※本サイトはプロモーションを含んでいます。
この記事では、この「花金」という言葉の由来や意味、現在の使われ方や英語での表現について解説いたします。
今から30年程前、バブル景気の真っ只中の時代に「花金」という言葉が流行しました。
この言葉を聞いてワクワクする中高年の方もいますが、若年層には馴染みが薄いでしょう。
この記事を通して花金を知ることができ、またプレミアムフライデーとの違いを理解することができます。
花金とはなにか
「花金」とは、1980年頃から企業に週休2日制が浸透していったことに伴い、土日が休みとなったサラリーマンが1週間の終わりである金曜日の晩に遊び歩いたことからついた「花(もしくは華)の金曜日」を略したものです。
ちなみに日本における週休2日制は、海外の企業に比較して働き過ぎている日本の労働者が過労によって最高のパフォーマンスを発揮することができず、生産性が低下することを恐れた松下電器(現・Panasonic)の創業者である松下幸之助が1965年に自社に導入したことが始まりです。その後、1992年に法制化されました。
花金の使い方
花金は、週末が連休となったことで、平日の最終日となった金曜日の終業後に、仕事のことを気にせず、心置きなく遊ぶことをさします。
「花金」という言葉は、週休2日制が導入された当時の若いサラリーマンやOLの会話で「今日は花金だから飲みに行こう!」「今度の花金どこに行く?」と使われ、金曜日の夜に繁華街へ繰り出し、気の合う同僚とお酒を飲み歩いたり、カップルで食事をしていました。
又、食事やお酒を飲むだけでなく、金曜日の晩にスポーツや習い事をしたり自宅で読書や資格勉強を行ったりなど、自分がやりたいことをして有意義に過ごす意味でも使われていました。
花金と華金の違い
「はなきん」には「花金」と書いたり、「華金」と書いたりする場合があります。
どちらも間違いではなく、意味は先述の通り、金曜日の夜を楽しむことをさしますが、「花」と「華」という漢字のイメージから、「華金」は少々高価で、贅沢なお金持ちのイメージがあり、「花金」には庶民的な楽しみを表す傾向があります。
しかし「“はな”の金曜日」という言葉自体が、サラリーマンのために実施された週休2日制に端を発することから、一般的には、庶民的なイメージである「花金」と書く方が多いように見受けられます。
花金とプレミアムフライデーの違い
花金とよく似た言葉に「プレミアムフライデー」略して「プレ金」があります。
これは政府が考案した「働き方改革」に沿って、個人消費の活性化を図るため、2017年2月から政府と経団連が企業に対して毎月最終金曜日を15時終業するよう奨励したキャンペーンのことです。
しかし、実施日が一般企業の繁忙期である月末に近く、早帰りすることでその後の業務に皺寄せが来ることから、多くの企業が導入に消極的であり、実施から2年が経過した2019年の調査で、奨励・実施している企業は全体の約2割に留まっています。
政府の意図に反して、一般にはあまり浸透していない現状がありますが、実施している企業では、家族との時間を持つことができた、買い物や旅行に行って気分転換が図れたなど一定の効果が見られています。
花金はバブルに生まれた
週休2日制が浸透した1980年代の日本はバブル景気の影響で、一般のサラリーマンやOLの個人消費意欲も高く、お金が流れやすい時期でした。
当時、同じく流行したトレンディードラマの中には、経営者でもない独身の男女が豪華なマンションに住み、毎晩のように仲間とお洒落なバーで語り合うと言った内容が描かれていましたが、その様は、現実の世界でも遠い理想の世界ではありませんでした。自分も頑張ればドラマのような豪華な生活を送ることができると夢が見れる時代だったといえるかもしれません。
そんな時代に花金という言葉が生まれ、花金により個人消費はさらに拡大し、バブル景気はさらに加速していきました。
しかし、1990年代に入ると、政府の金融政策が引き締め政策に転換したことで、それまで異常に高騰していた地価が下落し、その土地を担保とした信用取引が不良債権と化し、企業や銀行の経営に大打撃を与えました。他にも消費税導入による個人消費意欲の減退なども重なって、バブルは崩壊を迎えます。
バブル崩壊に伴うサラリーマンの賃金水準の低下により、庶民が描いていた豪華な生活という夢も崩壊し、外食や趣味などに支出するお金を抑え、自宅でお金をかけずに生活するようになりました。
このような時代背景により、花金という言葉も次第に聞かれなくなり、死語となっていました。
死語から再浮上
このように一旦死語となった花金という言葉ですが、ここ最近SNSを中心にネット上で見られるようになってきました。使用している世代は若者が多く、彼らは本来の花金時代を知りません。言わば花金を謳歌していた世代の子供世代に当たります。自分たちの親世代が使っていた言葉が今の若者には返って新鮮に感じるのか、以前と同じ意味で使用されています。
花金の英語表現
これは“Thank God It’s Friday!”の頭文字を取ったもので、「今日は金曜日、神様ありがとう!」「今日は金曜日だ!やった!」などと訳されます。
「金曜日おめでとう!」と訳し金曜日が来たことを祝福しています。
「やっと金曜日だ!」という待ちに待った感情を表しています。
「今週は長かった」と忙しかった平日が終わり、ようやく来た金曜日をしみじみ味わっている表現です。
いろいろな表現があり、どれも待ちに待った休日を楽しむ、仕事のことを忘れて遊んだり自分の好きなことをする時に使われます。
国が変われど、休日の前日は仕事からの開放感に浸ったり、休日を心待ちにしていることが伺えます。
まとめ この記事のおさらい
- 花金とは週休2日制の導入によって休日の前日となった金曜日の晩に仕事を忘れて遊びに繰り出した「花(または華)の金曜日」を略したものである。
- 「花金」と「華金」の意味に違いはなく、漢字のイメージから使い分けをしている。
- バブル景気の影響で、花金を楽しむサラリーマンが増加した。
- バブルが弾け、個人消費が落ち込んだことから、花金を楽しむ人も減少し、死語となってしまった。
- 現在の若者には花金という言葉が新鮮に映り、ネット上でも見かけるようになった。
- 英語圏でも花金同様の表現があり、国籍を問わず休日の前日を楽しもうとする風潮がある。