表現する際に度々使われます。

まとめ この記事のおさらい

・「合縁奇縁」は「あいえんきえん」と読み、「人が互いに気心が合うか合わないかは、摩訶不思議な縁による」という意味がある

・「合縁奇縁」は仏教の思想に基づいた言葉で、「合縁」という言葉は「恩愛による人と人との結びつき」、「奇縁」とは「思いもよらない不思議な巡り合わせ」という意味で使われる

・「合縁奇縁」は「「愛縁奇縁」や「合縁機縁」と表記することもある

・「合縁奇縁」は「人と気持ちが通じ合うか合わないか、気が合うかあわないか」ということにスポットが当たっているのに対し、「一期一会」は「一度きりの出会いを大切にするべきだ」という意味で使われる

・「合縁奇縁」の類義語としては、「縁は異なもの味なもの」や「何事も縁」といったものが挙げられる

・「合縁奇縁」の英語表現は「Whether or not you can get along with someone is predetermined by fate」などが考えられる