ぐうたらというと、何を任せてもまともな返事も返ってこず結果も導き出せないというイメージが多く、決して良い言葉として用いられてはいません。
ところが、この言葉の本当の意味や特徴を具に把握することで、実は使いようによっては非常に有能な性格となる可能性も秘めているようです。
ここでは、ぐうたらの意味とともに、混同されがちななまくらとの違い、そしてぐうたらな人の特徴や接する上での注意点について解説します。

ぐうたらの意味

「ぐうたら」とは、周りの雰囲気や空気とは関係なく、作業を怠け全く働かない事を指します。そして、ぐうたらな人といえば、常に怠けていて無気力な人の事を表します。

現代では、あまりよい意味としては用いられておらず、ができない人や仕事に対する意欲を見せない人をよくこの言葉で表現していますが、敢えてぐうたらな人を観察してみると、何事にも動じず、また周りの雰囲気や空気に流されることなく我が道を行く図々しさが備わっているともいえ、決して悪いだけではありません。

「ぐうたら」の語源

ぐうたらという言葉の語源は、今からおよそ300年ほど前の江戸時代中期に遡ります。この時代、毎日汗を流して働くことが今日を生きる為に欠かせない行動であり、これを怠ける事自体がタブーとされていました。そもそも、このぐうたらという言葉は「愚」という漢字を長音化して読んだ言葉であり、この漢字もまた常識から外れ回りからも失望されるような行動をするという意味をもっています。このことから、「愚(ぐ)」がぐぅと伸び、さらに「弛む」という言葉と合わさって「ぐうたら」となったというのが語源の1つと考えられています。

また、もう1つの語源の説として、イギリスのスコットランド地方で怠けることを「グウタル」と、怠ける人の事を「グウタラー」というのですが、これがなんらかの形で日本に輸入された結果、怠ける人の事を「ぐうたら」というようになったというものです。

どちらの語源も、働かず周りの期待に添わない行動とそれを実践している人の事を指す、ネガティブな由来といえるでしょう。

ぐうたらの英語表現

ぐうたらという言葉で英語で表現する場合、”Lazy”という名詞表現が最もポピュラーです。また、だらだらと惰性に任せるまま過ごす行為を”idle”といい、こちらもぐうたらの意味合いでよく用いられています。

英語では、怠けるという行為から様々な英単語がぐうたらを意味するワードとして用いられていて、例えばぐうたらな人が全く何の役にも立たないという意味合いから”Good for nothing”とも表現するようです。

英語で浮浪者を意味する”Loafer”という言葉にもぐうたらという意味が備わっており、またこの”loafer”という言葉は浅いサンダル型の靴を指す単語としても日本でおなじみとなっており、これは出かける際にも格式張った靴ではない簡易型の靴を選んで履いているという点から、なまぐさという意味に由来しています。

ぐうたらの類義語

ぐうたらの類義語は多数存在しており、怠慢・無精、怠惰、なまくら、ものぐさ、気だるい、不まじめ、横着、ずぼらといった表現があります。

いずれの言葉も、あまり他人から使われて良い気分になれるとは言えないものばかりで、このことからも「ぐうたら」という言葉が決して良い意味では使われていないと言う事がわかります。

ぐうたらとなまくら・ものぐさの違い

よく、怠け者で使えない人物のことを「ぐうたら」とともに表現するのが「なまくら」という言葉。そもそも、この「なまくら」という言葉は、切れ味がなくなり使い物にならなくなった刃物のことを指す鍛冶用語で、これが一般でも用いられる単語として定着しています。

同じような意味を持つ類語としてしばしば用いられるこの2つの単語ですが、例えば、「ぐうたら」というのは自分の意思で怠けたり仕事をせずだらだらと過ごす人の事を指す意味を持つ一方で、「なまくら」という言葉はその人の意思に関係なく物事が上手くこなせなかったり何度も失敗してしまう人の事を表す意味があります。

