ソムリエとは|仕事内容・言葉のはじまり・資格・年収などを解説

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レストランでワインを注文しようと思っても、たくさんの種類があってワインに精通している人や飲みなれている人でないとどれを選んでいいのか迷ってしまいます。そんなときにワイン選びの手助けをしてくれるのが「ソムリエ」です。
この記事では、ソムリエの仕事内容や必要資格などの基本的なことから、ソムリエという言葉のはじまりなど、ソムリエを違う角度からも深く知ることができる情報も解説します。

ソムリエとは

ソムリエの仕事内容

ソムリエ(sommelier)は、レストランなどで働くワインの専門家で、お客様のワイン選びの手助けをします。お客様の好みや気分、予算を伺い、料理との相性を考慮して、その場に最適なワインを提案、サービスするのがソムリエの仕事です。

ソムリエには広い知識やスキルが求められます。ソムリエとして必ず身につけていなければならないのは、ワインに関する広く深い知識です。ワインの産地や特徴、それぞれのワインの味や香りを知っておかなくてはなりません。ワインは毎年新しいものが出ますので、常に新しい情報をキャッチし続けることも大事です。
ワイン選びは料理との相性が大切ですから、レストランのメニュー、料理の素材についても精通していなければなりません。

ソムリエには、ワインや料理の知識だけでなく、表現力や会話力などの人間力も必要とされます。お客様の要望を的確に聞き出す力、ワインの味や香りをお客様に伝える表現力に長けているかどうかで、ソムリエとしての仕事ぶりに大きな差が出るといっても過言ではありません。もちろん、姿勢や言葉遣いなど、一流レストランのスタッフとしての立ち居振る舞いも求められます。

ソムリエの仕事は、お客様にワインをサービスするシチュエーションだけではありません。ワインの仕入れ、在庫管理、品質管理、ワインセラーの管理などバックヤードの業務も、最高のワインを提供するためにとても大切な仕事です。

「ソムリエ」という言葉のはじまり

「ソムリエ(sommelier)」という言葉のはじまりは、荷役用の牛馬を意味するラテン語の「sagmarius」「saumarius」だといわれています。12世紀になりラテン語がフランス圏に入ると「sommier」に変化し、さらに13世紀に入ると動物の使い手を意味する「sommelier」という言葉が生まれました。
「sommelier」は動物の使い手の意味から、王の旅行に随行して荷物を運搬する仕事を仕切る者を指すようになり、取り仕切って管理することから、宮廷で食事とワインを管理する者を呼ぶようになります。

ソムリエが現在のようにワインを扱う職業の名前として使われだしたのは、18世紀のフランス革命後といわれています。王制が崩壊したことによって宮廷で働いていたsommierが街で働くようになり、ワインの専門職になっていったのが、ワインの専門家としてのソムリエのはじまりです。

近年では「野菜ソムリエ」のように、ワイン以外のものにもあることに精通しアドバイスする人に対してソムリエという呼び名が使われることもあります(この記事での「ソムリエ」は、ワインの専門家としてのソムリエについて記述しています)。

「ソムリエ」と「ソムリエール」の違い

女性のソムリエを「ソムリエール」と呼ぶことがあります。ソムリエとソムリエールのは呼称の違いだけで、仕事の内容は同様です。また特に男女を区別せずに、女性のソムリエを「ソムリエ」と呼んでも差し支えありません。

参考までに、日本で初めてのソムリエール(初めてソムリエの資格を取得した女性)は野田宏子さんです。古くはソムリエは男性の仕事とされていて、なかなか女性が進出できない分野でした。野田宏子さんは数々の有名ホテルでソムリエを務め、ソムリエールの先駆者として活躍しました。

ソムリエになるには

ソムリエになるのに資格は必須ではない

フランスではソムリエは国家資格ですが、日本ではソムリエの国家資格はありません。特に資格を持っていなくてもソムリエを名乗って働くことに問題はありません。しかし、ソムリエに関する民間資格はいくつか存在しており、ソムリエとして働くほとんどの人はなにかしらの資格を取得しています。

資格を持っていれば、就職や転職のときに自分のスキルをはっきり示すことができますし、お客様の信頼も得やすくなります。資格取得を目指し勉強していく中で、自分の知識量を増やすこともできるでしょう。

まずは飲食店に就職して勉強していくのが一般的

ソムリエの民間資格を取得していても、未経験者がいきなりホテルや高級レストランの選任ソムリエとして就職することはなかなか難しいといえます。
街の小規模なレストランでは、専任のソムリエを置くのではなく、シェフやホール係がソムリエの役割を兼ねているお店も多くあります。ホテルやレストランのソムリエを目指すのであれば、まずはワインを扱っている飲食店でホールスタッフとして経験を積みながらワインに関する知識や接客のノウハウを身につけるのもひとつの道です。

ソムリエに関連する資格

日本にはソムリエの国家資格がありませんが、ソムリエとして就職するにあたっては、民間の資格を取得しておくのが一般的です。民間のソムリエ資格としては、「日本ソムリエ協会(JSA)」が認定する資格と「全日本ソムリエ連盟(ANSA)」が認定する資格があります。

