「推し」って?「ファン」「好き」とどう違う?推し活に箔推しなど、関連用語も解説

※本サイトはプロモーションを含んでいます。

この記事では「推し」について解説いたします。テレビやSNSなど幅広い場面でしばしば見聞きする表現ですが、その意味や使い方についてはよく分からないという人もいることでしょう。

そこで今回は「推し」と「ファン」「好き」との違いや「推し」がいるメリット、「推し」の語源や関連用語なども交えてピックアップしました。それでは一つずつ確認していきましょう。

「推し」と「ファン」「好き」の違い

そもそも「推し」とはどういったものなのかから確認していきましょう。

「推し」とは「他人に勧めたくなるほど気に入って応援している人物や物」のことです。「尊い」と近しい感覚ですね。

例えばアイドルやスポーツ選手、アーティストや俳優、キャラクターやアニメなどその対象は様々あります。「○○を推す」という動詞が名詞化して「推し」という言葉として使われているわけです。

テレビやSNSなど幅広い場面で見聞きする機会があるのは「推し」の対象になるものが多様であるだけでなく、「推し」が他人に勧めたくなるものであるということも関係しています。そのため友人や同僚などから「推し」の対象を勧められたことがあるという人もいるかもしれません。

「推し」をする人はその対象を独占したいというよりも、より多くの人とその良さを分かち合いたいという気持ちが強いといえるでしょう。「推し」の対象が同じであるなら、その人同士で共通の話題もでき仲良くなりやすいかもしれません。

「推し」と「ファン」の違い・関係

「推し」と似た言葉として「ファン」が挙げられます。「ファン」とは「スポーツチームや選手、芸能人やアーティストなどの熱心な愛好者」のことです。

特定の対象を熱心に愛好しているという点では「推し」と「ファン」は共通しているため一見すると同じように感じられるかもしれません。しかしながらこの2つには明確な違いがあります。

それは「推し」は応援する対象を指しているのに対し、「ファン」は応援する人自身のことを表しているという点です。したがって「私は○○のファンだ」とはいいますが「私は○○の推しだ」とは表現しません。

逆に「私の推しは○○だ」と表しますが「私のファンは○○だ」という言い回しはしないということです。両者の違いについては混同されることがありますが、この際に合わせて覚えておきましょう。

「推し」と「好き」の違い

「推し」と近い意味を持つ言葉に「好き」があります。一般的には「推し」よりも「好き」の方が浸透している言葉だといえるでしょう。

「好き」には「特定の対象を気に入って心惹かれること」という意味があります。特定の対象に対して好意を持っているという点は「推し」も「好き」も同様です。

「推し」と「好き」の違いとしては、特定の対象を周りの人に勧めたいかどうかという違いがあります。「推し」は対象を周りの人に勧めたいという気持ちがあるのに対し、「好き」には必ずしもそのような気持ちがありません。

また「好き」は恋愛対象として気に入っている場合があるのに対し、「推し」は恋愛対象というより応援する対象というニュアンスがあります。恋愛対象として「好き」な場合、周囲の人に勧めることはないでしょう。

「推し」がいるメリットは何なのか

「推し」という言葉の意味を確認した後は、「推し」がいることのメリットについて解説いたします。「推し」がいるメリットは様々ありますが、具体的には次のようなものが挙げられるでしょう。

  • 勉強や仕事を頑張るモチベーションになる
  • 生活の楽しみができる
  • 共通の「推し」がいる人と仲良くなれる
  • 幸せな気持ちになれる
  • 癒しやストレス解消になる

「推し」は退屈な日常から解き放たれ、生活をより彩ってくれるものだといえるでしょう。「推し」がいる人が楽しそうに見えるのもこのためです。

このように「推し」がいることによるメリットは多いですが、一方でデメリットと左れることもあります。「推し」がいることの具体的なデメリットは下記のようなものです。

  • 多大なお金と時間がかかる
  • 「推し」への熱が冷めた時に、これまで費やしたお金や時間がもったいなかったと後悔する
  • 「推し」への熱が冷めた時に、代わりになるものがないと精神的に不安定になる
  • 「推し」にお金と時間がかかるため、友達付き合いが悪くなる

「推し」に限ったことではありませんが、どんなものにもメリットがあればデメリットもあります。肝心なのはそのものに対してデメリットを上回るだけのメリットがあるかどうかでしょう。

もし「推し」がいることでそのデメリット以上のメリットが感じられるのなら、その人にとって「推し」がいることは幸せなことだといえます。上記のように「推し」がいることで様々なメリットを感じられるなら、それは喜ばしいことです。

「推し」の語源ってそもそも何?

これまで「推し」について解説してきましたが、そもそも「推し」の語源は何なのか気になったという人もいるかもしれません。そこでこの項目では「推し」の語源とどこからが「推し」なのかについてピックアップしました。

これらを確認することで、より「推し」についての理解が深まるようになります。それでは一つずつ確認していきましょう。

「推し」の語源

「推し」は元々はアイドルグループの中で最も好意がある人物を指す「推しメン」(一推しのメンバー)を語源とする言葉でした。「推しメン」は1980年代のアイドルブームの際に既に使用されており、2000年代に入り匿名掲示板の2ちゃんねる(現5ちゃんねる)でモーニング娘。のファンによって使われるようになっていったという経緯があります。

そしてアイドルグループAKB48の人気ぶりで更に広まっていき、2011年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされました。この頃から「推し」という言葉が浸透し、今日では日常的に使われるようになっています。

アイドル人気を語源とし、拡散されるようになったきっかけもアイドルだったということもあり、「推し」はアイドルに対して用いられることも多いです。それが昨今ではアイドルに留まらずスポーツ選手やアーティストなど、幅広く使われるようになっていきました。

