この記事では「アウフヘーベン」のについて解説いたします。

日常生活ではあまり耳慣れない言葉かもしれませんが、や身近な問題を解決する上で積極的に取り入れたい程優れた考え方なのです。

それでは「アウフヘーベン」がどのような考え方かも含めて、一つずつ確認してみましょう。

アウフヘーベンの意味と使い方

「アウフヘーベン」は「あるものをそのものとしては否定しながら、更に高い段階で生かすこと」という意味です。
また「矛盾するものを更に高い段階で統一し解決すること」という意味もあります。

あるいは「止揚」(しよう)や「揚棄」(ようき)と表現した方が分かりやすいかもしれません。

止揚や揚棄は、「止めて揚げる」や「棄てて揚げる」の文字通り「二つの思想間の争いを一旦止めたり矛盾を棄てて、それをより高い次元へと引き上げること」という意味です。

例えばAという問題を考える際、あえて矛盾するBという問題も組み込むことで、より良いCという結論を目指す場合は「アウフヘーベン」といえます。

また「アウフヘーベン」は、次のような使い方をします。

・アウフヘーベンすることは、ビジネスの議論を深める上で重要だ。
ビジネスの場では、あえて反対意見を持ち出したりすることでより最適解を探る手法を取ることが多々あります。

これはその手法を端的に表現した例文だといえるでしょう。

・「顧客を優先すると利益を逼迫する」という課題に対して、アウフヘーベンによって解決を図った。
例えば「利益を追求すると顧客本意の対応ができなくなる」という矛盾した考え方を合わせ、「顧客を優先すると利益も追求できる」というより発展的な解を探します。

ヘーゲルが提唱した「弁証法哲学」の概念のこと

そもそも「アウフヘーベン」はドイツの哲学者ヘーゲルの哲学の概念を表す言葉で、「弁証法」という思考プロセスの最終段階を示す言葉です。

「弁証法」は「「テーゼ(命題)→アンチテーゼ(反命題)→ジンテーゼ(統合案)」の三段階のプロセスにより、より高次元な思考段階到達を目指します。

なお「弁証法」の過程を経て問題解決することを「アウフヘーベンする」というように動詞で使うこともあります。

アウフヘーベンの語源

「アウフヘーベン」はドイツ語の「aufheben」です。

「aufheben」には「否定する」と「高める」という相反する二つの意味があり、日常的には「持ち上げる」という意味で使われています。

「aufheben」をで表現したものが「アウフヘーベン」というわけです。

Mrs. GREEN APPLEの曲「アウフヘーベン」

「アウフヘーベン」は「Mrs. GREEN APPLE」というアーティストの曲としても知られています。

「Mrs. GREEN APPLE」は2013年に結成された男女5人組のロックバンドで、「アウフヘーベン」は2018年4月に発表した「EMSEMBLE」というアルバムの収録曲です。

「パブリック」という曲と対になっていて、「パブリック」は「人そのもの」を、「アウフヘーベン」は「人が何をするか」や「人の思想」について歌っているといわれています。

先述の「アウフヘーベン」の意味を確認した上でこの曲を聴いたり歌詞を読むと、 この曲に対しての理解がより深まるかもしれません。

アウフヘーベンのビジネス上での使い方

ビジネス上での「アウフヘーベン」は、「矛盾を調整する」ことや「議論を深める」ことに使われることが多いです。

例えば「自動車は環境に有害なので、違うビジネス展開を模索するべきだ」という意見と「自動車会社は自動車販売を基盤とするべきだ」という矛盾した意見があったとします。

ここで「矛盾を調整する」ことで「エコカーを販売することにより、環境にも配慮しながら自動車会社としての基盤を守る」という結論を目指すことができるのです。

また相反する意見をぶつけて議論することによって例えば「この商品をもっと売れるようにする」という結論に導くこともできます。

こうすることで既存のアイディアから抜け出し、より斬新で市場に評価される価値を創出している例も多いといえるでしょう。

アウフヘーベンの類義語と例文

アウフヘーベンの類義語としては、次のようなものが挙げられます。

  • 昇華
  • ブラッシュアップ
  • 止揚

他には揚棄等も類義語といえるでしょう。

また上記を用いる以下のような例文を作ることができます。

・それぞれの意見を合わせて考えることにより昇華させ、より高度な意見を生み出すことに成功した。

「昇華」は「しょうか」と読み、ある状態から更に高度な状態へ飛躍することという意味です。

ここでは二つの意見を合わせてより高度な意見を引き出すことができたことが分かります。

・何の変哲もない意見でも、ブラッシュアップすることによって最適解を導きだすことがある。

「ブラッシュアップ」は「何かを更に磨き上げる」や「更に良くする」といった意味です。

取るに足らない意見でも、そこから議論を深めることによって最も適した解答が見つかることもあるということを伝えています。

・「この図形は三角形だ」という意見と「いや、この図形は丸だ」という意見を止揚することで、「この図形は円錐だ」という結論に至ることができた。

一見矛盾した意見ですが、止揚することで「側面から見ると三角形」で「下から見ると丸」というどちらも否定しない結論が出ました。

これは止揚の中でも有名な例だといわれています。

アウフヘーベンの表現

「アウフヘーベン」を英語で表現すると、次のようなものが考えられます。

  • aufheben
  • sublation
  • philosophy

またこれらの単語を使うと、以下のような例文ができます。

・Aufheben is derived from German.
(アウフヘーベンはドイツ語に由来している。)

「由来する」を意味する「derive」を「be動詞 + 過去分詞」の形で使うことによって上記のような解釈をすることができます。

また「ドイツ」という国をさす場合は「Germany」ですが、「ドイツ語」という言語の場合は「German」です。

・To solve business problems,it is effective to use sublation.
(ビジネスの課題を解決するには、止揚を使うのが効果的だ。)

ビジネス課題の解決方法として、止揚の効果を説明している例だと分かります。

・Aufheben and philosophy have the same meanings.
(アウフヘーベンと止揚は同じ意味です。)

「アウフヘーベン」も「止揚」もほとんど同じ意味なので、今回のような例文を作ることができます。

まとめ この記事のおさらい

  • 「アウフヘーベン」はあるものをそのものとしては否定しながら、更に高い段階で生かすこと」や「矛盾するものを更に高い段階で統一し解決すること」という意味がある。
  • 「アウフヘーベン」はヘーゲルが提唱した「弁証法哲学」の思考プロセスの最終段階を示している。
  • 「アウフヘーベン」はドイツ語の「aufheben」に由来しており、「aufheben」には「否定する」と「高める」という相反する二つの意味がある。
  • 「アウフヘーベン」はビジネス上や身近な問題を解決する際等、幅広い場面で使うことができる。