飽和状態とは|市場や化学においての意味・ビジネスでの使い方・類語・英語表現などを解説

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この記事では「飽和状態」の読み方や意味について解説いたします。

学校の授業やビジネスの場など幅広いシーンで使われることがある言葉ですが、その意味や使い方についてはよく分からないという人もいるかもしれません。

そこで今回は「飽和状態」のビジネス上での使い方や類義語、対義語や英語表現も含めて取り上げました。

それでは一つずつ確認していきましょう。

「飽和状態」の読み方・意味・使い方

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「飽和状態」は「ほうわじょうたい」と読み、「持つことができる最大限にまで量が達している状態」という意味です。

あるいは「増加していくうちに、これ以上増加できなくなる状態に達していること」や「飽きること」といった意味で使われることもあります。

つまり「飽和状態」を端的に表すと、「これ以上なく満ちている状態」や「限界寸前の状態」だということです。

また「飽和状態」の使い方としては、次のようなものが挙げられます。

この商品の国内市場は飽和状態に近づいており、各社は価格競争せざるを得なくなった。

国内市場が「飽和状態」というのは、国内でその商品が十分に行き渡っていて新規開拓の余地に乏しい状態のことです。

例えば携帯電話はほとんどの人が持っているもので、今から新規契約をするという人はそう多くないでしょう。

そこで携帯電話の電波を提供する各社は値下げをすることによって他社からの移行を促し、新規契約ではなく乗り換えという形でユーザを増やそうとするのです。

なお携帯電話本体も各社間での競争が激しく、価格を下げることによって優位に立とうとするケースも少なからず見受けられます。

市場や職業における「飽和状態」の意味

市場や職業においても「飽和状態」という言葉が使われます。

市場では「そのサービスや商品が十分広まっていて、新規参入する余地が乏しい状態」、職業だと求人数より求職者数が多い「人が余っている状態」のことです。

人が余っている状態であるかどうかは、「有効求人数」を「有効求職者数」で割った「有効求人倍率」を元に判断します。

求人数より求職者数の方が多いと「有効求人倍率」が1を下回ることになり、その職業においては「飽和状態」であるということです。

なお「有効求人倍率」や「有効求人数」は厚生労働省のウェブサイトから閲覧することができ、発表資料には「建設業」や「製造業」など業種別の求人状況が掲載されています。

化学分野における「飽和状態」の意味

学校の化学の授業などで「飽和」や「飽和状態」という言葉を習ったという人も多いことでしょう。

化学分野における「飽和状態」とは「物質が溶解度まで溶けている状態」という意味です。

「溶解度」は「ようかいど」と読み、「一定の量の水に溶かすことが可能な物質の量のこと」を表しています。

水の温度や物質の種類によって「溶解度」は異なり、「飽和状態」とは物質を追加した場合にも「これ以上はもう溶けない状態」のことです。

また「飽和状態」は「空気が限界まで水蒸気を含んでいる状態」の意味としても使われることがあります。

空気が含むことのできる水蒸気の量には限界があり、一立方メートルあたりの空気が含むことのできる水蒸気の量は「飽和水蒸気量」と呼ばれるものです。

「飽和水蒸気量」は空気の温度によって変わり、高いほど多く、低いほど少なくなります。

「飽和状態」のビジネス上での使い方

リフレクション
「飽和状態」はビジネス上でも使われることがある言葉です。

その使い方としては、例えば以下のようなものが考えられます。

この職種は近年人気が高まっており、市場は常に飽和状態だ。

その時々の経済状況や流行などによって、特定の職種に求職者の応募が集中することがあります。

そうするとその職種は供給過剰の「飽和状態」になり、求職者間の競争が激化するということです。

この例では、ある職種が近年人気になっているので人手余りの状況が続いているということを表しています。

国内市場が飽和状態になる前に、海外展開を視野に入れる必要がある。

国内市場が「飽和状態」になると、それにかかる労力やコストの割にリターンを期待しにくくなります。

逆に海外でその商品やサービスがまだまだ認知されていないのであれば、海外展開することで商機を見出すことができるかもしれません。

この例では、国内市場が「飽和状態」になる前に海外展開を視野に入れた方が良いということを表現しています。

「飽和状態」の類義語と例文

MBA
「飽和状態」の類義語としては、例えば次のようなものがあります。

・最大限

・上限

また上記の類義語を使うと、以下のような例文を作ることができます。

その試験に受かる為に最大限努力した。

「最大限」は「さいだいげん」と読み、「ある範囲で一番大きい度合いであること」という意味です。

この例では、その試験に受かる為に自分ができるかぎりの努力をしたということを表しています。

先日のミスが影響し、予算の上限を超えてしまった。

「上限」の読みは「じょうげん」で、意味は「ある物事においての上の方の限界」です。

今回の例だと、先日のミスが災いして決められていた予算を上回ってしまったということを表現しています。

「飽和状態」の対義語と例文

KJ法
「飽和状態」の対義語は、以下のようなものが考えられます。

・不足

・不十分

またそれらの対義語を使った例文としては、下記のようなものが挙げられるでしょう。

資金不足により、この事業から撤退することになった。

「不足」とは「足りていないこと」を表す言葉です。

この例では、資金が足りておらず事業を継続することができなくなったので、事業から撤退することになったということでしょう。

全てを理解してもらおうとする上で、その説明だけでは不十分だ。

「不十分」は「完璧ではないこと」という意味です。

今回の例だと、説明が完璧ではないので全てを理解してもらおうとするのは難しいということを表しています。

「飽和状態」の英語表現


「飽和状態」の英語表現は、次のようなものがあります。

・saturation(飽和状態)

・red ocean(レッドオーシャン、市場の飽和状態)

上記の英語表現を使った例文としては、以下のようなものが挙げられます。

「saturation」は「浸透」や「集中攻撃」といった意味もあり、動詞は「saturate」です。

特に「saturated」のように受け身の形でよく使われ、その場合は「〜を飽和する」と訳されます。

また「red ocean」はカタカナ語の「レッドオーシャン」としてもよく使われている言葉です。

「レッドオーシャン」とは「既に市場が飽和状態で、新規開拓する余地が乏しいこと」ということを表しています。

「レッドオーシャン」の分野で事業を始めるのはかなり難題だといえるでしょう。

まとめ この記事のおさらい

・「飽和状態」は「ほうわじょうたい」と読み、「持つことができる最大限にまで量が達している状態」という意味がある

・「飽和状態」は市場では「そのサービスや商品が十分広まっていて、新規参入する余地が乏しい状態」、職業だと求人数より求職者数が多い「人が余っている状態」のことを意味する

・化学分野における「飽和状態」とは「物質が溶解度まで溶けている状態」という意味がある

・「飽和状態」の類義語は「最大限」や「上限」などが挙げられる

・「飽和状態」の対義語は「不足」や「不十分」などが考えられる

・「飽和状態」の英語表現は「saturation」や「red ocean」といったものがある