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この記事では、「訴求」の意味や使い方、類語、対義語、英語表現について考察します。
プレゼンテーションや企画書などでよく使われる「訴求」。漠然とは理解しても、その正確な意味を知っているかと問われると不安になりますね。
ビジネスパーソンとしてのスキルをアップさせるためにも、この記事を読んで「訴求」の正しい意味と使い方を理解してください。
「訴求」とは|意味・読み方・使い方
「訴求」とは、「宣伝や広告などで消費者の購買意欲に働きかけること」の意味で、「そきゅう」と読みます。
「訴求」の「訴」の訓読みは「うったえる」で、「裁きを求めるために上に申し出る」や「不満や苦痛など告げ知らせる」の他に、「感覚または心に強く働きかける」という意味があります。
「求」の音読みは、「もとめる」で、「探し求める」「他人に望む」の意味です。
つまり「訴求」は、人の感覚や心に働きかけて、商品やサービスなどを購入することを希望することです。
「訴求」が使われるのは、主にマーケティングに関する事柄です。さまざまな商品やサービスが氾濫する中で、いかに消費者の購買意欲を駆り立てるかは、企業にとって大きな課題です。「シニア層に訴求できる商品の開発」など、「訴求」はマーケティングには不可欠な言葉になっています。
また、「訴求」はマーケティング分野以外でも、「うったえて要求する」というニュアンスで使われることもあります。
法律の文面でも「訴求」は、「うったえて要求する」という意味で使われますが、同音異義語で「遡及(そきゅう)」という法律用語があります。これは、「法律を、その施行以前になされた行為や生じた事実にさかのぼって適用すること」です。
「訴求」のビジネス上での使い方
ビジネスシーンにおいて、「訴求」は主にマーケティングに関する意味合いで使われますが、
「うったえて要求する」という意味合いで使われることもあります。
マーケティングに関する例文
・シニア層に対して商品の魅力を訴求するには、説得力ある有名人を広告に起用すべきです。
・今回の商品は、機能性以外に価格的なお得感を訴求した販売戦略が効果的だと思われます。
・従来の子供服より価格は高めですが、母子ともに訴求できたことが今回の勝因です。
「うったえて要求する」意味合いの例文
・弊社としては、A社の音質の悪さを訴求していきます。
また、ビジネス上では、「訴求力」「訴求ポイント(訴求点)」「訴求効果」という表現がよく使われます。
「訴求力」の使い方
「訴求力」は「消費者の購買意欲を刺激する力」の意味で、「訴求力が高い」「訴求力が弱い」などと使います。
・売り上げ目標を大幅に上回ったのは、広告の訴求力が高かったのが大きな理由です。
・商品の訴求力が弱まった原因は、同じ機能で低価格のものが出回っていることです。
「訴求ポイント(訴求点)」の使い方
「訴求ポイント(訴求点)」は、「消費者の購買意欲を刺激する事柄」の意味です。
・母親たちへは安全性が大きな訴求点になると考えます。
「訴求効果」の使い方
「訴求効果」は、「購買意欲やそれが欲しいと思う気持ちを呼び起こす効果」の意味で、広告関係ではよく使われる表現です。
・数秒内で視聴者に訴求効果を与えるのが、CM企画の重要なポイントです。
また、マーケティングのテーマとして「価格訴求」と「価値訴求」の2つが大きな選択肢として使われます。「価格訴求」は、商品広告で消費者に対して価格を基本テーマにすることです。
低価格時代には不可欠な訴求の仕方ですが、反面、機能や品質、サービスなどを重視する消費者もいることも事実です。この基本をテーマにしたのが「価値訴求」です。
企業にとって、どちらの訴求パターンを選択するかは、勝敗の分かれ目になります。
「訴求」の類義語と例文
「訴求」の類語としては、「働きかける」「説得」「アピール」「需要を喚起する」などがあげられます。
相手に干渉し、ある物事を為すように促すこと。例文
・消費者のニーズを細かく分析し、そのイメージに働きかける言葉を選ぶことが重要です。
働きかけにより、相手が納得し・受け入れ・気持ちや行動が変わること。例文
・価格が安いだけでは消費者を説得できません。
人々や世論などに広く訴えること。人々に受け入れられることや人を引きつける魅力。例文
・アニメファンにアピールできなければ、今回の企画は見送るべきでしょう。
消費者が欲しいと思う気持ちを呼び起こすこと。例文
・外国人旅行者の新しい需要を喚起することが、地域活性化の大きな課題です。
「訴求」の対義語と例文
「訴求」の言葉としての対義語はありませんが、「宣伝や広告などで消費者の購買意欲に働きかけること」の反対のニュアンスでは、「購買意欲を損なう」があります。
消費者が買いたいと思う気持ちを失わせること。例文
・消費者の購買意欲を損なうようなセールストークは見直しが必要です。
また、「説得力がない」や「アピールポイントがない」も広義では「訴求」の対義語として考えられます。
相手を納得させたり受け入れられたりする力がないこと。例文
・高齢者の購買意欲を刺激するには、どちらの主張も説得力がないと思われます。
売り込み時に強調できる長所や強みがないこと。例文
・どの商品も平凡で顧客に対するアピールポイントがありません。
「訴求」の英語表現
「訴求」の英語表現は、「appeal」です。
(この会社の広告訴求力はとても高いので見習いたいです。)
・We need a way of selling goods by appealing to the visual senses.
(視覚に訴える商品の販売方法が必要です。)
また、「訴求点」の類語の「アピールポイント」は、和製英語で一般的にはあまり使われません。英語では「selling points」や「strengths」を使います。
(対面販売が彼らのアピールポイントです。)
・What kind of strengths does your company have?
(あなたの会社にはどのようなセールスポイントがありますか?)
まとめ この記事のおさらい
- 「訴求(そきゅう)」は、「宣伝や広告などで消費者の購買意欲に働きかけること」の意味で主にマーケティングに関して使われます。
- ビジネス上では、「訴求力」「訴求ポイント(訴求点)」「訴求効果」という表現が多い。
- 「訴求」の類語は、「働きかける」「説得」「アピール」「需要を喚起する」など。
- 「訴求」の対義語は、広義の意味で「購買意欲を損なう」「説得力がない」「アピールポイントがない」などがあげられます。
- 「訴求」の英語は「appeal」で、「アピールポイント」の英語は「selling points」「strengths」など。