暗黙の了解とは|読み方・意味・使い方・各ケースでの具体例などを解説

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この記事では「暗黙の了解」について解説いたします。

日常会話やビジネスシーンなど幅広い場面で見聞きする言葉ではありますが、その意味や使い方をはっきりとは理解していないという人もいるかもしれません。

そこで今回は「暗黙の了解」の具体例や類義語、英語表現なども含めて取り上げました。

この記事を通して「暗黙の了解」への理解が深まれば幸いです。

「暗黙の了解」の読み方・意味・使い方

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「暗黙の了解」は「あんもくのりょうかい」と読み、「黙っていても当事者間で理解・了承されている事柄」や「言葉にしなくても誰もが了解している様」といった意味です。

「暗黙」には「口に出さずに黙っている」という意味があり、特定の仲間内や職場内などの限定的な共通理解に対しても「暗黙の了解」と使うことができます。

「暗黙の了解」はその場の全員が共有するルールやマナーに対しても用いられる為、一般的な常識やマナーを指すことも少なくありません。

また「暗黙の了解」の使い方としては、例えば次のようなものが挙げられます。

受験生に特定のワードを使わないのが、受験業界の暗黙の了解だ。

受験生は入学試験に合格することに心血を注いで勉強していることから、その合否を連想させる言動に対して敏感であることがあります。

「受験に『勝つ』」為に試験当日「カツ丼」を食べたり、試験に受かることを想起させるお菓子を休憩の合間に口にしたりすることなどがその具体例です。

その逆に、試験の結果が芳しくないことを連想させるような言動は慎むようにすることも多々あります。

この例では、受験生に試験の失敗を思い起こさせるようなワードを使わないのが受験業界で誰もが了承していることだということです。

就業規則で定められている出社時間の20分前には出社することが、いつの間にか暗黙の了解になっていた。

勤務開始の前にデスク周りなどの掃除などを行っている会社では、それが勤務時間外の無償活動のようになっている場合があります。

今回の例だと、上記のような理由から出社時間より20分前には出社することが、いつの間にか社員間で了解されていることになっていたということです。

「暗黙のルール」と言われることも

「暗黙の了解」は「暗黙のルール」と言われることもあります。

「暗黙のルール」とは「文書に書かれてはいないが、誰もが守っている決まり」という意味です。

「暗黙のルール」が表すのは決まり事に限定しているという点で「暗黙の了解」とは少し意味が異なりますが、実際には区別なく使われているケースもよく見られます。

「暗黙の了解」の具体例

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「暗黙の了解」の意味や使い方を理解する上では、様々なケースにおける具体例を確認するのが分かりやすいかもしれません。

そこでこの項目では、3つの場面における「暗黙の了解」の具体例をご紹介します。

例①:日常生活における暗黙の了解

日常生活における「暗黙の了解」の具体例としては、以下のようなものが考えられます。

図書館などの公共のスペースでは食事や携帯電話での通話、化粧などを控える
電車内では、優先座席ではなかったとしてもお年寄りや妊婦などに席を譲る
エレベーターでは先に乗った人が開閉などのパネル操作を行う

上記以外では「咳やくしゃみをする際には手で口を覆い、相手に向けないようにする」や「飲食店や遊園地などでは列に並び、順番を待つ」といったものがあります。

これらは法律や条例などで明記されているものではありませんが、「暗黙の了解」として誰もが守るべきとされているものです。

ただし日本国内でも上記が当てはまらない地域もあれば、海外では全く通用しないようなものもあります。

それは「暗黙の了解」が、あくまで特定の地域や当事者間に限定して通用するものだからです。

例②:仕事における暗黙の了解

仕事にはいわゆる「ビジネスマナー」として、様々な「暗黙の了解」が存在します。

よく見聞きされるのは、次のようなものです。

電話は3コール以内に取る
上司より先に退勤してはいけない
食事の場において、上司より先に箸をつけない

その他には「有給休暇の取得日は会社の都合によって決める」や「新人が誰よりも先に出社する」など、理不尽なものがその会社内の「暗黙の了解」になっているケースもあります。

あまりに不合理なものに関しては少しずつ見直されて違法とされたり撤廃されたりしていますが、未だに残存しているのが現状です。

例③:スポーツにおける暗黙の了解

スポーツにおける「暗黙の了解」だと、例えば下記のようなものがあります。

野球で大差がついている場合、勝っているチームは盗塁をしない
サッカーで誰かが怪我をした場合、ボールをピッチの外に出す

上記の野球のケースは、負けている相手に追い討ちをかけるような形になるからだとされています。

またサッカーの場合だと、ボールをピッチ外に出すことによって試合の時間を止め、ゆっくりと治療をすることができるというわけです。

「暗黙の了解」の類義語と例文

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「暗黙の了解」の類義語としては、次のようなものが考えられます。

・不文律

・阿吽の呼吸

またそれらの類義語を使うと、以下のような例文を作ることができます。

新社長になってから、昔から存在していた不文律は全廃された。

「不文律」は「ふぶんりつ」と読み、「文字や文章に書き記されていない暗黙の決まり」という意味です。

「ふもんりつ」と読む人が見受けられますが、これは誤りなので注意した方が良いでしょう。

「不文」は「文章ではない」、「律」は「法律」などでも使われるように「掟」のことです。

そしてそれらが合わさって「文章ではない掟」、つまり上記のような意味として使われています。

ダブルスにおいて阿吽の呼吸が通じる相手がいるのは恵まれたことだ。

「阿吽の呼吸」の読みは「あうんのこきゅう」で、意味は「二人以上が一緒にある物事をする時に、相互の気持ちの一致することやその微妙なタイミング、またその間合いを巧みにつかむこと」です。

テニスやバドミントンなどのペア競技において、お互いの考えを理解しあったりリズムを合わせたりするのは容易ではありません。

今回の例だと、相互に相手の考えを汲み取ったりタイミングを合わせたりできる相手がいるのは恵まれているということです。

「暗黙の了解」の英語表現

英語
「暗黙の了解」の英語表現としては、「tacit understanding」や「tacit agreement」などが適当でしょう。

「tacit」には「暗黙の」や「言葉に表さない」という意味があり、「tacit understanding」や「tacit agreement」は「暗黙の了解」という意味です。

まとめ この記事のおさらい

・「暗黙の了解」は「あんもくのりょうかい」と読み、「黙っていても当事者間で理解・了承されている事柄」や「言葉にしなくても誰もが了解している様」といった意味がある

・「暗黙の了解」はその場の全員が共有するルールやマナーに対しても用いられる為、一般的な常識やマナーを指すことも少なくない

・「暗黙のルール」とは「文書に書かれてはいないが、誰もが守っている決まり」という意味で「暗黙の了解」とは少し異なるが、区別されずに使われることも多い

・「暗黙の了解」の類義語としては、「不文律」や「阿吽の呼吸」といったものが挙げられる

・「暗黙の了解」の英語表現は、「tacit understanding」や「「tacit agreement」などが適当