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※この記事は2019/02/28に加筆修正いたしました。
参りましたや伺いましたなどは、ビジネスの場では使う事や聞くことが多い言葉です。しかし、それぞれの言葉の正しい意味と、違いを知っている人は多くありません。
ここでは、参りましたの使い方や、伺いましたとの違いについて解説します。
参りましたの意味
参りましたの主な意味は以下の通りです。
参りましたの使い方と例文
「参りました」は、「行く」の謙譲語+丁寧語「ます」の過去形で使うことがもっとも多いでしょう。「参る」は謙譲語なので、自分自身の行動に対して使う言葉です。目上の人など他人には使うのは間違いなので、注意しましょう。
例文
「参りました」には、他の使い方もあります。
ひらがな表示「まいりました」で補助動詞として使える
補助動詞として、ひらがな表記で「まいりました」として他の動詞とセットで使うことができます。話し相手に敬意を払って、自分をへりくだってあらわした印象を与えることができる表現になるでしょう。
「歩いていく」、「渡してくる」などの補助動詞「いく」や「くる」について、相手にへりくだって丁寧に伝えるときに使います。
例文は以下の通りです。
勝負で負けて降参の意を示す言葉に使える
参るは、「降伏する」「ほとほと困る」の丁寧表現としてもつかうことが出来ます。
相手にかなわず、屈服した気持ちや、人・物に対して困っている状態を表す「参る」を丁寧語として表現したときに「参ります」と使います。例文は以下の通りです。
困った事をあらわす言葉としても使える
ビジネスの場では使うことは一般的ではありませんが、困った状況になったことも、参りましたとあらわすことが出来ます。例文は以下の通りです。
困難を抱えて心身が弱っている意味でも使える
苦しい状況になって精神や肉体が弱ってしまうときにも、参りましたといいあらわすことが出来ます。例文は以下の通りです。
疲れたことをさらに強調していうイメージです。疲労困憊してしまったことを丁寧に伝えることが出来ます。
参りましたはビジネスで使える
ビジネスマンの場で「参りました」を使っても問題ありません。「参りました」は謙譲語の一種だからです。
しかし、「参る」を使う際には以下の点に注意しましょう。
参るを使う際の注意点
「参る」を使う際は、相手側の行動に対しては使わないようにしましょう。例えば「お客様が13時に参られます。」という使い方は間違いです。
正しくは相手側の行動には尊敬語を使うため、「お客様が13時にいらっしゃいます。」となります。 また自分だけでなく、社内の身内の行動に対しても使うということを覚えておきましょう。
例えば取引先に上司の行動を伝える場合は「部長の田中がそちらへ参ります。」と表現します。
参りましたと伺いましたの違い
「伺う」は「参る」と同じく、「行く」や「訪問する」という意味があります。どちらも謙譲語ですが、若干の違いがあります。
「参りました」と「伺いました」には、注意点として以下の違いがあります。
伺うは謙譲語Ⅰ 参るは謙譲語Ⅱ
2007年以降、謙譲語は謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱで区別されるようになりました。謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱには以下の違いがあります。
○ 先生のお宅に参ります。
○ 先生のお宅に伺います。
→どちらの文も向かう先の相手と聞き手が同じ人物なので、「行く」の謙譲語としてどちらも使うことができます。
○ 私は会議室に参ります。
× 私は会議室に伺います。
→「会議室」は特定の場所であり、敬意を払う対象にはなりません。聞いている人に対して、自分の行動を丁重に伝えることで相手への敬意を払う謙譲語Ⅱを使うのが適切です。上記のの場合は「参ります」が正しい使い方です。
「海外に参ります。」や「タクシーが参りました。」という言葉の場合、海外やタクシーに対する敬語ではなく、話し相手に対する謙譲語Ⅱです。
「先生のところに伺います。」といった場合は、向かう先である先生に対して敬語を使っているため、謙譲語Ⅰです。伺うは謙譲語Ⅰであるため、「妹のところに伺う。」といういい方はしません。
行き先に敬語を使いたい場合は伺う、話し相手に敬語を使いたい場合は参るを用いるとよいでしょう。
話し相手に敬語を使いたい場合や、行き先と話し相手が一致している場合は、「先生のところに参ります。」といういい方で問題ありません。
参りますの類義語
到来、やってくる、訪れる、来る
到着する、着く、たどり着く、訪れる、達する
参加する、通う、往く、列する、出席する、臨む
お目にかかる、馳せ参じる、参上する
困った、窮した、弱った、困惑する、ほとほと参った、
ギブアップする、抵抗をやめる、降参する
「参りました」の英語表現
「参りました」の英語表現は、意味に合わせてさまざまな表現が考えられます。
一般的な「参りました」は、行く・来るという意味の謙譲語の過去形になるので、”come”の過去形”came”や過去分詞”come”が使えるでしょう。
・My name is Suzuki came from Nagasaki.
また、意味によっては”go”や”visit”なども使えます。
注意!
日本のビジネスシーンでは、到着したことを上司に伝える際にも「参りました」と使えますが、英語ではそのまま訳して「I’m came here now.」とは使いません。直訳ではなく、普通に「Hello」の挨拶の方が自然に聞こえます。
勝負に負けて降参の意を表す
フランス語が由来の言葉で、フェンシングの「一本取られた」ことを意味していました。現在では、議論などの時に「それは一理ある」「相手にしてやられた」という意味で使うことができます。フォーマル、インフォーマルどちらのシーンでも使えます。
直訳すると「諦めます」ですが、相手の難しい質問などに答えられない時に「もう降参!」というイメージで使うことができます。
困難を抱えて心身が弱っている意を表す
standは「立つ」の意味のほかに「耐える」という意味を持っています。「この寒さには参った」を意訳して「この寒さには耐えられない」と英語に訳すことができます。standの代わりに「bare(耐える、我慢する)” の動詞を使うこともできます。
参りましたについてのまとめ
- 参りましたは、行く、来る、降参、困った、心身が弱ったなどの意味で用いられます。ビジネスの場では行くや来るの謙譲語で用いられることが多いです。
- 参りましたをビジネスの場で使うことに問題はありません。相手に不快な思いをさせることはありません。
- 謙譲語Ⅰは話題に上がっているものに対する敬語、謙譲語Ⅱは話し相手に対する敬語です。
- 伺いましたは謙譲語Ⅰ、参りましたは謙譲語Ⅱに分類されます。何に対して敬語を用いたいかで使い分けるとよいでしょう。