この記事では、「取捨選択」の読み方や意味、使い方、類語、対義語・英語表現について考察します。

「取捨選択」という言葉はよく耳にしますが、その意味を正しく言えるでしょうか?

「取捨選択」は、ビジネスでも使われる言葉です。この記事を通して、「取捨選択」の正しい意味や使い方をきちんと理解し、社会人としてスキルアップにつなげてください。

「取捨選択」の読み方・意味・使い方

「取捨選択」とは、「不要なものを捨てて、必要なものを選び取ること」「よいものを取り、悪いものを捨て選ぶ」という意味の四字熟語で、「しゅしゃせんたく」と読みます。

「取捨選択」の使い方には、四字熟語としてだけでなく、「取捨選択する」「取捨選択をおこなう」「取捨選択を迫られる」などさまざまな表現があります。

・誰もが自由に発信できる時代だからこそ、情報には取捨選択が必要です。
・一度書き上げた文章は再度読み直し、内容を取捨選択しましょう。
・すべてが重要な書類なので、この中から取捨選択するのは新人には難しいでしょう。
・自分の判断できちんと取捨選択をおこなうことが重要です。
・管理職になると、取捨選択を迫られる機会が多くなります。

「取捨選択」の語源

「取捨選択」は、「取捨」と「選択」の2つの熟語から成り立っています。
「取捨」は、「取る」と「捨てる」の相反する意味の言葉が組み合わさったもので、「良いものや必要なものを選び取ること」です。
「選択」は、「多くのものの中からより良いものや目的に合ったものを選ぶこと」の意味になります。
つまり、「取捨」も「選択」も似たような意味で、同じような意味の熟語を組み合わせることで、より強調した表現になっています。

「取捨選択」と「二者択一」の違い

「取捨選択」に似た四字熟語で、「二者択一」があります。
「二者択一」とは、「二つの物事のうち、どちらかを選ぶこと」で、「にしゃたくいつ」と読みます。

「取捨選択」と「二者択一」の違いは、選択肢の数です。「取捨選択」の場合、数多くある物事の中から、良いものや必要なものを選び、選ぶ数の制限はありません。つまり、100個選択肢があったとして、10個選ぶか5個選ぶかは選ぶ人の判断次第です。

「二者択一」の場合は、選択肢は2つしかありません。「A」か「B」か、「イエス」か「ノー」か、2つの中からどちらかを選ばなければならないのです。

・王位を捨てるか、彼女を選ぶか、王子は二者択一を迫られました。

このように、「取捨選択」と「二者択一」は、似ているようで全く異なった意味の四字熟語です。混同して「取捨択一」と言う人もいるようですが、「取捨択一」という四字熟語はありません。間違いのないように、正しい意味を理解してください。

また、「取捨選択」は多くの選択肢から選ぶ意味ですから、「どちらか取捨選択してください」のような使い方は誤りです。

「取捨選択」と「吟味」の違い

また、「取捨選択」と似たような意味で解釈されやすいのが、「吟味」です。
「よく内容を吟味して提出してください」などのように使われるので、「取捨選択」と同じ意味のように思われます。

「吟味」は、「物事を入念に調べること」の意味で、「ぎんみ」と読みます。ある内容のことがらを詳しく調べることで、「取捨選択」のように「不要なものを捨てて、必要なものを選び取る」という意味はありません。

・材料を吟味して作った料理だからこそ、お客様に喜んでいただけるのです。

つまり、「吟味」で詳しく調べ、その調べたものごとを「取捨選択」するのが、ベストな選択と言えるでしょう。

「取捨選択」のビジネス上での使い方

「取捨選択」は、ビジネス上でもしばしば使われます。その意味をきちんと理解することが大切です。
ここで、ビジネス上での使い方の例をいくつか紹介します。

・氾濫する情報の中から仕事に活かせるものを取捨選択することが必要です。
・従来の製品で継続して使える機能と必要ないと思われる機能を取捨選択してください。
・決断力のない上司に取捨選択を迫っても、時間の無駄です。
・コストも品質も差がないものから取捨選択するのは難しいものです。
・あれほど取捨選択を繰り返したのに、社長の一言で却下されてしまいました。

「取捨選択」の類義語と例文

「取捨選択」の類語には、「選定」「選出」「選抜」「精選」「選別」「篩に掛ける」などがあります。

選定(せんてい)
多くのものの中から、目的や条件に合ったものを選び出すこと。

例文
・効果的なシステム運用のためには、多くの業者から選定することが重要です。

選出(せんしゅつ)
代表者や選手などを選び出すこと。多くの中から目的に合ったものを出すこと。

例文
・小さな頃から野球が好きだった息子が、ジュニア日本代表に選出されました。

選抜(せんばつ)
多くの中から基準や目的に合ったものを選び抜くこと。

例文
・彼は宇宙飛行士の選抜試験に合格しました。

精選(せいせん)
多くのものの中から特によいものを選ぶこと。

例文
・芸術的な工芸品を作り出すためには、もっと材料を精選する必要があります。

選別(せんべつ)
選びわけること。

例文
・果物は選別されて市場に出荷され、多少キズのあるものは直販所で安く売られています。

篩に掛ける(ふるいにかける)
多くのものの中から、よいものや条件に合ったものを選び出すこと。

例文
・このテニススクールは、篩に掛けられたエリートだけしか入学できません。

「取捨選択」の対義語

「取捨選択」の明確な対義語はありませんが、意味合いとしては「選択の余地はない」「選択の幅がない」「術がない」などが考えられます。

選択の余地がない(せんたくのよちがない)
目的のために選択できる範囲が限られているさま。

例文
・取締役全員が賛成なら、もはや選択の余地はありません。

選択の幅がない(せんたくのはばがない)
選択の手段が限られているさま。選択の余地がない。

例文
・このように選択の幅がない状況では、学生たちの不安は増すばかりです。

術がない(すべがない)
どうしてよいか困りはてるさま。どうしようもない。

例文
・電波の届かない山奥では、安否を確認する術がありません。

「取捨選択」の英語表現

「取捨選択」の英語表現では、「select」「make a choice」「sort out」があります。
「select」や「choice」は日本語でも「選ぶ」という意味で馴染みのある単語ですね。「sort out」は、「分類する」「えり分ける」という意味になります。

・We need to select right information from wrong ones.
 間違った情報の中から正しい情報を取捨選択する必要があります。
・Today, we have too much information; it’s not easy to make a choice.
 情報が氾濫している現代、取捨選択は簡単ではありません。
・We need the ability to sort out information effectively.
 情報を効果的に取捨選択する能力が求めらます。

まとめ この記事のおさらい

・「取捨選択(しゅしゃせんたく)」は、「不要なものを捨てて、必要なものを選び取ること」「よいものを取り、悪いものを捨て選ぶ」という意味の四字熟語。
・「取捨選択」と「二者択一」の違いは、選択肢の数。
・「取捨選択」の類語には、「選定」「選出」「選抜」「精選」「選別」「篩に掛ける」などがあります。
・「取捨選択」の対義語は、意味合いとしては「選択の余地はない」「選択の幅がない」「術がない」など。
・「取捨選択」の英語表現では、「select」「make a choice」「sort out」があります。