努力をしているにも関わらず上手く物事がこなせず失敗ばかりしている人に対して「ぐうたら」という表現は適切では無く、この場合は「なまぐさ」という表現が適すでしょう。

また、なまくらと似たような言葉でありぐうたらの同じ類語として用いられる「ものぐさ」については、「物事に挑むことを面倒くさがる人の事」という意味からも、なまくらと比べるとぐうたらという言葉により近い意味を持つ言葉といえます。

しかし「ものぐさ」という言葉の本質には、「させる自信が無いために挑むことを躊躇する」という意味も併せて備わっているので、自らの意思で怠ける「ぐうたら」とは若干違った類語であるという認識が必要です。

いずれの言葉も、他人に対して使うと決して良い印象を与える事場ではありませんから、使う場面や相手をしっかりと吟味した上で用いましょう。

ぐうたらな人の特徴1:責任感が乏しい

ぐうたらと表現できる人のほぼすべてに当てはまる特徴ともいえるのが、責任感のなさです。仕事上で、重要な業務を信頼の上で任されたとしても、ぐうたらな人はどこかで必ず「手抜きをしよう」と試みながら業務を引き受けます。結果の善し悪しは別としても、こうした心理から必ずどこかで手を抜いたり負担を少しでも軽くしようとするので、真面目に業務を担っている側から見れば、社会人としての責任感がやや欠如しているとも見えるかもしれません。

ただ、ぐうたらだからといって決して実力が伴っていないというわけではなく、あくまでもぐうたらな人は怠けることを最優先に考えるので、手を抜いてしまうという点にだけ繋がっているので、実力をしっかりと備えどんな場面でも紆余曲折を経て最終的に無難な結果を出せる人物であるのだとしたら、無碍にせず有効に人材として活用する方がおすすめです。また、持ち前の責任感のなさから冒険は一切使用としないので、無難に結果だけを求める際には有効な選択肢の1つともいえます。

ぐうたらな人の特徴2:タイムリミットギリギリまで怠ける

見ている方からするとやや肝が冷えるような感じもしますが、ぐうたらな人ほど任された業務や作業をタイムリミットギリギリまで熟そうとしない傾向があります。

例えば、時代に夏休みの宿題を大量に提示されたにもかかわらず、夏休み中は遊びに集中し休みの終了間際になってから初めて尻に火がつくという子供をよく目にしますが、これもまた、一種のぐうたらな性格といえるでしょう。実際、ぐうたらな人はこのように責任を最期まで後回ししようとする傾向があり一見すると物を頼む対象としてはちょっと避けたくなりますが、ぐうたらな人の多くは最終的にはそれらの作業をきちんと熟してしまうので、ある意味では器量があり短時間で一定の作業を熟すだけの実力を有しているともいえます。

また、ぐうたらな人ほど自分に対して妙な自信やプライドを持っている人が多いのですが、これを安易に挫くのはおすすめしません。その自信やプライドを上手にくすぐってあげることで、彼らの本来の実力を遺憾なく活用することができます。

ぐうたらな人の特徴3:物事や話題に関する関心が極端に

ぐうたらな人といえば、日がな一日、暇を見つけては寝ているというイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか?
実際、ぐうたらな人だからといって必ず空いた時間をすべて睡眠に費やしているというわけではなく、例えばその時間を自分の趣味ややりたいことに費やしているという方も多いようです。

ただし、時間の過ごし方とは全く関係ない事については、たとえどんな話題や物事であったとしても、ほとんど関心を示しません。好奇心がとにかく旺盛という方から見ればまるで仙人のような存在に見えなくもありませんが、実際のところ、ぐうたらな人は自分の興味があること以外に気を配る事自体が面倒に感じるので、今自分が実践している作業以外には全く興味や好奇心を示さないというわけ。

ただ、逆に言えば、自分が集中している作業については人一倍の関心と集中力を発揮するので、決してそういった部分で劣っているわけではという点でぐうたらな人を誤解しないようにしてください。

