「かねてより」の意味とは|ビジネスや履歴書での使い方などを解説

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ビジネスなどでよく見かける「かねてより」という言葉。なんとなく使うことも多いですが、業種によっては使用できないシーンもあります。この記事を読めば「かねてより」の正しい使い方が身につきます。

「かねてより」の意味


「かねてより」は、「以前から」「前もって」「予め」などの意味があります。ビジネスなど少し形式的なシーンで頻繁に使用され、この言葉に触れる機会も多いでしょう。一般的にはひらがなで表記し、動詞と組み合わせて使用します。使用する際には「かねてより〜だった」という風に、続く動詞は過去形で使用することがほとんどです。

「兼ねて」と「予て」書き方はどっちが正しいのか

「かねてより」を漢字で表記する時に思いつくのが「兼ねて」「予て」の二つ。この二つの表記はどちらも間違いではありませんが、一般的には「予て」と表記する場合が多いです。

「兼ねて」の場合には、あわせ持つという意味の「兼ねる」という言葉と同じ漢字になるため、意味が紛らわしくなってしまうことが理由でしょう。

ちなみに、「かねてより」を漢字で表記する場合の「兼ねて」は古語である「兼ぬ」の連用形に接続助詞の「て」が付属したもの。「兼ぬ」には現代語の「兼ねる」よりも幅広い意味があり、予期する、予測する、(一定の区域に)わたる、などをあらわします。

ビジネスで使う際の例文

かねてより計画しておりましたこちらの計画を実現する時がきました。」
かねてより念願の新しい部署を立ち上げることになりました。」

ビジネス以外で使う際の例

かねてより噂されていた大地震が明日起きるかもしれない。」
かねてより望んでいた海外旅行へ出かけることにしました。」

履歴書の志望動機・自己PRなどにもOK

「かねてより」は履歴書の志望動機や自己PRなどにも使うことができる表現です。

その使い方としては、例えば以下のようなものが考えられるでしょう。

履歴書の志望動機の欄には、かねてより英語を使える業界を希望していたことを記載した。

履歴書の志望動機の欄には、自分がなぜその会社やその業務を希望しているのかを書きます。

理由をしっかりと伝えることによって、先方に自分の思いや熱意を理解してもらうことができるのです。

今回の例では上記のような理由から、履歴書の志望動機の欄に、以前から英語を使える業界を志望していたことを記載したということでしょう。

履歴書の自己PRでは、かねてより社交的で誰とでもすぐに仲良くなることができることを強調した。

履歴書の自己PRでは、その会社やその業務に有利になるようなものを書いた方が採用に繋がりやすいといえます。

例えば事務職を志望しているのであれば、事務処理能力やパソコンのスキルなどをPRするといった具合です。

この例では、営業職などコミュニケーション能力を必要とする業務を志望しているので、誰とでもすぐに仲良くなれることを履歴書の自己PRで強調したということでしょう。

芸能人が使う「かねてよりお付き合いしていました」の意味

芸能人が結婚会見などを開く時に言う「かねてよりお付き合いしていました」という言葉、これも先ほどと同じ「以前から」という意味だと解釈できます。会見などで丁寧な表現をするために「かねてより」という表現を使っているのですね。

「かねてより」に似た言葉「かねて」「かねてから」


「かねてより」に似た言葉として「かねて」「かねてから」があげられます。「かねて」は「兼ねて」または「予て」と表記し、「以前から」「以前に」といった意味です。かつて、かねがね、といえばわかりやすいでしょう。

そして「かねてから」という言葉は「かねてより」と同じ意味の言葉。「かねてより」の方が古い時代から使われているといわれています。

新聞記事で「かねてから」といわない理由

「かねてより」と同じ意味で使用される「かねてから」ですが、新聞記事で使用されることはほとんどありません。

これは以前からという意味を持つ「かねて」と「から」の重複語であり、「から」にも以前からというニュアンスが含まれることが理由です。

ただし、「かねてから」も古い時代から使われており、日常会話では許容されています。

「かねてより予定している」は誤用

「かねてより予定している」という表現を使っている人もいますが、実はこの言い回しは誤用だとされています。

なぜなら「かねてより」は「前もって」、「予定」は「前もって見込みをつけること」という意味があり、意味が重複してしまうからです。

もしも別の表現に言い換えるなら、「かねてより計画している」「かねてより考えている」といったものが挙げられるでしょう。

「かねてより予定している」も同じ感覚で使ってしまいそうになるという人もいるかもしれませんが、使わないように気をつけた方が良い表現です。

重複語とは

重複語とは、重言・重複表現とも言われ、同じ意味やニュアンスを持つ言葉を重ねて使用することをさします。

聞き手から「言葉の意味を正しく知っていない、正しく使えていない」と思われてしまうことから、また「くどい」と思われることから重複語は基本的に避けなければなりません。

ただし本来は重複語となってしまう表現でも、あまりにも頻繁に多くの人が使用する言葉や表現である場合はその用法が許容されます

英語での言い方


英語で「かねてより」を表現する場合には以前より、予めという意味を持つ「in advance」やしばらく前からという意味を持つ「for some time」などが適切です。

ただし日本語の「かねてより」とは少し使い方に違いがあるので注意が必要。「advance」には進める、前進させるなどの意味の他に早める、繰り上げるといった意味もあります。

かねてよりの英文

Pay in advance.
前もって(予め)支払いをする。
We had planned this〜
かねてより計画していた〜

かねてよりのまとめ

「かねてより」は、「以前から」「前もって」「予め」などの意味を持つ言葉。

ビジネスなどのシーンでよく使用され、漢字で表記することもできますが一般的にはひらがなで表記されることがほとんどです。

似た言葉で知られている「かねてから」という言葉ですが、新聞記事では基本的に使われません。これは本来「かねてから」は重複後であることが理由ですが、日常会話などでの使用は問題ありません。使用するシーンに合わせて適切に使い分けられるといいですね。

また「かねてより予定している」は誤用なので、使わないように気をつけた方が良いでしょう。

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