2つの団体が認定する資格はそれぞれに特徴があり、どちらを取得するかは自身の事情を考慮して決めることになります。もちろん両方の資格を取得することもできます。

「日本ソムリエ協会(JSA)」が認定する資格

■ソムリエ
受験資格
【一般】
以下の職務を通算3年以上経験し、第一次試験日においても従事している方

【会員】
会員歴が2年以上あり、以下の職務を通算2年以上経験し、第一次試験日においても従事しているJ.S.A.正会員および賛助 会員所属者

◆アルコール飲料を提供する飲食サービス
◆ワイン・酒類飲料の仕入れ、管理、輸出入、流通、販売、教育機関講師、酒類製造
◆アルコール飲料を取り扱うコンサルタント業務


■ソムリエ・エクセレンス
受験資格
•協会認定のJ.S.A.ソムリエおよびJ.S.A.ワインアドバイザー
•ソムリエおよびワインアドバイザー資格認定後3年目を迎える方
•以下の職務を通算10年以上経験し、第一次試験日においても従事している方

◆アルコール飲料を提供する飲食サービス
◆ワイン・酒類・飲料の仕入れ、管理、輸出入、流通、販売、教育機関講師、酒類製造
◆アルコール飲料を取り扱うコンサルタント業務


「ソムリエ」「ソムリエ・エクセレンス」試験は「第一次試験:筆記」「第二次試験:テイスティング」「第3次試験:サービス実技」の順で行われ、各試験通過者が次の段階の試験を受けることができます。


■ワインエキスパート
受験資格
•酒類、飲料、食全般の専門的知識、テイスティング能力を有する方
•職種、経験は不問
ソムリエ職種に就かれていて受験に必要な経験年数に満たない方

「全日本ソムリエ連盟(ANSA)」が認定する資格

■ワインコーディネーター/ソムリエ
資格取得の方法は次のの3つがあります。
•通信プログラム:3か月で3回の課題をクリアすることで資格取得ができます。
•在宅プログラム:専用ノートで事前学習した後、会場で2日間の受講と受験をすることで資格が取得できます。
•在宅コース:学習は自宅で行い、受講後1年以内に会場試験を受けることで資格が取得できます。

試験は主に筆記で、一部テイスティングを伴う筆記問題があります。


ANSAはワイン検定1級~3級も実施しています。こちらはソムリエ向けではなく消費者側を対象としたもので、20歳以上であればだれでも受験することができます。

他にもまだあるソムリエの資格

上記以外にも〇〇ソムリエという資格は多数あります。何かに特化した人たちのことを指し、一般社団法人が運営する協会が認定しているケースが多いです。
アクアソムリエは、一般社団法人日本アクアソムリエ協会が認定する資格となっており、ミネラルウォーターの持っている価値や科学的根拠に裏付けされた正しい情報を提供し、新しい豊かな生活の創造に貢献するための知識を身につけた人材のことです。

ソムリエの年収

勤務先や経験によって違いがありますが、ソムリエの年収は300万円~600万円くらいの人が大半でしょう。経験者の求人では、月給で25万円~30万円くらいからのスタートが多く見受けられます。
もちろん専門職ですから、経験と実績を積んで売上に貢献できれば年収のアップは充分に見込めます。とはいえ、メディアに登場するような有名ソムリエでもない限りは、1000万円を超えるようなずば抜けた給料をもらうことはまずないと考えてよいでしょう。

ソムリエの勤務体系と休日

ソムリエの勤務体系は、勤務先のホテルやレストランに準じます。ランチを提供している店なら11:00くらいから、間休憩を挟んで23:00くらいまで営業する店が多いですから、準備や片づけを合わせて前後少しプラスした時間での勤務が一般的です。
ソムリエはディナータイムだけの在籍としている店も多くあります。そのような店なら16:00くらいからの勤務となるでしょう。

休日も勤務先の休業日に準じますが、飲食店は年中無休のところも多くなっています。その場合はシフト制で休みが決まることになります。お客様が多く訪れる週末に休みを取るのは基本的に難しく、休日は平日がメインとなるでしょう。

ソムリエは常に新しい情報をキャッチしたり自分の感覚を磨いていることが必要です。休日もワインの飲み歩きやワインに関する勉強をして過ごす人が多いようです。

ソムリエの将来性

ひと昔前と比べると、日本でもワインは身近な飲み物として定着してきたといえます。赤ワイン、白ワインという大まかなくくりや値段だけでワインを選ぶのではなく、ワイン選びを食事シーンでの楽しみのひとつとする人も増えています。ワイン選びの手助けをするスペシャリストであるソムリエの需要は、今後も高まっていくと考えられます。

ソムリエがおもに勤める場所

ソムリエの活躍場所として最もスタンダードなのは、ホテル内のレストランやワインを豊富に扱っているレストランです。規模の小さい店では専任のソムリエを置かずにホールスタッフとソムリエが兼任の場合もあります。
ソムリエの資格や知識を活かして、ワイン専門店や百貨店のワイン売り場で働いたり、自分でワインバーを開く人もいるようです。

ソムリエについてのまとめ

  • ソムリエはワイン選びを手助けするワインのスペシャリストです。
  • 女性のソムリエをソムリエールと呼ぶことがあります。
  • ソムリエになるのに特別な資格は必要ありませんが、民間資格として「日本ソムリエ協会(JSA)」「全日本ソムリエ連盟(ANSA)」が認定するソムリエの資格があります。
  • ソムリエが主に勤務する場所はホテル内やワインを提供するレストランです。
  • ソムリエの年収は300万円~600万円くらいの人が大半でしょう。