ぐうたらな人の特徴4:極力無駄を嫌う

ぐうたらな人は、自分に任せられた仕事さえもできるだけ手を抜いて楽に熟そうとします。このことから、ぐうたらな人ほど余計な手間や労力がかかるような手間を極端に嫌う傾向があり、無駄が発生するような作業自体をそもそも引き受けようとさえしません。

例えば、ぐうたらな人がとある空間の掃除を任せられたとします。ところが、その空間は掃除をしたのち、ある程度時間が経った段階ですぐに汚れてしまいます。

これが理解出来ているぐうたらな人は、「どうせ汚れるのだから掃除をしても無駄」と考えるのです。結果、特に目立つ部分だけを簡単に掃除した上で、目立たない部分では一気に手を抜いて楽をしようとします。確かに、掃除してきれいにしたとしてもまた汚れるのだから意味がないという考え方にも一理ありますが、これをぐうたらな人はほぼ直感で把握しながら行動に移すことができるので、ある意味では理解する力や観察力にとても優れているといえるでしょう。

ぐうたらな人の特徴5:時間にルーズで遅刻癖が強い

職場の同僚や学校の同級生の中に、頻繁に遅刻してくるという方がいらっしゃったりしませんか?こういった方もまた、もしかしたらぐうたらな人かもしれません。

ぐうたらな人は、とにかく自分の関心事以外には極端にルーズで、特に自分を縛る存在である時間に対して「自分だけはできるだけ時間に縛られたくない」というものぐさな性格からか、時間にとてもルーズになる傾向があります。その結果、決められた出勤時間にも平気で遅刻してくる上、とがめられるとばつが悪そうに対応したり「出勤したのだからOKではないか?」と開き直るという方も多くいらっしゃいます。

常にフリーダムな考え方で、なおかつ人に縛られることを極端に嫌うぐうたらな人ならではの特徴で、社会人としては著しく責任感や使命感に欠けているともいえるのですが、誰に対しても臆することなく自らのポリシーが如く平気でそういった行動を執れる度胸だけは。見習っても良いかもしれません。

ぐうたらな人との

ぐうたらな人、身近な環境にいませんか?もしいたとしたら、波風を立てないようにどういう風に接するのがベストといえるのでしょうか?

過剰な期待と責任を押しつけない

ぐうたらな人は、とにかく自分が楽をしながら一定の成果を上げることをモットーとしており、他人から頼られたり作業を押しつけられたりすることを極端に嫌います。

ですから、接する側としても、こうした性格を持つ人には、過剰な責任や期待は絶対にかけないのが無難。下手に期待をしても必ずといって良いほど裏切られるケースが多いですから、精神衛生上を考えても、過度な期待はせずほどほどの接し方を心がけるべきです。

得意分野を任せる

ぐうたらな人=実力が伴っていない人ではありません。むしろ、どんな場面でもぐうたらでいられるほどの度胸の大きさや土壇場で発揮する実力の高さなどは絶対に評価すべきポイント。それに、ぐうたらな人は、自分に関心のない事には一切興味を示さない一方、自分が興味を持っていることには異常なまでの反応を示すので、これを活かして彼らの得意分野を集中的に任せるのがおすすめ。

型にはまった扱いをしない

ぐうたらな人は、例えばスケジュール通りの行動やマニュアルに従った行動など、いわゆる型にはまった行動を好みません。常に、自分がやりたいことを自分のペースで熟すことをモットーとしているので、無理に型にはめようとしてもはまらないどころか、反発したり彼ら本来の魅力を損なってしまう恐れも。
また、ぐうたらな人は他人よりも高く評価されるほどやる気を出すので、こうした特徴を上手にくすぐりながら自由な活動を認めてみてはいかがですか。
型にはめようとして反発し仕事を熟さないよりも、マイペースながらも必ず結果を出してくれるので、総合的にもこちらの方が良い付き合い方といえます。