医師として働くためには「医師免許」を取得していることが必要です。医学部を卒業する~国家試験に合格する~研修医として2年の経験を積む、というのが医師になるまでのルートで、大学の入試や国家資格突破など困難をいくつも乗り越えなくてはなりません。
この記事では、医師免許を取得するための方法や国家試験の概要などの基本的なことから、医師免許を取得した後の働き方、医師免許に更新はあるのか?など気になる情報を解説します。

医師免許とは

医師免許は医師として働くうえで必要なもので、医師国家試験に合格した人が取得することが出来ます。

医師免許を取得するとできることや働き方

医師免許を取得した人の多くは、病院やクリニックなどの医療機関に臨床医として勤務します。しかし、医師免許を持っている人の働き方は臨床医だけにとどまるものではありません。ほかにはどのような働き方があるのか、代表的なものを紹介します。

■研究医として働く
研究医とは、大学などで医療に関しての研究を担当する医師です。研究医の主な仕事は、治療法が未だに確立されていない病気や症状に対して、発生の原因やメカニズムを解明して治療法を見出すことです。ひとつの案件に数年単位の時間がかかる根気が必要な仕事ですが、医療の未来に関わるやりがいのある仕事です。

■公衆衛生医師として働く
公衆衛生医師は全国の保健所等で地域保険に携わる医師です。全ての保健所は公衆衛生医師を1名以上在籍させることが決まりになっていて、募集は自治体単位で行われています。
臨床研修終了後、技師級→主査級→課長補佐級→課長級→次長級→部長級とステップアップしていくのが代表的なキャリアパスです。
参考:厚生労働省

■介護老人保健施設で働く
介護老人保健施設は、主に医療ケアやリハビリを必要とする要介護者が入居する施設で、1名以上の常勤医師の在籍が必須です。介護老人保健施設で働く医師の主な仕事は入所者の健康管理と治療です。入所者の心のケアや普段の生活状態にも気を配る必要があり、コミュニケーション能力も求められる仕事です。

■製薬会社で働く
製薬会社にはMD(メディカルドクター)と呼ばれる医師が勤務しています。新薬開発に関わる治験分野の仕事、市場に出ている薬の安全性に関わる仕事、最新の医学・薬学情報を医療機関に提供するための仕事などに携わります。

■法医学者として働く
法医学者とは事件や事故などを医学的、科学的な観点から調査する医師のことです。死因の分からない遺体を解剖したりDNA鑑定を用いたりして、事件性の有無を調査したりするのがおもな仕事です。法医学を題材としたドラマも制作されていますので、法医学者についてなんとなく知識がある人も多いのではないでしょうか。

■ライターや書籍・番組の監修の仕事
医師免許所有者のスタンダードな進路とは少し離れるかもしれませんが、医療系のコラムの執筆や書籍の監修、テレビ番組のコメンテーターとして活躍している人もいます。臨床医や研究医の仕事をしながら副業として携わっている人も多いようです。

医師免許を取るには「医師国家試験の合格」と「医籍登録」が必要

医籍登録とは、医師国家試験に合格した後に氏名や本籍などを厚生労働省の帳簿に登録してもらうことで、これを行うと医師免許が発行されます。

医籍登録には次の書類が必要です。

1.戸籍抄(謄)本
2.後見登記等ファイルに自己を成年被後見人、被保佐人とする登記記録がない旨を証明した書面(法務局発行)
3.健康診断書
4.収入印紙60,000円分(登録免許税)

医師国家資格は年に1回、毎年2月頃に各地で実施されています。受講要項等については次に詳しく説明します。

医師国家試験の受験資格

医師国家試験の受験資格は次の通りです。

(1)学校教育法に基づく大学において、医学の正規の課程を修めて卒業した者(卒業見込みの者を含む)
(2)医師国家試験予備試験に合格した者で、合格した後1年以上の診療及び公衆衛生に関する実地修練を経たもの(見込み含む)
(3)外国の医学校を卒業し、又は外国で医師免許を得た者であって、厚生労働大臣が(1)又は(2)に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有し、かつ、適当と認定したもの
(4)沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令第17条第1項の規定により医師法の規定による医師免許を受けたものとみなされる者であって、厚生労働大臣が認定したもの

