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この記事では、「ですが」という言葉の意味や使い方、類語、英語表現について解説します。
「ですが」は、普段日常会話でも使う言葉ですが、ビジネスで使う場合には注意が必要です。
ビジネスのスキルアップのためにも、この記事を通して「ですが」の正しい意味と使い方を理解してください。
「ですが」の意味
「ですが」は、助動詞の「です」と助詞の「が」ついた語で、後述することが反対や対立の関係にある事を示します。
「彼はベジタリアンですが、チキンは食べます」のように「ですが」の後に反対の意味の事柄が続きます。
「ですが」は文法的には接続詞です。
接続詞には、「順接」「逆説」「並列」「添加」「対比」「選択」「説明」「補足」「転換」などの種類がありますが、「ですが」は「逆説」に分類されます。同じ逆説の接続詞の「しかし」との違いは、「しかし」が完結した文章の後につくのに対して「ですが」は文章の後ろについて、そのまま文が続くことです。
・彼はとても几帳面です。しかし、時間にはルーズなところがあります。
これを「ですが」を使うと、・彼はとても几帳面ですが、時間にはルーズなところがあります。
同じ逆説の接続詞でも、「しかし」よりは柔らかい表現になります。
また、「おっしゃる通りですが、いくつか誤解されている点があります」のように、相手の話を聞いた上で、自分の意見を言う時などにも「ですが」は使われます。
「ですが」を失礼な言葉だと思う人もいるようですが、「ですが」は「だが」の丁寧語です。
「大変恐縮ですが」などのようにかしこまった表現でも使われます。
「ですが」を使う時の注意点
「ですが」を使う場合に、注意すべき点があります。
目上の人にはあまり使わない
「ですが」は丁寧語ですが、尊敬語や謙譲語ではありません。元々「そうですが」の略語と言われ、敬意を払う相手に対して略語を使うのは良くありません。会社の上司にはよく使うかもしれませんが、上司以外の年上の人には、「ですが」を使わないのが無難です。
もし、意見を述べたい時には、「しかし」や「しかしながら」を使うようにしましょう。
文頭では使わない
「ですが」は文と文をつなぐ接続詞ですから、文頭には使えません。
「ですが定時までには必ず戻ります」と言われても、何があったのかわかりません。
「車が渋滞中ですが、定時までには必ず戻ります」のように、「ですが」の前に必ず文を入れるようにします。
「なんですが」はビジネス上では使わない
一般的な会話でも「そうなんです」や「したんです」など、「の」が「ん」になる傾向があります。
「なんですが」は、「なのですが」の「の」が「ん」になった砕けた表現です。ビジネスシーンなどのきちんとした場所では、ふさわしくないので使わないようにしましょう。
「なのですが」「しかし」という言い方に変えるのがベストです。
「ですがなにか」は挑発的になる
最近、テレビなどで「○○ですがなにか」という表現がよく使われます。自分の意見を言った後で誰かが質問した際、「そうですがなにか」と言われた場合、多くの人は挑発的な言い方だと思うはずです。
ビジネスシーンや目上の人に対して「ですがなにか」は決して使わないでください。
「ですが」のビジネス上での使い方
「ですが」はビジネス上ではさまざまな使われ方をしています。その例文をいくつか紹介します。
・彼は優秀ですが、プレゼンテーション能力には疑問があります。
・先日発売した製品ですが、すでにいくつかの不具合が報告されています。
「ですが」を反論として使う場合は以下のような例文になります。
また、「ですが」は、電話で名乗る場合にも使われます。
・はい、鈴木ですが、あいにく専務は外出しております。
「ですが」の類義語と例文
「ですが」の類義語としては「しかし」が代表的です。「しかし」は日常会話ではあまり使いませんが、文章では見かける接続詞です。
・会議は午後3時開始予定です。しかし、部長の帰社時間によっては遅れる可能性も考えられます。
また、話し言葉としては、「でも」「けれども」「だけど」がフランクな表現で使われます。
・今回の企画は採用されませんでした。でも、チームワークの良さはどの部署にも負けません。
・実験は成功したけれども、数々の問題点が顕わになりました。
・君の意見は正論だけど、問題の解決にはなりません。
また、古い言い回しの類語として「さりとて」があります。「さりとて」は「そうはいっても」「そうだからといって」の意味です。
・車は欲しいが、さりとてすぐには買えません。
「ですが」の英語表現
「ですが」の英語表現で基本中の基本が「but」です。英語での逆説の接続詞の代表で、カジュアルなシーンではよく使われます。
(この小説は短いけど面白いです。)
また、「but」と同様に逆説の接続詞としてよく使われるのが、「however」です。「but」より、ややフォーマルな表現になります。
(これは安価で簡単な方法ですが、危険性があります。)
また、「but」や「however」以外にも「although」「though」「in spite of」「despite」「yet」などがあります。
(その日は雨でしたが、オープニングセレモニーは大成功でした。)・Though I like steak, I hate bacon.
(ステーキが好きですが、ベーコンは嫌いです。)・In spite of the heavy traffic, we arrived on time.
(車は渋滞していましたが、時間通りに着きました。)・Despite my efforts, I didn’t pass my exam.
(努力したのですが、試験には受かりませんでした。)・She is not the prettiest girl, yet I’m attracted to her.
(彼女はそんなに可愛くはないけど、惹かれるんだ。)
まとめ この記事のおさらい
- 「ですが」は、助動詞の「です」と助詞の「が」ついた語で、後述することが反対や対立の関係にある事を示します。
- 同じ逆説の接続詞でも、「しかし」よりは柔らかい表現になります。
- 「ですが」は「だが」の丁寧語です。
- 注意点としては「目上の人には使わない」「文頭では使わない」「『なんですが』はビジネス上では使わない」「『ですがなにか』は挑発的」などがあります。
- 「ですが」の類義語としては「しかし」が代表的。話し言葉としては、「でも」「けれども」「だけど」があります。
- 「ですが」の英語表現では「but」や「however」が代表的。その他に「although」「though」「in spite of」「despite」「yet」などがあります。