この記事では、「けれんみ」の意味や使い方、類語、対義語、英語表現について解説します。

「けれんみ」という言葉をご存じですか?映画や漫画などでは、ときどき見かけられる表現ですが、その意味を正しく知っている人は少ないでしょう。

「けれんみ」を正しく使えれば、周りの人にも一目置かれるかもしれません。この記事を通して、「けれんみ」の意味や使い方を理解して、ご自身の知識の幅を広げてください。

「けれんみ」の意味とは

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「けれんみ」とは、「はったりやごまかし」のことです。一般的には「ケレン味』というようにカタカナと漢字で表現することが多いようですが、「外連味」と漢字で書くのが正式な表記です。
「外連味」と読むのが難しいので、「ケレン味」と表現するようになったようです。

「けれんみ」の語源

「けれんみ」は、歌舞伎や浄瑠璃で芸の本道から外れた、早変わりや宙返りなどの奇抜な演出を「外連(けれん)」と呼ばれたことが語源と言われています。
「外連」に内容やおもむきを意味する「味(み)」がついて、「外連のような内容のもの」から、「はったり」「ごまかし」の意味に発展していったと考えられています。

「けれんみ」の使い方

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「けれんみ」の意味は、「はったりやごまかし」で、あまり良いイメージではありません。しかし、実際は、良い意味と悪い意味の両方で使われているようです。

「けれんみ」は、主に映画や演劇、アニメなどの世界で使われる表現ですが、「はったりやごまかし」の他に「ウケを狙った」という意味合いも含まれています。

エンターテイメントの世界で、観客や視聴者の「ウケを狙う」のは自然のことですが、その手法に賛否が分かれることもよくあることです。

毎日新聞の調査では、「けれんみのある演技」という表現をどうとらえるかの質問に対して、「褒めている 44%」「批判している 14%」「文脈による 28.6%」「意味がわからない 13.1%」という結果が報告されています。
つまり、半数近い人が良い意味として解釈しているのです。逆に、「けれんみがない」というと「面白みがない」「代りばえしない」という意味で使われることが多くなっているようです。

実際の映画評論などでは、「けれんみと威厳たっぷりな名演技」というような使われ方がしばしば見られます。

また、サンデー毎日の中で、作詞家のなかにし礼さんは「けれんみのない」という表現が一般社会では「ごまかしのない」という誉め言葉になっていることに対して、芸能の世界では、「面白みのない」という意味で使われていることに言及しています。

しかし、文脈によっては、「けれんみ」は、辞書で解説しているようなマイナスのニュアンスで使われることもあります。
「けれんみのない作品」を「偽りのない、正統的な作品」という意味で紹介している文章も少なくありません。

また、相撲の世界では、「けれんみ」は辞書に近い意味合いで、かわしたり、小細工するような悪い意味で使われ、「けれんみのない相撲」と言えば、堂々とした正統派の相撲の意味になります。

「けれんみ」は、文章の流れからプラスの意味なのかマイナスの意味なのかを判断するののがベストですね。

「けれんみ」を使った例文をいくつか紹介しますので、どちらの意味で使われているのか考えてください。

・彼の演技はけれんみにあふれて、すごく感動しました。
・この作品はけれんみが強くて、あまり好きになりません。
・彼女は美人でルックスは完璧ですが、演技にけれんみがなく魅力を感じません。
・横綱のけれんみのない相撲に、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。
・今回の大河ドラマは、極力けれんみを排除しリアリティを追求したものになっています。

「けれんみ」の類義語と例文

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「けれんみ」の類語には、「誤魔化し」「偽り」「いかさま」「はったり」「ペテン」「糊塗」などがあります。

誤魔化し(ごまかし)
だまして人の目をあざむくこと。

例文
・有能な技術者たちが集まっている現場では、そんな誤魔化しは通用しません。

偽り(いつわり)
本当でないこと。うそ。

例文
・彼の言葉に偽りはなかったのですが、経営陣はだれも信じなかったのです。

いかさま
いかにも本当のようにみせかけること。そのさま。

例文
・あんなにボロ勝ちするなんて、いかさましか考えられません。

はったり
おおげさに言ったり、強気な態度で相手を威圧しようとすること。

例文
・ヤクザに知り合いがいるとはったりを利かせていた男は、警官の姿をみるなり姿を消しました。

ペテン
人をあざむきだますこと。

例文
・そのイケメンは、数々の女性をペテンにかけていたようです。

糊塗(こと)
物事をその場しのぎで取り繕うとすること。

例文
・なんどか自分の失態を糊塗してきた彼でしたが、今回だけは誤魔化しきれません。

「けれんみ」の対義語と例文

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「けれんみ」の明確な対義語はありませんが、「はったりやごまかし」の意味の対義語としては、「正直」「実直」「誠実」「朴訥」「忠実」「良心的」などが考えられます。

正直(しょうじき)
正しくて、嘘や偽りのないこと。

例文
・社長でありながら正直に自分の非を認める姿勢には、社員一同敬服しています。

実直(じっちょく)
正直でまじめなこと。

例文
・彼のように実直で腕のいい職人を捜すのは、不可能でしょう。

誠実(せいじつ)
私利私欲がなく、真心をもって人や物に対すること。

例文
・飾り気がなく誠実に仕事に取り組む彼女の姿を見て、彼は心を奪われました。

朴訥(ぼくとつ)
飾り気がなく、口数が少ないこと。そのさま。

例文
・真面目で朴訥な父が、会社の宴会で腹芸をやるなんて信じられません。

忠実(ちゅうじつ)
真心がこもっていること。少しの違いもなく、そのとおりにすること。

例文
・今回のドラマでは、大正時代の街並みが忠実に再現されています。

良心的(りょうしんてき)
良心に従って行動するさま。

例文
・芸能界には良心的でない人物も多いので、言葉や身なりだけで信用してはいけません。

「けれんみ」の英語表現


「けれんみ」は、歌舞伎や浄瑠璃の世界から出てきた言葉ですから、そのまま英語にするには無理があります。
辞典の解説にある「はったり」の意味では、「bluff」という英語があります。

・He said he could do it, but it was just a bluff.
 彼はできると言いましたが、それははったりでした。

また、「目立つ」「見せつける」という意味では、「shows off」を使います。

・He always shows off in front of the boss.
 彼はいつも上司の前では、自分を見せつけています。

芸能の世界で使われる意味の「けれんみ」は、「unique」や「originality」が近い英語表現と言えるでしょう。

・His acting is very unique.
  彼の演技にはけれんみがあります。
・The costume she designs are full of originality.
 彼女がつくる衣装はけれんみにあふれています。

まとめ この記事のおさらい

・「けれんみ」とは、「はったりやごまかし」のことです。
・歌舞伎や浄瑠璃で芸の本道から外れた、早変わりや宙返りなどの奇抜な演出が語源。
・「けれんみ」は、文脈によってプラスの意味とマイナスの意味に解釈されます。
・「けれんみ」の類語は、「誤魔化し」「偽り」「いかさま」「はったり」「ペテン」「糊塗」など。
・「けれんみ」の対義語は、「正直」「実直」「誠実」「朴訥」「忠実」「良心的」などが考えられます。
・「けれんみ」の英語表現には、「bluff」「shows off」「unique」「originality」などがあります。