※本サイトはプロモーションを含んでいます。
この記事では「聖人君子」について解説いたします。色々な場面で見聞きするような言葉だからこそ、その意味や使い方は知っておきたいところです。
そこでこの記事では「聖人君子」の読み方や意味、使う際の注意点や英語表現なども含めてまとめました。この記事の内容が少しでも参考になれば幸いです。
聖人君子の読み方や意味とは
「聖人君子」は、「せいじんくんし」と読みます。
聖人(せいじん)とは、最高の人格を備えた徳が高い立派な人物を意味します。
君子(くんし)とは、もともとは中国で用いられた理想的な人格を表す言葉であり、学識・人格の優れた徳が高い立派な人物のことです。また、貴人をさす言葉でもあります。
古代中国の儒家は、君子を聖人に次ぐ人物として学問修養の目標としました。
したがって、聖人君子(せいじんくんし)は「徳・学識の優れた高潔な理想的な人物」という意味になります。
類語は、 聖人賢者(せいじんけんじゃ)・名僧知識(めいそうちきし)・雲間之鶴(うんかんのつる)・雲中白鶴(うんちゅうはっかく)などです。
聖人君子を使う際の注意点
聖人君子を使う上では、様々な注意点があります。もしそれらを深く意識せずに使ってしまうと、思わぬトラブルに発展してしまうことがあるかもしれません。
それくらい使用する上では気をつける必要がある言葉だといえます。そこでこの項目では、聖人君子を使う際の注意点を3つピックアップしました。
女性には使わない
実は聖人君子は、女性には使わない四字熟語だとされています。なぜなら昔の中国において、聖人や君子と呼ばれる立場の人に女性がいなかったからです。
今日では社会的に男女平等が当たり前だとされていますが、当時の中国では女性の社会進出が進んでいませんでした。いわゆる「男尊女卑」という男性優位の社会だったのです。
上記のような背景があるため、聖人君子は女性には使いません。もしも女性に対して使うなら、例えば「聖女」や「淑女」、あるいは「貞女」といった言葉が適当でしょう。
なお「聖女」とは「神聖な女性」、「淑女」は「おしとやかで上品な女性」や「品格の高い女性」といった意味です。「貞女」は「夫以外の男性に身や心を許さない女性」や「貞操観念がある女性」などの意味を持っています。
いずれも漢字に「女」がついていることから読み取れるように、女性に対してのみ使われる言葉です。女性に対しては聖人君子ではなく、上記のような言葉を使った方が良いでしょう。
聖人君子は皮肉に聞こえる場合も
聖人君子は基本的には褒め言葉なのですが、その一方で「真面目すぎる人」や「堅物すぎる人」といった意味で皮肉のように聞こえる場合もあります。したがって無闇に聖人君子を使っても、かえって嫌味に感じられてしまう恐れがあるということです。
そのようなことがないように、聖人君子を用いるシーンは厳選し、皮肉に聞こえないように配慮する必要があります。聖人君子のように強い意味を持つ言葉を使用する際には、その使い方にも気をつけた方が良いといえるでしょう。
「聖人君主」は誤用
聖人君子と似た言葉で「聖人君主」という表現が散見されますが、これは誤用です。「君主」とは国を治める最高位の人のことで、王や皇帝などが該当します。
君子と君主では意味も言葉の趣旨も変わってきてしまうので、誤って使うことがないように気をつけましょう。なお君主を用いた四字熟語としては「専制君主」などが挙げられます。
専制君主とは君主の意思で国政の全てを行う体制のことです。世界史などの授業でもたびたび取り上げられる言葉ですから、この際に合わせて覚えておくと良いかもしれません。
聖人君子の使い方と例文
聖人君子を使う上では、具体的な例文を確認した方が使い方も理解しやすいといえるでしょう。そこでこの項目では、聖人君子の使い方を、例文に解説を添えて3つご紹介します。
