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この記事では「鑑みて」の読み方や意味について解説いたします。
日常会話でもビジネスシーンでも見聞きされる言葉ですが、少し難解な表現ということもあり意味や使い方が分かりにくいかもしれません。
そこで今回は「鑑みて」の語源や「考慮して」との違い、類義語や英語表現などを取り上げました。
それでは一つずつ確認していきましょう。
「鑑みて」の読み方・意味・使い方
「鑑みて」は「かんがみて」と読み、「先例や規範を参考にして考えて」という意味です。
手本や先例など比べられるものを引き合いに出して考えるという意味で、他の物事を参考にした上で判断することを表しています。
つまり単に考えるのではなく、何か比べるものがある場合に使われる表現だということです。
「鑑」という漢字は音読みで「カン」、訓読みで「かがみ」とも呼ぶので、合わせて覚えておくと良いかもしれません。
また「鑑みて」の使い方としては、次のようなものがあります。
「鑑みると」は何かしら比較する要素が存在して初めて使うことができる言葉です。
この例では主要各国を引き合いに出し、日本の少子高齢化の状況を説明しているということが読み取れます。
様々な専用端末やタブレット端末が安価で買えるようになったこともあり、以前よりも電子書籍が買われるようになりました。
しかしながら、売上を見る限りまだまだ紙媒体の書籍の方が主流であるといえます。
この例では、電子書籍は紙媒体の書籍と比べると更に売れるだけの余地があるということです。
「鑑みて」の語源
「鑑みて」の語源は「鏡」という漢字を動詞化した「鏡る」(かがみる)が変化したものだとされています。
「鑑」は元々「鏡」という漢字を使っていたので、その読み方が同じであったり、意味が似通っていたりするというわけです。
またどちらの漢字もモノを映して見るという意味がありますが、「鑑」はお手本や規範といった意味合いが強く、「彼は教師の鑑だ」といった使い方をします。
そのことから転じて、「鑑みて」は「お手本や学ぶべき前例と比較して」といった意味で使われるようになりました。
ただし現在では、前例の良し悪しに関わらず広い意味で使用されていることに注意が必要です。
「~を鑑みて」ではなく「~に鑑みて」と使う
「鑑みて」という言葉を使う際には「これまでの社会情勢を鑑みて」のように、「~を鑑みて」と使う場面が少なからず見受けられます。
しかし「鑑みて」の本来の意味は「~に照らして考えて」なので、「〜を鑑みて」という使い方は誤用です。
したがって「〜に照らして考えて」という意味に対応する「〜に鑑みて」が正しい使い方だとされています。
「~を鑑みて」という使い方をされるようになったのは、「~を考慮して」と混同してしまったからかもしれません。
ただし先述の通り、誤用が広まって現在では「~を鑑みる」という使い方も正しいという意見もあります。
言葉は時代と共に移ろいでいくものですが、本来は「〜に鑑みて」という使い方が正しいということは知っておいて良いでしょう。
「現状を鑑みて」は誤用
先例や規範というのは現在ではなく過去にできたものであることから、「鑑みて」は過去のものに対して使う言葉です。したがって「現状を鑑みて」は誤用だといえます。
また上述のように「〜を鑑みて」ではなく「〜に鑑みて」と用いるのが正しいことから、「現状を鑑みて」はやはり誤用だということです。「現状を鑑みて」という表現はインターネットや日常生活などでも散見されますが、誤用だと認識せずに使っているケースがほとんどでしょう。
この機会に、「現状を鑑みて」は誤用だということを覚えておくと良いかもしれません。
「鑑みて」と「考慮して」の違い
「鑑みて」と似た言葉として「考慮して」があります。
「考慮して」は「色々な要素を含めて物事をよく考えて」という意味です。
「考える」という点においては「鑑みて」と共通していますが、上述の通り「鑑みて」は「比べられるものを引き合いに出して」というニュアンスを含んでいます。
つまりこの二つの言葉の違いは、「比較対象があるかどうか」ということです。
比較するものがあれば「鑑みて」を、なければ「考慮して」を使うのだと考えると分かりやすいかもしれません。
「鑑みて」のビジネス上での使い方
「鑑みて」はビジネス上でも使われることがある言葉です。
具体的な使い方としては、例えば以下のようなものが考えられます。
売上は各企業が指標としているものの一つで、年々売上を伸ばしていくことを目標としている企業も少なからずあります。
そのような企業は、前年の同時期と比べて売上がどうなっているかを一つの基準としている場合も多いです。
この例では、去年の同じ時期と比べると売上があまり伸びていないということが読み取れます。
その時々の経済状況や企業の業績によって、採用状況も大きく変わってきます。
なぜならそれらによって、採用する人数が増減されるからです。
この例では、以前までと比べると労働者を採用することが難化してきたということでしょう。
なお「人手不足倒産」という言葉があるように、各企業にとって人材の採用は企業の将来や存続を左右するほどの死活問題だといえるかもしれません。
「鑑みて」の類義語と例文
「鑑みて」の類義語には、次のようなものがあります。
- 顧みて
- 踏まえて
その他には「参考にして」や「照らし合わせて」、「振り返って」や「念頭に置いて」といったものが考えられるでしょう。
また上記の類義語を使うと、下記のような例文を作ることができます。
「顧みて」は「かえりみて」と読み、「過ぎ去ったことを思い起こす」などという意味があります。
この例では、過去の失敗を思い起こして次回の成功を自分の義務としたということです。
なお「顧みる」の同音異義語として「省みる」が挙げられます。
「省みる」は「反省」という言葉があるように、「自分のしたことをもう一度考えてみる」や「反省する」という意味です。
「踏まえて」の意味は「判断や基準の根拠として」です。
この例だと、これまでの実績や態度を判断の根拠として彼をリーダーに選んだということでしょう。
「鑑みて」の英語表現
「鑑みて」の英語表現としては、下記のようなものが考えられます。
- in view of
- considering
また上記の表現を使うと、次のような例文を作成できます。
「in view of 〜」は「〜に鑑みて」と訳すことができます。
この例では、失敗が複数なので「failures」と複数形にしているというわけです。
「considering」は「〜を考慮すると」や「〜の割には」という意味があります。
上記の例だと、実年齢の割に見た目が若く見えるということです。
まとめ この記事のおさらい
- 「鑑みて」は「かんがみて」と読み、「先例や規範を参考にして考えて」という意味がある
- 「鑑みて」の語源は「鏡」という漢字を動詞化した「鏡る」(かがみる)が変化したものだとされている
- 「鑑みて」は「~を鑑みて」ではなく「~に鑑みて」と使う
- 「考慮して」は「鑑みて」と違い、比較対象がなくても使うことができる
- 「鑑みて」の類義語は「顧みて」や「踏まえて」などが挙げられる
- 「鑑みて」の英語表現としては「in view of」や「considering」といったものが考えられる