薬監証明とはなにか 必要な場面と手続きの解説

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この記事では、「薬監証明」の意味や内容について解説いたします。

「薬監証明」という言葉を見聞きしたことがある方はあまり多くないかもしれません。

しかし、この言葉の意味や内容を理解していなかった場合法律に抵触してしまう可能性があるので注意する必要があります。

薬監証明とはなにか

「薬監証明」は「やっかんしょうめい」と読みます。「日本国内で未承認・未認証の医療機器等を輸入する際に必要な証明」のことです。

もう少し詳しく確認すると、

「営業目的(他人への販売や授与等)ではなく、個人や医師によって治療に使用される、未だ日本国内で承認や認証等の手続きができていない医療機器等を日本国内に輸入する際に、通関等で必要な証明」

を意味しています。

平成26年11月25日に薬事法の一部が改正され、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」が施行されたことに伴い薬監証明が必要になったとされています。

薬監証明は通関する税関に合わせた厚生局で交付を依頼します。書類に不備がなければ即日発行されます。

この薬監証明を取得する為の手続きを代行する業者も存在します。

薬監証明が発行される時

薬監証明が発行されるのは、大きく以下の6つに分類できます。

 

1.個人使用の為に輸入する場合
病気等により特定の医療機器等を一定数量以上国内へ持ち込むことが必要になった場合です。
また口紅や化粧水等の化粧品もこのパターンが該当します。

「薬監証明」に関わる可能性が最も高いのはこのパターンです。

 

 

2.医師等が治療に用いる為に輸入する場合
医師等が治療する際にも必要になる場合があります。

また輸入した医療機器等を診断や治療で使用できるのは輸入者に限られます。もし複数人等で利用したい場合各々が輸入者となり、それぞれ別の貨物として輸入する必要があるのです。

 

 

3.臨床試験等に用いる為に輸入する場合
医師等が主体となって臨床試験を行う際に使用する医療機器等を個人で輸入する場合に必要です。
また治験依頼者が実施する治験に使用する場合も同様です。

なお臨床試験の内容を確認するのに時間がかかる関係で、薬監証明が即日交付されないことがあります。

 

4.試験研究等に用いる為に輸入する場合
医薬品や医療機器、医薬部外品等を試験研究等で使用するケースです。医療法人や大学、研究機関等が利用することが想定されています。
5.展示会用に輸入する場合
学会や公的機関等が主催、または後援する展示会等で、学術研究の向上や産業振興等を目的として医療機器等を展示する場合にも必要です。
6.自社製品用の原料として使用するものを輸入する場合
医療機器メーカー等が、自社製品の原料として使用するものを輸入する場合です。

2から6に関しては、個人というより法人や研究機関等が主体となって薬監証明を取得していることが確認できます。

なお薬監証明の申請に際しては、通関する税関によって申請先が変わります。具体的には、次のように分かれています。

  • 函館、東京、横浜税関で通関する場合は「関東信越厚生局」
  • 名古屋、大阪、神戸、門司、長崎税関で通関する場合は「近畿厚生局」
  • 沖縄地区税関で通関する場合は「九州厚生局沖縄麻薬取締支所」

ちなみに、厚生局自体は他にも「北海道厚生局」、「東北厚生局」、「東海北陸厚生局」、「中国四国厚生局」があります。
ただしこれらの厚生局では薬監証明の手続きを行っていない関係で、上述の関東信越厚生局や近畿厚生局、九州厚生局沖縄麻薬取締支所に申請する必要があります。

薬監証明が不要な場合

個人で体外診断用医薬品を利用する場合、1回で目的を達成できる分を輸入する分には薬監証明は必要ありません。

例えばある病気に罹っている人が、1度使用すると半年間は効果が続く医薬品を輸入する時は上記に該当します。

また複数回の使用が必要な製品については、その用法や用量等を考慮して2ヶ月分までの分について薬監証明は不要です。

このように製品やその用法、用量等によって数量が変わってくることから、具体的な数量を定めることができません。
薬監証明の要否について判断に迷ったら、自分で判断せずに然るべき機関に相談することが重要です。

薬監証明の手続き

薬監証明の手続きは、その人の立場や目的、提出先によって変わってきます。ここでは、皆さんが関わる可能性が最も高い個人使用として関東信越厚生局で手続きする場合を見てみましょう。

まずは厚生労働省のホームページの「個人輸入において注意すべき医薬品等について」を確認します。

これは今回の輸入目的があくまで自身による使用のみであり、他人への販売や授与等には用いないということを理解してもらう為です。

続いて輸入後も随時上記情報を確認することを制約することや、用途に応じて必要な書類を関東信越厚生局に提出します。

書類に不備がなければ、薬監証明が発行されます。これを税関に提示することにより必要な製品を輸入することができるのです。

これとは別で、郵送による取得方法もあります。この場合は切手を貼った返信用封筒を添えて、該当の厚生局へ郵送します。

なお郵便法により日本郵便株式会社及び信書便事業者以外から「信書」に関する文書(薬監証明の申請書と許可証)を送付することはできません。

必ず日本郵便株式会社か信書便事業者を利用するよう、注意が必要です。

厚生労働省個人輸入において注意すべき医薬品等について

医薬品を個人輸入するには

医薬品を個人輸入する方法は概ね上記の手続きで問題ありません。用量が少なければ、薬監証明が不要な場合があるのも先述の通りです。

ただし、必要な書類や手続きは「ア)個人使用の為に輸入」から「サ)その他の輸入」まで分かれているので注意が必要です。

また個人使用の為に輸入したものを販売したり授与したりすることは厳禁です。必ず用途を守った上で使用する必要があります。

薬監証明の英語表現

薬監証明は英語で次のように表現されます。

・drug approval(薬監証明)
・drug important certificate(薬の輸入証明書)

また、例文は以下のようなものがあげられます。

The purpose of getting the drug approval is very important,so you have to consider the necessity of it.
薬監証明を取得する目的はとても重要なので、あなたはその必要性を熟考しなければならないよ。
You must get the drug important certificate if you want to import the drug.
もしその薬を輸入したいのなら、薬監証明を得なければいけません。

まとめ この記事のおさらい

  • 「薬監証明」は「やっかんしょうめい」と読み、「日本国内で未承認・未認証の医療機器等を輸入する際に必要な証明」を意味している。
  • 個人が薬を輸入する場合等は、薬監証明を取得する必要。(ただし、用量や用法等によっては不要な場合もある)
  • 薬監証明はその用途等によって必要な書類を用意し、通関する税関に合った厚生局にて手続きをすることで発行される。
  • 薬監証明は郵送での申請も可能だが、必ず日本郵便株式会社か信書便事業者を利用する必要がある。
  • 個人輸入名目で入手した薬を販売、授与する等本来の目的外で使用することは厳禁。