(1)にあたる、大学の医学部で6年間学び卒業した後に国家試験を受けるのが最もスタンダードな道です。

医師国家試験の内容

医師国家試験の問題は、臨床問題・一般問題・必修問題の3タイプが出題されます。

2020年2月の試験の問題配分とスケジュールは次の通りでした。

問題数
全400問
臨床問題:200問/一般問題:100問/必須問題:100問
スケジュール
1日目

A 9:30~12:15/165分 75問 各論 一般:15問・臨床:60問
(5肢1択:61、5肢2択:9、5肢3択:5)
B 13:35~15:10/95分 50問 必修 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問
(5肢1択:50)
C 16:00~18:30/150分 75問 総論 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問
(5肢1択:59、5肢2択:10、5肢3択:5、計算:1)

2日目

D 9:30~12:15/165分 75問 各論 一般:15問・臨床:60問
(5肢1択:62、5肢2択:9、5肢3択:3、計算:1)
E 13:35~15:10/95分 50問 必修 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問
(5肢1択:50)
F 16:00~18:30/150分 75問 総論 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問
(5肢1択:59、5肢2択:12、5肢3択:3、計算:1)

医師国家試験の合格率・難易度

2019年の医師国家試験の受験者数は10,146人(9,176人)で、合格者数は9,029人(8,478人)、合格率は89.0%(92.4)でした(カッコ内は新卒者)。

合格基準は次の通りです。

①必修問題は、一般問題を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、総得点が、 160点以上/200点
②必修問題を除いた一般問題及び臨床実地問題については、各々1問1点とし、総得点が、 209点以上/296点
③禁忌肢問題選択数は、3問以下
※禁忌肢問題とは、一定数誤答した場合に即座に不合格になる問題のこと

医師の試験は難関というイメージを持っている人も多いと思いますが、実際は例年、合格率90%程度という結果になっています。
試験自体は高い合格率ですが、その前段階として医学部に入学するのが非常に困難であり、医学部での6年間も数々の実習や試験をパスしなくてはならないハードなものです。それを考えれば、医師免許は決してたやすく取得できるものではないといえます。

海外で働くための医師免許の取り方

海外で医師として働くには、原則その国での医師免許が必要です。日本人医師が医師免許を取得できる国には、アメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア・スイスなどがあり、国によって医師免許を取得する方法は異なります。ここではアメリカについて、簡単に説明します。

アメリカでは、医師免許は州ごとに発行されます。外国籍の医師がアメリカの医師免許を取得するには、「USMLE(United States Medical Licensing Examination)」という試験に合格することが必要で、さらに1、2年間の臨床研修も必要です。州によっては外国人の医師免許取得を制限しているところもあります。

医師免許が剥奪されるケース

医師が次に該当する場合、または、医師としての品位を損するような行為のあったときには、厚生労働大臣は免許を取り消すことが出来るとされています。

1.心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
2.麻薬、大麻又はあへんの中毒者
3.罰金以上の刑に処せられた者
4.前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあった者

2019年には、準強制わいせつで1件、覚せい剤取締法違反で1件、麻薬及び向精神薬取締法違反で1件の免許取り消し処分がありました。

医師免許に更新はある?

日本の医師免許には更新制度がありません。一度取得した医師免許は、基本的に生涯有効のものです。定年制も設けられていません。

医師免許の更新については、2005年に内閣への追加答申に「医師免許更新制の導入の検討」を盛り込む動きがありましたが、結果として見送られています。

医師免許に種類はある?

日本の医療免許は一種類です。診療科によって免許が分かれているということはなく、医師免許を所有していれば、基本的にすべての科の診療を行うことが出来ます。ただし、麻酔医は医師免許取得後に麻酔科研修を行い、厚生労働省が認可する麻酔科標榜医の資格を取得する必要があります。

また、歯科医の免許は医師免許とは別で、歯科医師国家試験に合格することによって取得できます。

医師免許についてのまとめ

  • 医師免許は医師として働くうえで必要なもので、医師国家試験に合格した人が取得することが出来ます。
  • 医師免許を取得した後の働き方としては臨床医がスタンダードですが、他に研究医、公衆衛生医師、法医学者、製薬会社のメディカルドクターなどとして働く道もあります。
  • 医師国家試験は毎年2月に実施されています。2019年の合格率は89.0%でした。
  • 医師が犯罪を犯した場合などは医師免許が取り消されることがあります。
  • 日本の医師免許に更新や定年制度はありません。
  • 日本の医師免許は一種類で、医師免許があればどの診療科でも診療を行えます。

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