どこからが「推し」なのか

どこからが「推し」なのかについては明確な基準はありませんが、他人に勧めたくなる気持ちがあれば「推し」になるといえそうです。好きではあるけれど他人に勧めたいというほどではないのであれば、「推し」とはいえないでしょう。

なぜなら「推し」の定義の中には「他人に勧めたくなるほど気に入っている」というニュアンスが入っているからです。「推し」と「好き」の違いの項目でも解説したように、その気持ちの有無がそのまま「推し」と「好き」の線引きになるといっても大きな間違いではないでしょう。

自分が気に入っている対象が自分にとって「推し」なのかどうかは、他人に勧めたくある気持ちがあるかどうかを一つの基準にできます。もしも自分に「推し」がいるかどうか分からないという場合、そのような気持ちがあるかどうかを考えてみましょう。

「推し」を取り巻く現代のトレンド

「推し」は先述のように数十年も前から使われている言葉ですが、その間に「推し」を取り巻くトレンドもどんどん変わっていっています。そこでこの項目では「推し活」の多様な形態や、企業やメディアによる「推し」の商業化、推しがいる人はどれくらいいるかの3点についてピックアップしました。

これらを理解することによって、「推し」を取り巻く現代のトレンドについてもよく分かるようになることでしょう。

「推し活」の多様な形態

「推し」をする活動のことを「推し活」といいます。「推し活」の具体的な行為としては、以下のようなものが挙げられるでしょう。

  • 「推し」に会いに行く
  • 「推し」が持っているものや勧めているものを買う
  • 「推し」のSNSや映像などを見る
  • 「推し」をSNSなどで広める

「推し」という言葉が使われ出した当初はインターネットやSNSなどが十分に普及していなかったため、「推し活」といえば「推し」に会いに行くかグッズを買うなど限定的な行為でした。それがSNSが世に浸透していった結果、「推し」のSNSを見たり、「推し」をSNSなどで広めたりするようになっていきました。

SNSは拡散スピードが早く、また世界中の人に対して発信することができます。そうするとそれを見た人が対象の「推し」に興味を持ったりすることがあるかもしれません。

このように現代の「推し活」とSNSは切っても切れない関係になっていきました。SNSを使った「推し活」は現代ならではだといえるでしょう。

企業やメディアによる「推し」の商業化

「推し活」が広く普及した結果、企業やメディアが「推し」の商業化を進めていきました。例えば多くの人から「推し」の対象とされている有名人に自社商品を紹介してもらったり、あるいは「推し」と自社商品をコラボしたりするといった具合です。

また「推し」のグッズを飾るケースを販売したり、「推し」のオリジナルグッズを生産したりすることなども挙げられます。これは企業が「推し活」をする人の購買意欲が高いことを認めているということです。

今や「推し」という言葉を見聞きしない日はないといっても過言ではないほど浸透していることもあり、企業やメディアも積極的に「推し」を使っていこうという姿勢が見て取れます。「推し」という行為は普遍性があり一過性のものではないことから、この流れは今後も続いていくかもしれません。

推しがいる人はどれくらいいる?

スキマバイトアプリ「シェアフル」を提供するシェアフル社がユーザを対象に、「推し活」に関する実態調査を実施しました。その結果によると「推し」がいると回答した人は46.3%で、半数近い人に「推し」がいることが分かります。

また「推し活」をしていると回答した人の年代は20代が27.1%で最も多く、30〜50代が20%前後と続く結果となりました。このことからは「推し活」をしているのは若者だけではなく、幅広い年齢層であるということが読み取れます。

なお「推し活」に1ヶ月あたりどれくらい費やしているかという質問には5000円以下という人が最も多く53.4%でした。5000円〜10000円が23.5%、10000円以上が23.1%と続きます。

「推し」に関連する用語

「推し」には「推し活」以外にも様々な関連用語があります。この項目ではその中でもよく使われる「推し変」と「箱推し」を取り上げました。

「推し」という言葉を更によく理解する上では、合わせて関連用語も確認しておいた方が良いといえます。それでは以下にてそれぞれ確認していきましょう。

「推し変」とは

「推し」と「変わる」という字が合わさっていることからも推測できるように、「推し変」は「これまで応援していた推しを変えること」です。例えばアイドルグループ内のAというアイドルを応援していたのをBという別のアイドルに「推し」を変えることをいいます。

もう少し端的にいうと、応援対象を鞍替えすることです。「推し変」する理由は人それぞれですが、例えば「推し」のスキャンダルや結婚などが挙げられます。

また他のメンバーの良さに気付いたり、ふと「推し」に飽きてしまったりすることなども考えられるでしょう。「推し変」することに対しては罪悪感を覚えるという人もいるようです。

特に共通の「推し」がいることで仲良くなった人がいる場合、「推し変」したことを打ち明けるのは勇気がいることだといえます。ただし「推し」が誰であるかは本人の自由なので、深く悩む必要はないかもしれません。

「箱推し」とは

「箱推し」とは「個人ではなくグループ全体を応援すること」です。お菓子やカードゲームを単品ではなく箱ごと買うことを「箱買い」というように、グループを箱に見立ててそのように表現されています。

「箱推し」は元々はアイドルファンの間で使われていた言葉ですが、それがどんどんと多くの人に広まっていきました。なお音楽業界ではライブやコンサートが行われる場所のことを「箱」と表現します。

ちなみに「箱推し」の対義語は、特定の個人メンバーのみを応援する「単推し」です。「単」は「一つ」や「一人」という意味があります。

普段は「推し」という表現を使用しますが、「箱推し」と対比させるニュアンスでは「単推し」と表現されることが多いです。この言葉もこの際に合わせて覚えておくと良いでしょう。