「ていで」とは?|意味・ビジネスなどでの使い方・類語・英語表現を解説

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この記事では、「ていで」の意味や使い方、類語、英語表現について考察します。

「そのようなていで」と話していることを聞いたことがありませんか?「○○のていで」など、「ていで」が使われることはよくありますが、いざ自分が使うとなると、どのように使えば良いのか迷いますね。

「ていで」はビジネスでも使う表現です。この記事を通じて、「ていで」の意味や使い方を理解して、ご自身のスキルアップにつなげてください。

「ていで」の意味と使い方

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「ていで」の意味を理解するには、その漢字表記を知ることが重要です。

漢字表現は「体で」「態で」

「ていで」は、漢字で「体で」「態で」と表記されます。「体」および「態」には、「そとから見た物事のありさま」「ようす」「見せかけ」「体裁」の意味があります。一般的には「体で」を使うことが多くなっています。

その理由として、「体」の語源にあります。元来は「笨」と同義同音で、「笨」は「おろか・あらい・粗末な・竹の内側」の意味で、「張りぼて」のようなイメージです。このような語源から「見せかけ」のニュアンスで「体で」を使うことが多いという説もあります。

「ていで」の「で」は、様態をしめす格助詞で、「手段」「方法」を表現する時に使用します。「様態(ようたい)」とは、「どうのように見えるのか」「どのように動くのか」など、物事の状態や動作の在り方です。例えば「裸足で」と言えば、靴の履いていない素足の状態という意味になります。

つまり「ていで」は、「○○のようなようすで」○○のような見せかけで」「○○のような体裁で」という意味になります。

「ていで」には2つの使い方がある

「ていで」には、大きく2つの使い方があります。

ひとつは、単純にある状況や状態を表現するケースです。

・受験本番のていで、校内テストに挑みなさい。

この場合は、本番の試験と同じぐらいの状態で真剣に取り組みなさいというポジティブな意味になります。

・散らかっていても、部屋のていであれば問題ありません。

この「部屋のてい」は、人が住めるような状態のことを意味しています。このように、状況や状態を表す意味で「ていで」を使います。

もうひとつは、「見せかける」「取り繕う」という意味合いで使うケースです。

・参加者のていで着席していただければ幸いです。
・とりあえず、これまでの契約書のていで提出してください。

前者の場合は、「見せかける」意味になりますが、「誤魔化す」というニュアンスもあり、ネガティブな表現になります。後者は、次に進むために「取り繕う」意味で、ビジネスの世界ではよくあることです。

「ていで」は「方言」ではありません

「ていで」を初めて聞いた人の中には、「ていで」を「方言」と勘違いする人もいるようです。確かに「それで」のことを「そんで」という方言もあり、音だけを聞くと方言のような響きもしないではありません。

しかし、「ていで」は「方言」ではありません。漢字で書くと「体で」「態で」ですから、まずは漢字から覚えた方が馴染みやすいかもしれません。

「ていで」のビジネス上での使い方

リフレクション
ビジネス上では、会議や商談の際に「ていで」は使われることがあるので、しっかり理解することが大切です。ここでは大きく3つのパターンに分けて紹介します。

曖昧に話を進める

ビジネスでは、商談や契約などにおいて明確な内容ではなく、曖昧に進めた方が良いことも少なくありません。こんな時には「ていで」は便利な言葉です。

・このようなていで、見積書を作成していただけると助かります。
・社長には、そのようなていで報告しておきますので、ご安心ください。

日本の商習慣では、曖昧さが美徳になるケースも少なくありません。ビジネスを円滑に進めるためにも、上手に「ていで」を使ってください。

有益な情報を収集する

ビジネスにとって、情報は貴重な財産です。多ければ多いほど的確な判断ができ、ビジネスの拡大にもつながります。特に、ビジネスのキーパーソンとなる人からの情報は重要です。このような情報を引き出すためには、「知らないふりをする」ことも必要です。

・今回のクライアントとの商談は、この情報は知らないていで臨みましょう。

相手から情報を引き出すためには、無知であることを演じた方が効果的です。知らないふりをすれば相手も油断して、貴重な話を漏らしてしまうもの。ビジネスの駆け引きには必要なテクニックです。

形式を守っておこなう

ビジネスをすすめる上で、形式を守ることも必要です。会議や商談の進め方や契約の仕方などさまざまな形式が存在し、形式を守らなかったために仕事がなくなったという失敗例も少なくありません。「○○のていで」おこなうことが大切です。

・あのクライアントには、決められたていで企画書を提出してください。

時代にそぐわない形式的なことでも、形式を重視するクライアントは多いものです。ビジネスにおいては、相手の形式に合わせることも成功の秘訣ですよ。

「ていで」の類義語と例文

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「ていで」の類語では、「様子で」「態度で」「素振りで」「体裁で」「姿で」「スタイルで」などがあります。

様子で(ようすで)
外から見てわかるような状態で。

例文
・何事もなかったような様子で、店長はお客様に接していました。

態度で(たいどで)
物事に対する感じ方や考え方で、素振りで。

例文
・天才プログラマーと呼ばれた彼は、まるで知らないかのような態度で聞いていました。

素振りで(そぶりで)
顔の表情や物事に対する態度で。

例文
・作業着を着た社長は、スタッフのような素振りで社員の輪の中に入っていきました。

姿で(すがたで)
服装や体つきなどの外見で。

例文
・今回の説明会には、管理職らしい姿で出席してください。

スタイルで
姿・かっこうで。様式で。

例文
・結婚式は当家にふさわしい、古典的なスタイルでとりおこないます。

「ていで」の英語表現


「ていで」をそのまま英語表現にするのはかなり無理があります。英語にする場合には、より具体的な言葉に直してから英訳するのがベストです。例えば、「○○のように」なら、「just like」や「as if」を使い、「○○のような態度」であれば、「take a attitude」を使います。

・He talked just like his grandfather.
 彼はまるで祖父のていで話しました。
・She returned home as if nothing had happened.
 彼女は何事もなかったかのようなていで帰宅しました。
・You should take the attitude you are not interested in what she says.
 彼女の話には全く興味がないというていで、接するべきです。

まとめ この記事のおさらい

・「ていで」は、漢字で「体で」「態で」と表記されます
・「ていで」は、「○○のようなようすで」「○○のような見せかけで」「○○のような体裁で」という意味。
・「ていで」には単純にある状況や状態を表現するケースと「見せかける」「取り繕う」という意味合いで使うケースの2つがある。
・「ていで」をビジネスで使う場合は、「曖昧に話を進める」「有益な情報を収集する」「形式を守っておこなう」の3つのパターンがあります。
・「ていで」の類語は、「様子で」「態度で」「素振りで」「体裁で」「姿で」「スタイルで」など。
・「ていで」の英語表現では、「just like」「as if」「take a attitude」などが考えられます。