なるほどの意味とビジネスでの正しい使い方|類語・敬語・英語表現も解説

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ここでは「なるほど」という言葉の意味や正しい使い方、類義語や英語での表現について解説します。

「なるほど」は、ほとんどすべての日本人が日常的に使っている大変ポピュラーな言葉です。
その一方で、ビジネスやフォーマルな場面にはそぐわない、という意見もあります。

実際のところはどうなのでしょうか。

この記事では、「なるほど」という言葉について、くわしく学ぶことができます。

ふだんの会話で、つい口癖のように「なるほど」と言ってしまう方は、この記事でその意味とTPOを再認識して、「そうか、『なるほど』とはそういう言葉か。なるほど、なるほど」と深く納得していただければ幸いです。

「なるほど」の意味と使い方

「なるほど」は日常会話の中で、メディアで見聞きした内容や話し相手の言葉に納得し、「たしかに」「いかにも」と賛同する気持ちを表す言葉です。

文体は基本的に「話し言葉」で、ややくだけた表現の口語体になります、

そのためビジネス文書や論文、ニュース記事などの硬い文章には不向きです。

「なるほど」の語源

「なるほど」は漢字で「成る程」と書きます。

「成る」は「成立する」「実現する」などを表す言葉です。
「程」は「程度」や「限度」を表します。

もともと「成る程」は、「できるだけ」という意味を表す言葉でした。

それがやがて「これ以上はないレベル」という意味になり、さらに「たしかだ」「明らかだ」の意味に変わり、最終的に「たしかに」「いかにも」という現在の意味になったと考えられています。

「なるほど」のビジネス上での使い方

「なるほど」は比較的カジュアルな表現の話し言葉です。

ビジネスシーンで使用するのはマナーに反する、というわけではありませんが、相手によっては、以下に示す理由で失礼な印象を与えてしまう可能性がないとはいえません。
重要なビジネスやフォーマルなシーンでは、なるべく使用を避けたほうが良いでしょう。

「なるほど」は失礼な印象を与える

たとえばビジネスの場で、うるさ型の上司やクライアントの話を聞きながら、あなたが「なるほど」と悪気もなくうなずいたとします。

この場合、あなたは相手の話に賛同の意思を表示したことになりますが、この「賛同」には、「相手を自分なりに評価する」というニュアンスが含まれます。

そのため、あなたの上司やクライアントに対して、「おぬし、なかなか良いことを申すではないか」というような「上から目線」の印象を与えてしまう恐れが出てくるのです。
ビジネスやフォーマルシーンの会話では「なるほど」と言わない方が良い、という理由はそこにあります。

もちろん、格下の話相手が「なるほど」と言っても全然気にしない、という人もいます。
「なるほど」という言葉自体も禁句というほど悪いわけではありません。

それでも相手によっては心証を害する可能性がある以上、ビジネスシーンではなるべくほかの返事に代えたほうが無難です。

「なるほどですね」は文法的に誤り

最近はビジネスマナー講座でも「なるほど」という返事や相づちは印象が良くない、と指導されています。

そのせいか、近年では「なるほどですね」という不思議な造語が若い世代を中心に広まりはじめています。

これはおそらく「なるほど」に敬語のニュアンスを加えるために、丁寧語の「です」を語尾に付けた言い方が広まったものと思われますが、文法的にはむしろ、このほうがおかしいと言わざるをえません。

そもそも丁寧語の「です」や「ます」は、助動詞として動詞の語尾につく言葉です。
一方、「なるほど」は副詞と感嘆詞です。

したがって「なるほど」+「ですね」という言い方は文法的にはありえません。

ビジネスシーンでこのような誤用をすると、「こいつはまともな日本語もしゃべれないのか」と、かえって悪い印象を与えかねません。
それでもつい口癖で「なるほど」「なるほどですね」と言いたくなってしまう方は、

「なるほど、たしかにおっしゃるとおりだと思います。」
「なるほど。大変勉強になります。」

というように、より丁寧なニュアンスの言葉を、後に添えると良いでしょう。

ただし、話相手が目上の人やクライアントであれば、「なるほど」という言い方そのものが失礼な印象を与えることになりかねない、ということは常に意識した方が良いでしょう。
そこで次の項では「なるほど」以外の適切な言葉をいくつかご紹介します。

「なるほど」の丁寧な類義語と例文

「なるほど」と同じ意味で、より丁寧な言葉としては、

・「そうですか。」
・「そういうことでしたか。」
・「はい、わかりました。」
・「かしこまりました。」
・「そうでございますね。」
・「おっしゃる通りだと思います。」
・「承知いたしました。」

などをあげることができます。

「そういうことでしたか」「はい、かしこまりました」の例文

「そういうことでしたか。先日の取締役会でコンセンサスの社内基準が改正されたわけですね。はい、かしこまりました。早急に対処いたします。」

「そうでございますね」「おっしゃる通りだと思います」の例文

「そうでございますね。社長の朝礼のスピーチがいつも長すぎるとのご指摘につきましては、わたくしもおっしゃる通りだと思います。」

「承知いたしました」の例文

「家政婦のミタと申します。お隣の家を爆破しろ、とおっしゃるのですね。承知いたしました。」

「なるほど」の英語表現

「なるほど」の英語表現としては、以下のような言葉をあげることができます。

I understand.
I see.
I get it.
I got it.
that makes sense.
I see what you mean.

「That makes sense」の「make sense」は「意味をなす」という意味を表す言葉です。
「That makes sense」で「I see what you mean(それで意味がわかる)」と同じ意味になります。

なお「That makes sense」を省略して「makes sense」と言うこともあります。

逆に「完全に納得した」という意味を強調したいときには、「That makes total sense」と言います。

「I get it」と「I got it」は同じ意味で使いますが、「I got it」は「I’ve got it!」の略で、「それでわかった」「つかまえた!」といった意味になります。
一方、「I get it」は「今わかった」というニュアンスで、「Now」をつけて「Now I get it!」「I get it now!」というのが一般的です。

まとめ

  • 「なるほど」は「なるほど」はおもに会話の中で「たしかに」と賛同する気持ちを表す言葉です。
  • 「なるほど」は漢字で「成る程」と書きます。
  • 「なるほど」には「相手の話を評価する」というニュアンスがあるので、目上の人に使うのは適切ではありません。
  • 「なるほどですね」という言い方は文法的に正しくありません。
  • 「なるほど」の丁寧な類義語には、「はい、わかりました。」「そうでございますね。」「おっしゃる通りだと思います。」「承知いたしました。」などがあります。
  • 「なるほど」の英語表現には、「I understand」「I see」「I get it」「that makes sense」などがあります。