※本サイトはプロモーションを含んでいます。
この記事では「阿鼻叫喚」の読み方や意味について解説いたします。
日常的にはあまり見聞きしないような言葉なので、言葉自体は何となく知っていても意味までは分からないという人もいるかもしれません。
そこで今回は「阿鼻叫喚」の使い方や類義語、英語表現も含めて取り上げました。
この記事の中で何か一つでも参考になるような内容があれば幸いです。
阿鼻叫喚の読み方・意味・使い方
「阿鼻叫喚」は「あびきょうかん」と読み、「悲惨な状況に陥って叫び苦しむ様子」や「悲惨な状況になって、救いを求めること」という意味です。
台風や地震等の災害が起こったり、テロ等の人的災害があった際には被害を受けた人々の様子を「阿鼻叫喚」という言葉で表現することがあります。
また使い方としては、以下のようなものが挙げられるでしょう。
「未曾有」は「みぞう」と読み、「今まで一度もなかったこと」という意味です。
これまで起こったことがないような規模の火災があり、その火災があった街に住む人々の様子は大変悲惨であったことを表しています。
「阿鼻叫喚」は「人々が怒号して収拾がつかなくなる様子」という意味でも使われることがあります。
この例ではスマートフォンを買う為に人が大いに入り乱れ、店員も収束できないような事態になっているということです。
阿鼻叫喚の語源
「阿鼻叫喚」は元々仏教用語として使われていました。
仏教の八大地獄(八熱地獄)の中には「阿鼻地獄」や「叫喚地獄」というものがあります。
「阿鼻地獄」は別名無間地獄(むげんじごく)とも呼ばれており、文字通り絶えることなく延々と焼かれ続け、苦しみを与え続けられる地獄です。
また「叫喚地獄」は熱湯が煮えたぎる釜で身を茹でられ、あまりの苦痛に泣き叫ぶ声を上げ続けるという地獄を意味しています。
そのことから「阿鼻叫喚」はこのような地獄に堕ちた亡者たちが苦しみ、泣き叫ぶ様子を表す言葉として使われるようになりました。
そしてその意味から転じて「人々が怒声をあげる等騒然としている様子」のような意味でも使われるようになり、それが今日でも用いられているというわけです。
このように言葉の語源や背景を知るとその言葉の意味も覚えやすくなるかもしれません。
阿鼻叫喚のビジネス上での使い方
「阿鼻叫喚」はビジネス上でも使われることがあります。
具体的な使い方としては、例えば以下のようなものが考えられるでしょう。
株式市場では、会社の業績が好調である等何かしら良いニュースがあるとその会社の株価が上がるという傾向があります。
その逆で業績不調や不祥事が発覚する等の悪いニュースがあると株価が下がってしまうというわけです。
この例では会社の不祥事がニュースで取り上げられた為その会社だけでなく関連会社の株価もどんどん値下がりし、株式市場が大きく混乱していることが分かります。
なお「続落」は「ぞくらく」と読み、「株価が連日引き続いて下がること」という意味です。
自然災害によって線路や電車に故障や破損があると、鉄道会社は乗客の安全を最優先する為運転を取り止める等して復旧作業に当たります。
そうするとダイヤが乱れていることを知らない人がいればいる程駅の改札口に電車を待つ人が溜まってしまい、身動きが取れない程に大混雑してしまうというわけです。
その為昨今では、台風のように事前に接近が予知できる自然災害がある前に計画運休情報を発信することで、普段駅を利用する人が次善の策を打てるようにしています。
普段何気なく使っている携帯ですが、ごく稀に通信障害が発生する等するとその間は使用することができなくなってしまいます。
そうするとそのことを誰かに連絡することさえできず、またビジネスの取引等にも大いに影響してしまう恐れがあるのです。
その為公衆電話やその通信網を使っている会社の携帯ショップに人が殺到し、大騒ぎになるということがこれまでにもありました。
なお一度でも通信障害があると他の会社への乗り換えが発生するといったことも十分に起こり得る為、各社は通信障害がないように神経を尖らせていることが考えられます。
阿鼻叫喚の類義語と例文
「阿鼻叫喚」の類義語としては以下のようなものが挙げられます。
- 修羅場
- 地獄絵図
- この世の地獄
その他には「おぞましい光景」や「燦々(さんさん)たる有様」等も類義語だといえるでしょう。
また上記の類義語を使うと以下のような例文を作ることができます。
「修羅場」は「しゅらば」と読み、「激しい闘争が行われている場所」という意味があります。
これ例文では、上司が仕事で様々な激しい苦労を重ねてきており、その経験に裏打ちされた言葉には非常に力があるということです。
「地獄絵図」の読み方は「じごくえず」で、「地獄で亡者が苦しむありさまを描いた絵」や「きわめてむごたらしい状況になること」という意味です。
この例では後者の意味で使われていることが分かります。
テレビやインターネットのニュースでは大災害を映像付きで発信しています。
その悲惨な様子を目の当たりにし、とても直視することができなくなったということが読み取れるでしょう。
阿鼻叫喚の対義語
「阿鼻叫喚」の対義語は「安楽浄土(あんらくじょうど)」「極楽浄土(ごくらくじょうど)」「西方浄土(さいほうじょうど)」です。
安楽浄土とは仏教用語で、一切の苦痛がなく悪行も行われない、安楽を極める地を指します。
その地は西方の彼方にあり、阿弥陀仏がいるとされています。
「安楽浄土に生まれ変わりたいと願っている」など、信仰について語る際に用いられます。
日常生活で使う際には、「現実世界の苦しみや悩みから解放される」という意味を含めて、
「田舎の温泉に浸かっていると、まるで極楽浄土にいる気分だ」
というように使うこともあります。
会社での会話では、
「部長に連れて行って頂いたレストランですが、お料理が全て美味しくてまさに極楽浄土にいるようでした」
「先日教えて頂いた宿ですが、極楽浄土と言う言葉通りにくつろげる最高の空間でした」
と言うように使うことができます。
「阿鼻叫喚」に「地獄にいるようなこの世のものとは思えない苦しみ」という意味があるのに対し、「安楽浄土」には「この世の苦しみから解き放たれたような安らぎ」という意味を含んで使われます。
阿鼻叫喚の英語表現
「阿鼻叫喚」を英語で表現すると、次のようなものが考えられます。
・pandemonium(大混乱、地獄、パンデモニウム)
・agonizing cries(阿鼻叫喚)
また上記の表現を使った例文としては以下のようなものがあります。
(その集会は大混乱になった。)
例えば不祥事が発覚した後の株主総会では、株価が続落して大損をした株主が集まり怒声をあげるような興奮状態になっていることがあります。
この例でも何かしら騒動があり、場内が混乱した状態になっているのでしょう。
(「Agonizing cries」は日本語で「阿鼻叫喚」と言われている。)
英語の「Agonizing cries」と日本語の「阿鼻叫喚」は同じような意味で使われているということが読み取れます。
まとめ この記事のおさらい
- 「阿鼻叫喚」は「あびきょうかん」と読み、「悲惨な状況に陥って叫び苦しむ様子」や「悲惨な状況になって、救いを求めること」という意味がある。
- 「阿鼻叫喚」は仏教の「阿鼻地獄」や「叫喚地獄」が語源になっている。
- 「阿鼻叫喚」の類義語としては「修羅場」や「地獄絵図」といったものが挙げられる。