この記事では「風が吹けば桶屋が儲かる」の読み方や意味について解説いたします。

言葉自体は見聞きしたことがあっても、その意味や使い方についてはよく分からないという人もいるかもしれません。

そこで今回は「風が吹けば桶屋が儲かる」の由来や例文、類義語や英語表現も含めてピックアップしました。

この記事の中で少しでも参考になるような内容があれば幸いです。

「風が吹けば桶屋が儲かる」とは|意味と読み方

「風が吹けば桶屋が儲かる」は「かぜがふけばおけやがもうかる」と読み、「意外なところに影響が出ること」や「あてにならない期待をすることの例え」という意味です。

日本語のことわざとして有名で、ある事象の発生により一見全く関係ないと思われる場所や物事に影響が及ぶことを喩えていました。

また現代では例があまりにも飛躍しすぎている為、「可能性が低い因果関係を無理矢理繋げたこじつけの理論や言いぐさ」を指すこともあります。

「相関関係」ではなく「因果関係」を表す言葉

「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざは、「相関関係」ではなく「因果関係」を表す言葉です。

まず「相関関係」とは、関連する2つの事柄の一方が変化すればもう一方も変化するという関連性をいいます。

例えば数学の場合だと、ある変数が増えてもう一方の変数も増えたら「正の相関」、反対にある変数が減ってもう一方の変数も減少したら「負の相関」です。
中学校で習う一次関数をイメージすると分かりやすいかもしれません。

これに対し「因果関係」とは、一方の事柄が原因でもう片方が結果となる関係です。

「AだからBとなる」といえるような現象のことを「因果関係がある」というように表現します。

この場合Aを原因、Bを結果といい、例えば「雨が降ったからお客が減った」というのは「雨が降った」が原因で「お客が減った」が結果だと読み取れるでしょう。

「因果関係」の概念は科学や哲学の領域でもしばしば取り上げられてきました。

また法律上では、刑事責任や民事責任等の法的責任の範囲を客観的に限定する為に、因果関係はきわめて重要な役割を持っています。

「相関関係」と「因果関係」は度々セットで取り上げられることがあるように、その違いが分かりにくいという意見があるかもしれません。

もし上記のどちらに該当するか判断に迷ったら、以下の判別方法を参考にすると良いでしょう。

・「相関関係」は起こる順番が関係ないのに対し、「因果関係」は必ず先に原因が起こる(起こる順番が決まっている)

・「相関関係」は互いに影響がないことがあるのに対し、「因果関係」は原因が結果に対し直接影響する

「風が吹けば桶屋が儲かる」の由来

「風が吹けば桶屋が儲かる」は、江戸時代の浮世草子である『世間学者気質(かたぎ)』に由来しているといわれています。

ただしその当時は「桶」ではなく「箱」であり、「風が吹けば箱屋が儲かる」という成句での記述は見られません。

また『東海道中膝栗毛』で使われるのも有名ですが、ここでも「箱」になっています。

なお由来だとされている『世間学者気質』の「箱」の部分を「桶」に変えると、書かれている内容は以下の通りです。

  1. 大風が吹けは土埃が立つ
  2. その土埃が人の目に入って眼病を患い、多くの人が盲人になる
  3. 盲人は音曲を生業とする為、三味線の需要が増える
  4. 三味線作りには猫の皮が欠かせないので、多数の猫が殺される
  5. ネズミを退治する猫が減れば、その分ネズミが増える
  6. ネズミは桶をかじるので、桶が使えなくなってしまう
  7. 桶の需要が増えるので、桶屋が儲かる

その為1から7までを省略して「風が吹けば桶屋が儲かる」というわけです。

「風が吹けば桶屋が儲かる」を使った例文

「風が吹けば桶屋が儲かる」を使った例文としては、次のようなものが挙げられます。

・「風が吹けば桶屋が儲かる」というように、あの会社の急成長があったからこそ当社も利益が拡大したように思う。

とある会社が急成長することによって様々な業界や会社にも影響を与えることは多々あります。

この例では、その結果として自社の利益も拡大したのではないかと考えているということです。

・株価の上下は、「風が吹けば桶屋が儲かる」のと同じ理論だという意見がある。

株価が上下する背景には、様々な会社の因果関係が絡んでいるという考えがあります。

その為「風が吹けば桶屋が儲かる」と同じ理論だという意見が出てくるというわけです。

ビジネス上での使い方

「風が吹けば桶屋が儲かる」は、ビジネス上だと以下のように使われます。

・オリンピックの影響でスポーツジムの入会者が増えているのは、まさに「風が吹けば桶屋が儲かる」だ。

オリンピックを見てスポーツジムに入会する人が増えたのは、明快な「因果関係」があるということを伝えていることが読み取れます。

・「風が吹けば桶屋が儲かる」の考え方は、ロジカルシンキングをする上でヒントになっている。

ロジカルシンキングは一貫して筋が通っている考え方、または説明の仕方のことです。

ビジネスでも「因果関係」をはっきりさせることが必要な場面が多々あるので、ロジカルシンキングする上でも有効だということでしょう。

「風が吹けば桶屋が儲かる」の類義語と例文

「風が吹けば桶屋が儲かる」の類義語には、下記のようなものがあります。

・因果応報

・バタフライ効果

また上記の類義語を使うと、次のような例文を作ることができます。

・テスト勉強しなかったから悪い点を取ったというのは、因果応報だろう。

「因果応報」は「いんがおうほう」と読み、「過去の行いの良し悪しが今の自分に返ってくる」という意味です。

この例では、テスト勉強をしなかったという行いが悪い点として返ってきたということでしょう。

・この映画はバタフライ効果を意識して作られている。

「バタフライ効果」は「小さなことが理由で様々な出来事を引き起こし、徐々に大きな出来事に変化していくこと」です。

この例文だと、「因果関係」を意識して映画のストーリーが進んでいくということが読み取れます。

「風が吹けば桶屋が儲かる」の英語表現

「風が吹けば桶屋が儲かる」を英語で表現すると、「It is an ill wind that blows nobody any good」が挙げられるでしょう。

そのまま訳すと「誰の役にも立たない風は吹かない」で、換言すると「風が吹けば誰かの役に立つ」ということです。

その他の英語表現は、先述の「butterfly effect」が該当します。

海外では有名な言葉なので、この機会に覚えておくと良いかもしれません。

まとめ この記事のおさらい

  • 「風が吹けば桶屋が儲かる」は「かぜがふけばおけやがもうかる」と読み、「意外なところに影響が出ること」や「あてにならない期待をすることの例え」という意味がある。
  • 「風が吹けば桶屋が儲かる」は「相関関係」ではなく「因果関係」を表している。
  • 「風が吹けば桶屋が儲かる」は江戸時代の浮世草子である『世間学者気質(かたぎ)』に由来している。
  • 「風が吹けば桶屋が儲かる」の類義語としては、「因果応報」や「バタフライ効果」といったものが挙げられる。
  • 「風が吹けば桶屋が儲かる」の英語表現には「It is an ill wind that blows nobody any good」や「butterfly effect」といったものが考えられる。