ここでは「就職祝い」について解説いたします。

就職は入学や結婚と同じく人生の大きな門出のひとつ。友人知人や親族の就職が決まったら、「就職祝い」を贈るのが一般的です。とはいえ結婚や出産祝いに比べると、就職祝いを贈ったり受け取ったりする機会はそれほど多くはありません。

そこで、ここでは就職祝いの贈り方をはじめ、いざというときに役立つ具体的なルールやマナーについて解説します。どうぞ最後までお読みください。

就職祝いとは

就職祝いとは、就職が決まった人やその親族にお祝いの気持ちを込めて金品を贈ることをいいます。基本的には学校を卒業して職に就いた新社会人の門出を祝うために贈りますが、定年後の再就職や転職した人に贈る場合もあります。

就職祝いの相場

送り主がフリーターや学生であれば、他の人に就職祝いを贈らなくてもマナー違反にはなりません。それでも贈りたい場合は、高額だとかえって気をつかわせてしまうので、3,000~5,000円程度を目安にしましょう。

一方、送り主が社会人で安定した収入がある場合、就職祝いの相場は10,000〜50,000円ほど。やや幅がありますが、贈る相手によって金額の相場も変わります。

相手が身内なら血縁が深いかどうか、仕事関係の相手なら重要度はどれくらいかで相場が変わります。兄弟姉妹のように血縁が深い場合は10,000~20,000円ほど。友人知人のご子息が就職した場合は10,000円程度が相場です。

相手が勤務先の上司や、何かとお世話になっている相手なら30,000~50,000円を包みましょう。

就職祝いを渡す時期

就職祝いを贈る相手が新卒者の場合、お祝いは卒業から入社までの期間に贈ることをおすすめします。かつては内定時に贈るのが良いとされましたが、最近は内定を辞退する可能性も考えて入社後に贈るケースが増えています。

ただし再就職者の場合、内定と同時に就職することが多いので、早めにお祝いしても問題はありません。

逆に就職祝いが遅くなった場合のタイムリミットとしては、遅くとも初任給が出るまでに贈るのが良いでしょう。初任給が出た後で就職祝いを贈ってしまうと、暗にお返しを求めているような印象を与えかねません。

お祝いは早すぎず遅すぎずを心がけましょう。

就職祝いにオススメのプレゼント例

就職祝いとして現金ではなく物品をプレゼントしたい場合、おすすめのアイテムは当然ながら、相手が男性か女性かによって変わってきます。男女共通の注意点としては、人形のような飾り物ではなく実用的な品物を選ぶのがポイントです。

男性に贈る場合

男性へのプレゼントとしてはボールペンや万年筆、名刺入れ、印鑑、IDカードケース、システム手帳、ビジネスバッグなどが人気です。家庭用品ではバスルームに置ける防水タイプのアラーム時計なども重宝されます。

ファッション系のアイテムではネクタイやネクタイピンも定番のアイテム。腕時計は金額やデザイン面でチョイスの難しいアイテムですが、好みがわかる相手ならおすすめできます。

ハンカチは昔「手巾(てぎれ)」と呼ばれたことから「手切れ=別れ」に贈るものとされています。とはいえビジネスマンの身だしなみに不可欠なアイテムですから、差し障りのない相手なら高級ハンカチもおすすめです。

インターネット向けのアイテムとしては、アマゾンギフト券なども定番のひとつ。電子パーツではモバイルバッテリーやハイセンスなUSBメモリーなども人気があります。

女性に贈る場合

女性に贈る就職祝いにふさわしいアイテムとしては、男性と同様にボールペンや名刺入れ、ペンケースなどの文房具や事務用品がおすすめです。ファッションやメイクのコスメなどは当事者の好みがわかる場合におすすめできるアイテムになります。

印鑑も就職を機会に用意したいアイテムのひとつです。女性の場合、印鑑を贈るときは名字ではなく名前を刻印すると、結婚後も使えます。ほかにはランチバッグや魔法瓶タイプの小型水筒なども人気です。

デスクワークが多い女性には膝掛けをプレゼントすると、冷暖房の温度が合わないときに重宝します。就職前の女性がファンシーすぎるスマホケースを使っているなら、大人っぽいケースをプレゼントするのも良いでしょう。

そのほか日傘と雨傘兼用の小型折りたたみ傘もおすすめ。いろいろあって迷う場合は、女性には高級スイーツが最も外れなしのプレゼントになります。

就職祝いを贈るときのマナー・注意点

就職祝いを贈るときは手書きのメッセージを添えると喜ばれます。よく使われるのはお祝い専用のメッセージカードや手紙、電報など。メッセージカードは文具店やデパートなどで販売されています。もちろんネットショップでも購入できます。

手紙は遠方の人や、長らく無沙汰にしている人へのお祝いに添えると喜ばれます。

のし・水引・表書き

お祝いのお金を包む「のし袋」の「のし」とは、袋の右上に付いている小さな羽子板のような折り紙の飾りをいいます。もともとアワビを乾燥してスライスした保存食が起源。古くから縁起物のひとつとされていました。

やがてそれがご祝儀袋の飾りとなり、現在に継承されています。「のし」は慶事の象徴ですから、弔事用の不祝儀袋にはありません。表に水引と「のし」がプリントされた簡易な祝い袋を「のし袋」、結婚式などに使う豪華なタイプを「ご祝儀袋」と言います。

就職祝いに使用するのは一般的なお祝い用の「のし袋」で問題ありません。水引を選ぶ場合はオーソドックスな赤白で、本数は5~7本。結び方は蝶結びか鮑結びが基本です。

のし袋の表書きは上段に「御祝」「就職御祝」「祝御就職」「御就職御祝」などと書きます。下段には、贈り主の氏名を書きましょう。字の大きさは上段の「名目」よりもやや小さめにするのが基本。書き出しの位置に気をつけてバランス良く書き上げるのがポイントです。

目上の人に「ペン」や「腕時計」を贈るのはNG

一般的に目上の人への贈り物として、ペンや腕時計、ビジネスバッグなどを贈るのは、「もっと仕事に励みなさい」と叱咤する意味になるので失礼とされています。また靴やスリッパなどの履き物も「踏みつける」という意味でタブーとされています。

目上の人に就職祝いを贈る機会はあまりないかもしれませんが、定年退職後の再雇用や転職の可能性もないとはいえません。その場合は前述したように贈るアイテムに注意してください。

就職祝いをもらったらお返しは必要?

就職祝いは七五三や入学祝いなどと同様に人生の節目を祝うためのもの。基本的にお返しは不要です。もちろん、もらいっぱなしで知らんぷりはマナー違反です。すぐに御礼状をしたためるか、電話で謝意を伝えましょう。

新卒者にとって就職は社会人としての第一歩になります。贈り物に対する感謝やお礼をきちんと相手に伝えることは、社会生活に不可欠なマナーが身についていることを送り主に伝える意味にもなります。くれぐれも失礼のないように心がけましょう。

まとめ

・就職祝いとは、就職が決まった人やその親族にお祝いの気持ちを込めて金品を贈ることをいいます。
・就職祝いの相場は条件によって変わりますが、一般には3,000〜50,000円の範囲になります。
・就職祝いのプレゼントには文房具や事務用品などの実用品がおすすめです。
・就職祝いには慶事用の一般的なのし袋を使いましょう。