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この記事では、世知辛いの意味や正しい使い方をご紹介します。
「世知辛い世の中だ」と言われたら、どんな世の中を想像しますか?ぼんやりと理解できても、正確な意味を問われたら悩んでしまうのが、「世知辛い」という表現でしょう。
「世知辛い」という言葉に出会って戸惑わないためにも、この記事を通して、世知辛いの意味や正しい使い方をマスターしてください。
世知辛いとは?
世知辛いには、「世渡りが難しい。暮らしにくい」と「打算的。抜け目がない。ケチ」の2つの意味があります。読み方は「せちがらい」です。「せちがない」と覚えている人が多いようですが、正しくは「せちがらい」ですので、しっかりと覚えておきましょう。
世知辛いという文字から、「世渡りが難しい」や「打算的」などの意味を理解するのは難しいかもしれません。この世知辛いという言葉が仏教用語から由来しています。
世知辛いの語源
世知辛いは、仏教用語の「世知」と「辛い」の2つの言葉で構成されています。
世知は、仏教用語で「世俗の知恵」の意味で、「世渡りの才覚」つまり「処世術」のことです。そこから転じて「勘定高い」「ケチ」の意味でも用いられるようになりました。
辛いは、味覚の「辛い」や「つらい」感情ではなく、前の言葉を強める言葉で、「勘定高い」の意味を強調しています。
つまり、本来「世知辛い」は「勘定高くて抜け目がない」という意味です。そこから「勘定高い人が多い世の中は暮らしにくい」となり、「世渡りが難しい」という意味に派生しました。
一般的に「世知辛い世の中」という場合は、「損得勘定ばかりで自分たちの利益だけを追求する人が多い世の中は、暮らしにくい」という気持ちを表しています。
世知辛いのビジネス上での使い方
「世知辛い」をビジネスで使うことはあまりありません。なぜなら世知辛いはややマイナスのイメージがあるからです。
- 不況で接待費が少なくなり、世知辛い世の中になりました。
- 部長は世知辛い人で、飲み会でも常に割り勘です。
世知辛いは、愚痴のようなニュアンスもあるので、ビジネスでは親しい人以外には使わないのが得策です。
世知辛いを使った例文
- 教育者が平然と賄賂を要求するなんて、世知辛い世の中になったもんだ。
- 消費者の利益を無視した世知辛いビジネスが横行している
- 彼は東京の世知辛しさに耐えきれず、田舎に引きこもってしまった。
世知辛いは、上記の例文のように「暮らしにくい」の意味で多く使われます。
- あんなに高給取りのくせに、世知辛い男だな。
- 彼があんなに世知辛いなんて、彼女はショックを受けた。
- 羽振りの良かった社長も、今はすっかり世知辛い人間に変わってしまった。
このように、世知辛いは「ケチ」という意味でも使われています。
世知辛いの類語は?
世知辛いの類語は、大きく2つの意味に分かれます。ひとつは「世渡りが難しい。暮らしにくい」の意味での類語で、「生きづらい」「暮らしにくい」「シビアな」などがあります。
自分の思うことができない状態が「生きづらい」と言えるでしょう。
例文
最近は愛煙家にとって生きづらい世の中になった。
地理的な問題や経済的な問題、人間関係などで快適に暮らせない状況が「暮らしにくい」です。
例文
世渡りが上手な人間ばかりで暮らしにくい。
非常に厳しいさま。過酷な状態の意味です。
例文
アマチュアと違って、プロはシビアな世界だ。
世知辛いのもうひとつの意味である「勘定高い。ケチ」の意味の類語です。この類語は数多くありますが「打算的」「けち臭い」「ずる賢い」などが世知辛いに近い意味です。
なによりも自分の利益を優先するさま。
例文
彼はあの一件以来、すっかり打算的になってしまった。
金や物に対していかにもケチなさま。
例文
セールス品をさらに値引き交渉するなんて、けち臭いよ。
巧妙に悪知恵を働かすこと。狡猾。
例文
ずる賢い経営者なら、品質を下げても利益を優先するだろう。
世知辛いの対義語は?
世知辛いの対義語も大きく2つの意味で分かれます。「世渡りが難しい。暮らしにくい」の対義語では、「世渡り上手」「処世術に長けた」「暮らしやすい」「水が合う」などがあります。
人間関係などをスムーズに築き上げ社会で上手く立ち回っているさま。
例文
あいつは世渡り上手だから、どこへ行っても大丈夫だよ。
「処世術に長けた」とは、世間との付き合い方が上手なことです。「要領が良い」の類語でもあります。本来世知辛いの「世知」は「処世術」の意味ですが、転じて「世渡り上手が多い世間では世渡りが難しい」という反対の意味になってしまいました。
例文
仕事はあまりできないが、彼は処世術には長けている。
環境や経済的な面で生活しやすいこと。
例文
人情にあふれる下町は、とても暮らしやすい。
その土地の水が口に合うという意味から発展して、環境や社会、人などとの相性が良いことを言います。
例文
やはり田舎暮らしの方が、私には水が合う。
世知辛いのもう一つの意味である「勘定高い。ケチ」の対義語としては「大らか」「鷹揚」「気前がいい」「太っ腹」などがあります。
こころがゆったりとして細かなことにとらわれないさま。
例文
店長はいつも大らかで、スタッフ全員から信頼されている。
鷹が空を飛ぶように小さなことにこだわらずゆったりとしているさま。
例文
彼は鷹揚な性格なので、あまり細かなことにはこだわらない。
金品に執着しない、けちけちしないさま。
例文
いつもけちな彼が気前がいいのには、なにか理由があるはずだ。
細かなことにこだわらず、度量が大きいさまやその人。
例文
みんなの飲み代を支払うなんて、さすが部長、太っ腹。
世知辛いの英語表現
世知辛いの英語表現においても2つの意味に分けて訳すようにします。まずは「暮らしにくい」の英語表現です。単語としては「tough」や「cold」を使います。
世知辛い世の中だ。
世知辛い世の中に住んでいる。
世知がないのもうひとつの意味の「勘定高い。ケチ」の英語表現では、「勘定高い」は「打算的」に置き換えると「calculating」という単語がマッチします。
彼は計算高い。
また、抜け目ないという意味の「shrewd」という単語もあります。
彼女は金に抜け目がない。
まとめ この記事のおさらい
- 「世知辛い(せちがらい)」には「世渡りが難しい。暮らしにくい」の他に「勘定高い。ケチ」の意味があります。
- 世知辛いは仏教用語が由来で、「処世術」が転じて「勘定高くて抜け目がない」になり、「抜け目のない人が多い世の中は暮らしにくい」という意味に派生しました。
- 世知辛いの類語には、「生きづらい」「暮らしにくい」「シビアな」の他に「打算的」「けち臭い」「ずる賢い」があります。
- 世知辛いの対義語は、「世渡り上手」「処世術に長けた」「暮らしやすい」「水が合う」と「大らか」「鷹揚」「気前がいい」「太っ腹」があります。
- 世知辛いの英語表現では、「暮らしにくい」意味で「tough」や「cold」、「勘定高い・抜け目ない」の意味では「calculating」や「shrewd」を使います。