つまるところ|意味や使い方、「つまり」との違い、類語や英語表現を解説

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ここでは「つまるところ」という言葉について解説します。「つまるところ」は使用頻度が高い言葉とはいえません。そのため初めて聞いた若者が「トイレの配管が詰まった部分」の意味と勘違いした、という笑い話のような失敗談もあります。

そこで本項では「つまるところ」の正しい意味や使い方について、類義語や英語表現も含めて詳しく解説します。どうぞ最後までお読みください。

「つまるところ」の意味と使い方


「つまるところ」という言葉は、「いろいろと考えた末にこの結論にいたった」という意味で、結論を述べる際に前置きする形で用いるのが基本です。意味や使い方は「つまり」「結局のところ」「要するに」などの言葉と基本的に同じです。

具体的な用法としては、たとえばプレゼンの場で、ある事案を検討した経緯を説明したあとで、「つまるところ、第2案は却下になりました」というと「(いろいろと検討を重ねた末の)結論として、第2案は却下になりました」という意味になります。

「つまるところ」の漢字表現と語源

「つまるところ」は漢字で「詰まる所」と書きます。「詰まる所」の「詰まる」は現代語では「通路や配管などが途中でふさがって通じなくなる」という意味ですが、「詰まる所」の「詰まる」は「これ以上進めない」という意味をあらわします。

従って「詰まる所」の意味は「行き止まりでこれ以上は進めない所」。そこから転じて「あれこれ考えた末にたどりついた最終的な結論」や「そこにいたった経緯の総括」。「これまでの話を要約すると」といった意味をあらわす言葉になりました。

「つまるところ」と「つまり」の違い

「つまるところ」と「つまり」の意味は基本的に同じです。使い方にも特に違いはありませんが、使用頻度は「つまり」のほうが多いと言えます。「つまるところ」はニュアンスがやや古めかしく、使用するのは中高年世代がほとんどです。

また「つまり」には「言い換えれば」という意味もあります。たとえば「π、つまり円周率は3.14とします」というと、「π、言い換えれば円周率は3.14」という意味になります。この用法は「つまるところ」にはありません。

「つまるところ」と「つまり」を比較すると、「つまり」の方が口語的ですが、ビジネスシーンで使えないほどカジュアルな表現ではありません。ビジネス会話で「つまるところ」を「つまり」に置き換えても実用上は問題ないと言えるでしょう。

「つまるところ」のビジネス上での使い方

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前述のように「つまるところ」は「思索や検討を重ねた上での結論」を意味する言葉です。たとえば販売会議で資料を元に一通り説明した後「つまるところ新製品は女性よりも男性、若年層よりも中高年層を主なターゲットとしています」というように使います。

「つまるところ」の使い方としては、長い説明をしめくくる際に聴衆の耳目を集めるために用いられます。ビジネスシーンではプレゼンや講義・講習などのしめくくりで結論の前置きで使います。一方、文書では「つまるところ」は用いないほうがベストです。

なぜならビジネス文書は相手が求める情報を的確かつ簡潔にまとめることが重要だからです。「つまるところ」は「これまでの話をまとめると」という意味ですから、ビジネス文書でこの言葉を使うと前半がまとまりの悪い文章だと自ら認めることになります。

ビジネス文書は「短ければ短いほどよい」と言っても過言ではありません。書く前に論理と思考を整理して、「つまるところ」と書く必要がないほど論旨が的確でわかりやすい文章を心がけましょう。

「つまるところ」は目上の人に使って良い?

「つまるところ」は「結論としては」「要約すると」などを意味する事務的な言葉です。目上の人に使って悪い理由はありません。また「つまるところ」には敬語としてのニュアンスはありませんので、「目上の人にこそ使う言葉」という認識もまちがいです。

目上の人と話す場合に重要なことはビジネス文書と同じ。なるべく簡潔にわかりやすく伝えるように心がけましょう。「つまるところ」を目上の人に対して使う場合は「要領を得ない話で恐縮ですが、つまるところ~」と謙譲を示す前置きをするのも良いでしょう。

「つまるところ」の類義語と例文

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「つまるところ」と同じような意味を持つ類義語には、「結局」「所詮(しょせん)」「つまり」「とどのつまり」「畢竟(ひっきょう)」「要するに」などがあります。その中で「結局」「所詮」「つまり」「要するに」は現代でもよく使われる言葉です。

「とどのつまり」の「とど」とは魚のボラの成魚をいいます。ボラは成長とともに呼び名が変わる「出世魚」で、最も大きな成魚を「とど」といいます。「とどのつまり」は「とど」より上はないことから「つまるところ」と同じ意味をあらわす言葉になりました。

また「畢竟」は「究極」「最終」などを意味する仏教用語ですが、一般には「検討を重ねたうえでの結論として」という意味で用いられます。たとえば「畢竟するに」は「要するに」と同じ意味になります。また「畢竟誤りだった」のように単体でも使えます。

「所詮」の例文

おかげさまで来期から管理職に昇進が決まりましたが、その代わり残業手当がなくなるわけですから、実態は所詮賃金カットですよ。

「とどのつまり」の例文

コロナウイルスの影響で今回の欧州視察は延期となりましたが、そもそも海外渡航ができないんですから、とどのつまりは中止です。

「畢竟」の例文

君の論文は読み物としてはよく書けている。が、畢竟それだけだ。

「つまるところ」の英語表現

英語
「つまるところ」の英語表現としては「after all 」「at last」「finally」「in the end」「ultimately」などをあげることができます。

「after all」は「何といっても」「やはり」「結局」などを意味する言葉です。

「at last」は「最後に」「とうとう」「結局」などの意味をあらわす言葉です。

「in the end」は「最後は」「ついに」「結局は」などを意味する言葉です。

「ultimately」は「最終的に」「究極的には」「突き詰めると」「結局は」などを意味する言葉です。

「after all」の例文

After all, it was just a pie in the sky.

つまるところ、それは絵に描いた餅だった。

「in the end」の例文

In the end, he gave up becoming a fireman because he was afraid of heights.

彼は結局、高所恐怖症のせいで消防士になるのをあきらめた。

「ultimately」の例文

Ultimately, it wasn’t going anywhere.

つまるところ、それはどうにもならなかった。

まとめ この記事のおさらい

  • 「つまるところ」は「考えた末にこの結論にいたった」という意味の言葉です。
  • 「つまるところ」と「つまり」は同じ意味ですが、「つまり」の方が口語的です。
  • 「つまるところ」の類義語には「結局」「所詮」「とどのつまり」「畢竟」などがあります。
  • 「つまるところ」の英語表現は「after all 」「finally」「ultimately」などがあります。