先んじて|読み方・意味・使い方・「先だって」との違い・ことわざや英語表現を解説

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この記事では「先んじて」の意味や使い方について解説いたします。

「先」という言葉が使われていることから意味はイメージしやすいものの、細かい意味や使い方まではよく分からないという人もいるかもしれません。

そこで今回は「先んじて」の語源や「先だって」との違い、ビジネス上での使い方や英語表現なども合わせてまとめました。

それでは一つずつ確認していきましょう。

「先んじて」の読み方・意味・使い方

パラリーガル
「先んじて」は「さきんじて」と読み、「前もって」という意味です。

つい「せんじて」と読んでしまう人もいるかもしれませんが、それは間違いなので気をつける必要があります。

「先んじて」は人の行動よりも先にすることを意味し、先に立って進むことを表す時に使われる言葉です。

その使い方としては、例えば次のようなものが挙げられます。

男女平等という点に関して、北欧は他の国や地域に先んじている

給料格差や役職者の男女比率など、世界ではまだまだ男女平等に至っていない国や地域が少なからず見られます。

そんな中、北欧諸国は世界有数の男女平等地域として有名です。

この例では、北欧は他の国や地域よりも男女平等という点で先に進んでいるということを表しています。

他の学生に先んじて勉強を始めていたので、テスト期間は余裕を持って過ごすことができた

テスト勉強はある程度前もって準備を進めておいた方が、テスト期間も慌てずに過ごせることでしょう。

とはいえ学生は部活やアルバイト、サークル活動など勉強以外にやりたいことが沢山あり、なかなか勉強だけに打ち込めないという人も多く見られます。

今回の例だと、他の学生が忙しくしている中で早めに勉強していたのでテスト期間に余裕を持つことができたということです。

「先んじて」の語源

「先んじて」は動詞「先んじる」の連用形「先んじ」と接続助詞「て」が合わさったものです。

「先んじる」は「他より先に物事を行う」という意味があるので、「先んじて」は先述したような意味で使われています。

なお「先んじる」はサ変動詞「先んずる」と表現されることもありますが、意味は同じです。

「先んじて」と「先だって」の違い

「先んじて」に似た言葉としては「先だって」が挙げられます。

「先だって」は「さきんじて」と読み、時間を表す「先日」や「この間」という意味と、「前もって」という意味の2通りの使い方があるのが「先んじて」との相違点です。

「先んじて」には「先日」や「この間」という意味はないので、混同しないように注意する必要があります。

「先んじて」のビジネス上での使い方

経営コンサルタント
「先んじて」はビジネス上でもよく使われる言葉です。

「先んじて」のビジネスシーンでの使い方としては、例えば以下のようなものが考えられます。

この分野への投資を他社に先んじて行うことで、当社は売上を大きく伸ばすことができた

世の中の動きや変化のスピードが早くなっている昨今では、ビジネスにおいて常に先を見据えて行動することが非常に重要だといえます。

例えば世の中でヒットした商品を他社に追随して発売しても、すでに広まった後なので売上を大きく伸ばす余地が少ないからです。

この例では、ある分野への投資を他社より先に行うことで大きな売上を残すことができたということを表しています。

彼は「先んじてご報告します」という口癖が示すように、いつも先のことを考えて行動している

「先んじてご報告します」とは「前もってご報告します」という意味です。

何かしら行動したりする前にまず上司に報告をするという場面で使われます。

今回の例だと、いつも先のことを考えて行動できるからこそ前もって報告することができるということでしょう。

「先んじて」に関することわざ

退職 挨拶
「先んじて」には「先んずれば人を制す」や「先手は満手」など、関連することわざが複数あります。

「先んずれば人を制す」とは「何事も人より先に行うことで、自分を有利なポジションに導くことができる」という意味です。

例えば勉強や仕事、受験や就職活動などでライバルよりも先に行動することで自分が優位に立てるようになるということを表現しています。

また「先手は万手」は「せんてはまんて」と読み、「人よりも先に物事を行えば、有利な立場に立てるということ」という意味です。

「先手は万手」も「先んずれば人を制す」と同じように、人よりも先に物事を行うことの優位性を表した言葉だといえるでしょう。

その他にも漢文では「先即制人」(せんそくせいじん)という言葉があり、その意味は「人より先に事をすれば、人を支配することができる」です。

このように人よりも先に行動することの重要さを意味することわざは非常に多く見られます。

このことから、国や時代を問わずこの考え方や価値観は普遍的なものだといえるかもしれません。

「先んじて」の類義語と例文

弁証法
「先んじて」の類義語としては、次のようなものが該当します。

・先駆けて

・先行して

それ以外では「先陣を切って」や「いの一番に」といったものが当てはまるでしょう。

また上記の類義語を使うと、以下のような例文を作ることができます。

あの会社は他社に先駆けてパソコンを全廃したことで有名だ

スマートフォンやタブレット端末が普及したといっても、仕事をする上で中心にあるのはパソコンだという会社も多いでしょう。

しかしながら、それは「仕事はパソコンでするものだ」という固定観念があるからかもしれません。

現にこの例のように、仕事ではパソコンを一切使わないという会社も現れ始めています。

そのファンクラブに入っている人は、先行してライブのチケットを購入することができる

ファンクラブに入会する特典の一つとして、ライブやイベントのチケットを他のファンよりも先に買うことができるというものがあります。

そうすることで、確実にチケットを入手することができるというわけです。

その為、その特典を目当てにファンクラブに入っているという人も少なくないかもしれません。

「先んじて」の英語表現

センテンス
「先んじて」の英語表現としては、「do first」や「in advance」などが挙げられるでしょう。

それらを使った例文としては、以下のようなものが考えられます。

You should do first to study.(先んじて勉強するべきだ。)

「do first」は「初めにする」などという意味です。

他の人や物よりも先に物事を行うことを表現したい時に使います。

This book is far in advance of its time.(この本はその時代よりはるかに先んじていた。)

先を見通すことができる人が著した本は、当時はあまり受け入れられなくても後世では大いに評価されるということがよくあります。

今回の例でも、その時代よりもはるかに進んだ考え方がその本に書かれていたということでしょう。

まとめ この記事のおさらい

・「先んじて」は「さきんじて」と読み、「前もって」という意味がある

・「先んじて」は動詞「先んじる」の連用形「先んじ」と接続助詞「て」が合わさったもの

・「前もって」の意味しかない「先んじて」と異なり、「先だって」は「先日」や「この間」という意味でも使うことができる

・「先んじて」に関することわざとしては、「先んずれば人を制す」や「先手は万手」などがある

・「先んじて」の類義語は「先駆けて」や「先行して」といったものが挙げられる

・「先んじて」の英語表現は「do first」や「in advance」などが考えられる