世の中には誰からも尊敬される、徳が高くて立派な人物というのがいるものです。この例では、そのような人物に対して聖人君子のような人だと最高の賛辞を送っていることが読み取れます。
聖人君子と呼ばれるような人は実際にはほとんどいません。自分もそのような徳の高い人間ではないという自覚があるからこそ、常に謙虚で慎ましい気持ちを持つよう心がけることが大切です。
自意識過剰な人の中には、自分が聖人君子のように立派な人物だと勘違いしているケースがあります。今回の例でも、そのように振る舞っている人物がいるということを皮肉めいて表現されているということでしょう。
聖人君子の類語
聖人君子の類語は、「聖人賢者」や「雲中白鶴」といったものが挙げられます。
聖人賢者は「せいじんけんじゃ」と読み、「知恵と人徳の両方を持つ理想的な人物」という意味です。使っている漢字が似ていることやその意味からも、聖人賢者は聖人君子の類語だといえるでしょう。
また「雲中白鶴」の読みは「うんちゅうはっかく」で、その意味は「世俗を超越した高尚な人」や「清らかで穢れのない高貴な人」などです。ここでいう「雲」とは白い雲のことで、世俗を超越した境地を表しています。
音の響きから「白鶴」を「発覚」と書き間違えてしまいそうですが、意味が全く変わってしまうので注意が必要です。どちらかというと雲中白鶴よりは成人賢者の方が、聖人君子の意味に近いでしょう。
せっかくの機会ですから、上述の類語もここで覚えておくと良いかもしれません。
聖人君子の対義語
聖人君子の対義語は「極悪非道」や「蕩児愚人」、あるいは「悪逆無道」といったものが考えられます。
極悪非道は「ごくあくひどう」と読み、「この上なく悪く、人の道から外れていること」という意味です。極悪とはこの上なく悪いこと、非道は人の道や道理に外れていることを表します。
蕩児愚人の読み方は「とうじぐじん」で、「遊んで怠けてばかりいる愚かな人」という意味です。蕩児とは遊び呆けて怠けてばかりいる人、愚人は愚かな人で、それらが合わさった言葉が蕩児愚人と表現されます。
また悪逆無道は「あくぎゃくむどう」と読み、「とんでもない悪事」という意味です。悪逆は人の道に背いたとんでもない悪事、無道は人の道から外れていることを指します。
これらはいずれも四字熟語であること、その持っている意味が聖人君子とは真反対なことから対義語であるといえるでしょう。
聖人君子の英語表現
聖人君子の英語表現は「saint」や「whiter than white」といったものが適当でしょう。
「saint」は「聖人」や「聖者」などの意味がある英単語です。それ以外にも「立派な人」や「高徳な人」という意味で使われることもあります。
英語では「saint」の一語だけで聖人君子と言い表すことが可能です。ただし一般的にはキリスト教の「聖者」という意味で使われることが多いかもしれません。
「whiter than white」は「純白な」や「汚れのない」という意味で、直訳すると「白よりも白い」です。白よりも白いということは、ただでさえ汚れのない白よりも更に純白だということを意味します。
したがって「whiter than white」は「高貴さ」や「高徳さ」を意味する聖人君子の英語表現だといえるでしょう。どちらもたびたび見聞きする英語表現ですから、知っておいて損はない言い回しだといえるでしょう。
まとめ この記事のおさらい
- 「聖人君子」は「せいじんくんし」と読み、「徳・学識の優れた高潔な理想的な人物」という意味がある
- 聖人君子は女性には使わない、皮肉に聞こえることもあるなどの注意点がある
- 聖人君子の類語は、「聖人賢者」や「雲中白鶴」といったものが挙げられる
- 聖人君子の対義語は「極悪非道」や「蕩児愚人」、あるいは「悪逆無道」といったものが考えられる
- 聖人君子の英語表現は「saint」や「whiter than white」といったものが適当