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この記事では「ラップ」について解説します。
独特のリズムで言葉を刻んでいく「ラップ」は、今や音楽のひとつのスタイルとして定番化し、音楽に特別詳しい人でなくても親しむ機会も多くなっています。
この記事では、ラップの歴史や「レゲエ」「ヒップホップ」との違い、ラップの特徴である「ライム」「フロウ」について、ここで初めて用語を知った人にも分かりやすく説明していきます。
ラップとは
ラップとは、ビートにのせてリズミカルに話すように歌う独特の歌唱法です。
今ではポップなミュージックの中にもラップのパートを盛り込んだ楽曲があったりと、ラップに触れる機会も多くなりましたが、もともとは社会に対する不満や主張をぶつけるものから発展したといわれています。
ラップの歴史
ラップといえばヒップホップのビートにのせてリズミカルに語る歌唱法ですが、ラップが生まれたのは1970年代の初めころのニューヨークのサウス・ブロンクス地区だといわれています。
当時、貧困層だったアフリカ系アメリカ人の若者たちが、広場に集まって音楽をかけ、踊ったり絵を描いたり、歌ったり、という中でラップが出来上がったとされてます。
1980年代になると、ヒップホップミュージックのジャンルが確立され、ラップは音楽のひとつとして誰もが親しむようになっていきます。
日本でも1980年代に入ると日本語でラップするラッパーが登場します。1990年代には大規模なイベントが開催されるようになり、日本語ラップはひとつのジャンルとして発展していきます。
「ラップ」と「ヒップホップ」の違い
ラップを語るときに必ず出てくるのが「ヒップホップ」です。「そういえばラップとヒップホップの違いを考えたこともなかった」という人もいれば、「ラップとヒップホップって同じでしょ?」という人もいるでしょう。ここではラップとヒップホップの違いを簡単に説明します。
簡潔にいうと「ラップ」は歌唱法のひとつで「ヒップホップ」は音楽ジャンルのひとつです。
ラップはビートにのせて喋るように歌う独特の歌唱法のことをいいます。リリック(歌詞)で韻を踏むこととと、リズミカルに抑揚をつけるフロウという手法がラップの最大の特徴です。
ヒップホップとはもともとニューヨークのサウス・ブロンクス地区で生まれたストリートカルチャーを指した呼び名です。
ヒップホップには、ラップ、DJ、グラフィティ、ブレイクダンスの4要素があるとされています。DJが音楽をかける中でダンサーが踊り、MCがラップを披露し、アーティストがグラフティーを描く、これらが一体となってヒップホップが生まれました。
現在ではヒップホップといった場合、ビートを聞かせた音楽にラップをのせたヒップホップミュージックを指すのが一般的になりました。ヒップホップミュージックではラップの歌唱法が用いられます。
「ラップ」と「レゲエ」の違い
レゲエにも話すように歌う歌唱法が用いられます。ラップとはどう違うのでしょうか。
レゲエはヒップホップと同じように音楽のジャンルです。ヒップホップはアメリカ生まれですが、レゲエはジャマイカが発祥といわれています。
レゲエは裏拍にインパクトを置いた「ウンチャッ、ウンチャッ」という独特のリズムが特徴です。リズムに合わせて話すように歌う歌唱法はレゲエにもあり、ディージェイと呼ばれます。
ヒップホップなど他のジャンルにおけるDJとは役割が違い、区別するためにDJではなく「ディージェイ(dee jay)」と表記されることが多いです。他のジャンルにおけるDJのポジションは、レゲエではセレクター(selector)と呼ばれます。
ラップの特徴
ラップでは、「ライム」と「フロウ」が重要視されます。
韻を踏む「ライム」
ラップの最も大きな特徴は、リリックで韻を踏む「ライム」です。ライムを決めることが楽曲の良し悪しに影響するといってよいくらいにラップでは重要視されています。
韻を踏むとは簡単にいうと言葉の音を揃えることです。一番わかりやすいのは語尾を揃える手法でしょう。2つ以上の言葉の母音を合わせるのが基本で「感情」「惨状」「案の定」のような感じでリリックに入れ込んでいきます。
実際はこのように単純な語尾合わせではなく、文の先頭を揃えたり長文の音の響きを合わせたりという高度なテクニックが使われています。
歌い方を変化させる「フロウ」
「フロウ」も「ライム」と合わせてラップミュージックを構成する大事な要素です。
フロウとは歌いまわしのことです。ラップはただ音に合わせて語るだけではなく、リズミカルに強弱をつけて表現するのが特徴です。強弱をつけたりスピードに変化をつけて表現することを「フロウ」と呼びます。
ラップバトルとは
ラップには、決まったリリックを歌うのではなく、その場で即興で考えた言葉でラップする「フリースタイル」というスタイルがあります。
さらにラッパー同士が即興のラップで口喧嘩をするのが「ラップバトル」「MCバトル」と呼ばれるものです。
クラブシーンで行われることが多かったラップバトルですが、日本でもラップバトルのテレビ番組が登場したことで、誰もが知るようなブームを巻き起こしました。
ラップバトルの勝敗は、審査員がいる場合と会場のオーディエンスの歓声の大きさで決める場合があります。
勝敗を決めるポイントはラップにおける重要な要素である「ライム」と「フロウ」の出来栄えはさることながら、即興性が求められるのがラップバトルならではの特徴です。
ラップバトルでは、練りに練って美しく出来上がったラップが評価されるのではなく、相手のラップに合わせて瞬時に気の利いたラップを披露できるかがカギとなります。いかにオーディエンスを巻き込んで盛り上げるかがポイントです。
ラップで特に印象的なフレーズは「パンチライン」と呼ばれ、クールなパンチラインで観客を魅了するラッパーは称賛されます。