「斡旋」という言葉を見たリ聞いたりします。身近なところでは、就職先を知人から斡旋してもらったという話や、斡旋販売、斡旋価格という文字もよく見ます。ところがこの言葉、よく似た言葉で「仲介」「紹介」がありますが使い方に違いはあるのでしょうか。

知っておくべき「斡旋」の本当の意味と、置き換えて使えるものなのかを解説します。

斡旋とは

斡旋(あっせん)とは「間に入って両方ともうまく取り持つこと。」です。にている言葉に「仲介」あるいは「紹介」があります。次項ではこの違いを解説いたします。

斡旋・仲介・紹介それぞれの違い

まずは、3つの言葉の意味をとりあげます。

仲介:「当事者の両方の間に立って便宜を図り事をまとめること。」

斡旋:「間に入って両方ともうまく取り持つこと。」

紹介:「間に立って取り持ちをすること。」

誰かと誰かの間に入るのは間違いないのですが、「立って」と「入って」という入り方の違いと、「まとめる」「取り持つ」の違いがあります。

先に、「まとめる」と「取り持つ」の違いですが、「まとめる」という言葉は解決に向けて「積極性」があります。これは「仲介」にある表現ですが、仲介をする人の目的は両者間(当事者双方)に起こっている何らかのテーマや問題に対して、積極的に働きかけるから「まとめる」という解釈ができます。

一方の「取り持つ」は、両者間(場合によっては3者以上)にあるテーマや問題にかかわっているが、「取り持つ」だけで、「まとめる」までには至らないという解釈です。

では「斡旋」と「紹介」の差はどこにあるかというと、「斡旋」が「間に入る」のに対して、「紹介」は「間に立つ」にあります。これも、「斡旋」の方が「立つ」だけでなく、「入る」という一歩踏み込んだ表現になっています。

ちなみに「仲介」は、「当事者双方」とあるので、テーマや課題の目的がより明確な言葉と言えます。

以上から結論として、「仲介」「斡旋」「紹介」の順に、目的に対しての関わり方や、解決しようとする「意志」の強さがあらわれています。

言い換えると「斡旋」や「紹介」は、解決に向けて働きかけはするが、解決そのものは最終的には当事者間でまとめてください、ということになります。そこが、「仲介」のように「まとめる」必要がないという違いです。

その他の類義語

「斡旋」の同義語は「周旋」「口添え」「世話」などです。類義語は、解決意志の強い「仲介」的なものだと、「介入」「介在」、解決意志が少し弱まると、「取成」「仲立」「調停」などがあります。

また、積極介入のない「紹介」レベルの同義語は、「引き合わせ」などです。いずれにせよ、「両者(あるいはそれ以上)の間でおこるテーマや問題へ関わること」が類義語になります。

斡旋・仲介・紹介の例文

斡旋の例文

先輩に就職先を斡旋してもらう。
会社から商品の斡旋販売があった。
労働問題を斡旋での解決を図る。

仲介の例文

不動産の契約を仲介してもらう。
友人から問題の仲介人を頼まれる。
両者のために仲介の労をとる。

 紹介の例文

親友に彼女を紹介する。
顧客の紹介キャンペーンが始まる。
あの有名レストランの紹介者は私です。

斡旋の英語表現

最も近いのは、「good offices」で、「世話」「口利き」を含んでいます。

I’ve got a job at this firm through his good offices.
(彼の斡旋でこの会社に勤めることになった。)(出典:weblio)

直訳的には、「mediation」がありますが、どちらかといえば「調停」「仲介」の意味合いが強い訳です。

また、たとえば「就職斡旋」に意味を限れば「placement」とか、単純に「help somebody (to) find a job」などがあります。つまり、「斡旋」する目的や状況で英語表現は変化するものなので脈絡に注意が必要です。

まとめ

・斡旋は、「間に入って双方をうまく取り持つこと。」です。しかし、同類語で「仲介」「紹介」という言葉をよく聞きますが、微妙に意味の違う言葉です。

・違いのポイントは、両者(あるいは3者以上)の間で関わる人の、「関わり方」の違いです。つまり、両者の間にあるテーマや問題を「まとめる」ところまで積極的に関わる(=仲介)なのか、「取り持つ」程度にとどまる関わり方(=斡旋、紹介)なのかの違いです。

・例文にあるように、「契約」レベルまで関わる「不動産仲介」と、実際の「雇用契約」までは立ち入らない「就職斡旋」の違いが好例です。

「仲介」「斡旋」「紹介」の順番で、テーマや問題解決に向けた意志は弱くなります。