ふつつかもの|意味や使い方、漢字表記や類語、英語表現などを解説

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この記事では「ふつつかもの」の意味や使い方について解説いたします。

結婚相手の親族への挨拶や新入社員の自己紹介などで使われることがある表現ですが、今ひとつ意味や使い方が分かりにくい言葉かもしれません。

そこで今回は「ふつつかもの」の漢字表記やビジネス上での使い方、類義語や対義語なども合わせてピックアップしました。

誤った意味の解釈や使い方をしないように、一つずつ確認していきましょう。

「ふつつかもの」の意味と使い方

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「ふつつかもの」とは「無作法な人」や「行き届かない人」といった意味です。

その他にも「気が利かない人」や「未熟者」などの意味でも使われます。

自分をへりくだらせて表現する場面でよく用いられ、結婚式のスピーチなどで聞いたことがあるという人もいるかもしれません。

また「ふつつかもの」を使った例文としては、次のようなものが挙げられます。

(新入社員の自己紹介などで)「ふつつかものではありますが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いいたします」

新入社員などが自己紹介する際に、上記のような言い回しをすることがあります。

この場合の「ふつつかもの」は「未熟者」の意味で使われていると考えるのが適当でしょう。

一般的に傲慢な人よりも謙虚な人の方が好まれる傾向があるので、定番のフレーズとして用いられるようになったのかもしれません。

(娘を持つ親が娘の結婚相手に対して)「ふつつかものの娘ですが、何卒よろしくお願いします」

「ふつつかもの」は結婚の報告や結婚式のスピーチなどでも使われることがある言葉です。

この場合は「行き届かない人」や「未熟者」といった意味で使用されていると考えられます。

上記の例文を要約すると「未熟で行き届かないところもある娘ですが、どうぞ末長く面倒を見ていただくようよろしくお願いします」といった意味です。

「ふつつかもの」の漢字表記は「不束者」

「ふつつかもの」を漢字で表記すると「不束者」です。

「不束」は平安時代初期の頃に使われていた「太束」(ふとつか)という言葉が由来だとされています。

「太束」には「短くて太い柱」という意味があり、それが転じて「太くて頑強なさま」という意味で使われるようになりました。

元々は褒め言葉として使用されていましたが、時代の変遷とともに太くて頑強であるよりも優美で繊細であることの方が望ましいとされるようになったのです。

その為「野暮ったくて面白みがない人」のことを「太束」と表現するようになり、それが次第に「つまらない人」や「いい加減な人」として評されるに至りました。

つまり最初は「太束者」と呼ばれていたのが、「気が行き届いていない」や「不足している」といった意味を含んで「不束者」に変わっていったというわけです。

なお「不束」という言葉は「源氏物語」でも見られますが、「正しい人」や「つたなくて荒っぽい人」のような意味で用いられています。

「ふつつかもの」のビジネス上での使い方


「ふつつかもの」はビジネス上でも使われることがある言葉です。

その使い方としては、例えば以下のようなものが考えられるでしょう。

(取引先で部下を紹介する際に)「ふつつかものの部下ですが、どうぞよろしくお願いいたします」

新入社員に仕事を覚えてもらうべく、自身が担当している取引先へ同行させることがあります。

そのような場面で部下を紹介する時に上記の例文のようなセリフを用いることは少なくありません。

このような言い回しは部下や後輩を多部署の人たちへ紹介したりする際にも使われます。

幅広いシーンで使用することができるので、この機会に覚えておくと良いでしょう。

(新入社員が部署内での挨拶回りの時に)「ふつつかものではありますが、何卒ご指導の程よろしくお願いいたします」

「ふつつかもの」は先輩や上司など、目上の人に教えを乞う時にも使うことができる言葉です。

人に何かを教わるからには、低姿勢で礼儀正しくした方が相手の心象も良くなることでしょう。

そんな際にしばしば使われるのが「ふつつかもの」というわけです。

もし今回の例のようなシチュエーションがあれば、使ってみると良いかもしれません。

「ふつつかもの」の類義語と例文

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「ふつつかもの」の類義語としては、以下のようなものが考えられます。

・未熟者

・不調法者

それ以外では「若輩者」や「半人前」などといったものが該当するでしょう。

また上記の類義語を使うと、下記のような例文を作ることができます。

(結婚式のスピーチで)「未熟者の二人ではございますが、今後とも温かく見守っていただきたく、よろしくお願いいたします」

上記のようなフレーズは結婚式におけるスピーチの定番だといっても過言ではないでしょう。

その為友人や同僚などの結婚式で、この例のようなスピーチを聞いたことがあるという人も多いかもしれません。

(これから指導を受ける先輩に対して)「不調法者ですが、どうぞご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします」

「不調法者」は「ぶちょうほうもの」と読み、「行き届かない者」といった意味です。

経験や知識が浅く、まだまだ行き届かないところがある者であることを表現したい時に使う言葉です。

「ふつつかもの」の対義語と例文

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「ふつつかもの」の対義語は、「機転が利く人」や「優秀な人」などが当てはまるでしょう。

これらの対義語を使った例文としては、次のようなものが考えられます。

彼は機転が利く人なので、このプロジェクトを任せるのに適任だ

「機転が利く」というのは「その時々の状況に応じて適切に判断できる人」のことです。

この例では、状況に応じた判断ができる人なのでプロジェクトを任せられるということを表現しています。

新人ながらこれだけ早く仕事を覚えるとは、彼女はとても優秀な人だ

新人にも関わらず仕事の飲み込みが早く、すぐに戦力として活躍できる人というのはそう多くありません。

今回の例では、新人でありながら早くから仕事を覚えていく人を指して上記のように表しているのでしょう。

「ふつつかもの」の英語表現

推敲
「ふつつかもの」を直訳する英語表現はありませんが、強いて挙げるなら「impolite」や「rude」などが当てはまるでしょう。

それらを使うと、次のような例文を作ることができます。

「Don’t be impolite during the conference.」(その会議中は無作法なことがないようにしなさい。)

「impolite」は「無作法」や「無礼」といった意味があり、悪意がなく無自覚な行為にも使うことができます。

無自覚のうちに無礼なことをしないように、注意する際などに使われる表現です。

「You should not be rude to our boss.」(私たちの上司に無礼なことをするべきではない。)

「rude」は「impolite」と同じような意味ですが、明らかに悪意がある場合に使います。

今回の例だと、上司に悪態をついている部下を指導する場面だと読み取れるでしょう。

まとめ この記事のおさらい

・「ふつつかもの」は「無作法な人」や「行き届かない人」、「気が利かない人」や「未熟者」などの意味がある

・「ふつつかもの」の漢字表記は「不束者」

・「ふつつかもの」の類義語は「未熟者」や「不調法者」などが挙げられる

・「ふつつかもの」の対義語としては「機転が利く人」や「優秀な人」といったものが考えられる

・「ふつつかもの」の直訳はないが、強いて英語で表現するなら「impolite」や「rude」などが該当する