世渡り上手といえば、どんな荒波にも打ち勝つだけの器量や高い判断力を持っているというイメージが強く、実際にこれはビジネスシーンにおいても強みとして働いてくれる貴重な才能です。
ここでは、世渡り上手の意味や普通との違いについて解説します。

世渡り上手の意味とは

「世渡り上手」とは、人間関係や社会で活動する上で様々な関係を良好な形で乗りこなすことができる人とその性格のことを意味します。

世間一般的なイメージとして、接する相手や存在する環境を問わず、常にベストな選択肢を選びながら良好な関係を築くことができるという意味合いが強く、実際に世渡り上手に該当する人は、得てして社会の中で比較的高い地位を獲得している傾向が見られます。

「世渡り上手」の使い方

世渡り上手という言葉は、基本的には相手のよい部分を指摘するメリットを持った言葉として活用されていますが、この言葉に対してネガティブなイメージを持つ方が意外に多く、使い方によっては相手との関係を悪化させる場合もあります。

特に、日本のビジネスシーンでは、あえてトラブルに飛び込みそれをクリアすることによって社会人としての経験値を積み重ねることを美徳とする考え方が根強く、こうした考え方を持つ人から見れば、世渡り上手は決して好ましい特徴として認められない可能性がある点を理解しておく必要があるでしょう。

 

世渡り上手の類語・似た性格

世渡り上手の類義語として「世辞に長けた」や「処世術に長けた」という言葉が挙げられます。
いずれも、世=特定の業界とその常識という考え方の元、その業界で良好な立場を築く上で様々な経験や知識を備えている人を表す言葉として用いられ、そのすべてが長所を指摘する言葉です。

また、世渡り上手という言葉には、世間一般を指す意味で使われるケースと、自分自身が存在する世界での振る舞いを指す意味で使われるケースの2つに大別することができ、それぞれの目的に合わせて使い分けられています。

例えば、自らが存在する世界において常に良好な舵取りや人間関係の構築を行う場合に用いられる表現として「要領がよい」や「立ち回りが上手い」、「世才に優れる」など同様の意味を持つ表現が用いられ、これらはいずれも「世渡り上手」と同じ意味を持つ言葉です。

このように、「世渡り上手」の「世渡り」が意味する世界は複数存在しており、それぞれの世界に応じた特定の類義語が豊富に存在している中、それらをひっくるめて表現できる便利な言葉として「世渡り上手」が広く用いられるようになりました。

「世渡り上手」と「ちゃっかりした」の違い

しばしば、世渡り上手と似通った表現として「ちゃっかりしている」という言葉が用いられ、これら2つは似たような意味を持つ類義語として扱われています。

「世渡り上手」が、その世界を生き抜く上で欠かせない経験や知識、あるいは元々の性格などその人に備わった何らかの才能を元に良好な関係を構築することを指しているのに対し、「ちゃっかりした」はあくまでもその人の人柄や性格が基本となっており、本能的な要素や経験則に基づいた行動であるかどうかという点で大きな違いがあります。

世渡り上手な人の特徴1:人の立場になった考え方ができる

世渡り上手な人の特徴をつぶさに観察してみると、接する人に応じたその人の立場に立った見方ができるという点があります。

人間は、本来の性質として自分の観点に基づいた行動が基本的なルーチンとなるのですが、世渡り上手と評される人の基本的な行動として、自分の利益を第一とした活動ではなく自分の周りに存在する人の価値や利益も考えた行動ができるという点が特徴です。

誰しも自分の利益を最大限に考えた行動を行う結果、時として周りの人にある程度の損害やリスクを被る恐れがあるのに対し、世渡り上手な人は自分が少々のリスクを背負っても周りの人の利益を優先する行動が執れることから、周りからの信頼を特に得やすくなります。

ビジネスシーンにおいて、大切な交渉を行う相手の信頼を勝ち取るというのは最大の武器といっても過言ではなく、いわゆる「損をして得をする」という慣用句に直結しているといえるでしょう。

世渡り上手な人の特徴2:面倒見がよい

世渡り上手と評される人に共通する要素として、他人に対する面倒見がすこぶるよいという点があります。

世渡り上手を実現する上で、自分だけでなく自分の周りに存在するすべての人との良好な関係は大前提となるため、たとえ自分よりも才能が劣る人にたいしてでも、世渡り上手な人は無碍な対応を選びません。自分が持っていて周りの人が持ち合わせない経験や能力を惜しみなく提供したり、時には困っている人に対して自分が遅れをとってでも手を差し伸べて助太刀することもあり、他人のことを親身になって考え行動に移せる点は、この性格ならではの魅力といっても決して過言ではありません。

こうした人柄の良さは、特に人間関係を大前提とするような職場で大きな力を発揮し、接する顧客だけでなく同じ職場に属する同僚からの評価も高くなりやすく、こうした要素が出世のスピードや業界内における良好な立場の構築など様々な点に寄与しています。

 

 

世渡り上手な人の特徴:相手の善し悪しを指摘できる

よく、人間関係を巧みにする手法として「相手のことを褒めちぎる」というものがあり、実際にこれは有効な手法といえます。ですが、あまりにも相手のことを常に褒めちぎるという手法は、特に警戒心が強い人や初対面の人から見れば不興を買う危険性もはらんでおり、必ずしも完璧な手法ではありません。

一方、世渡り上手と評される人の多くは、相手のよい部分はしっかりと褒めちぎる一方で、相手の欠点といえる要素に対して、やんわりと指摘することができます。

人は、ただただお世辞のごとく褒めちぎられてばかりいると不信感を感じがちですが、褒める言葉とともにリスクともいえる指摘を行える人に対しては信頼感を感じやすくなり、こうした要素が自然と振る舞える世渡り上手な人は、そうではない人以上に他人からの信頼を得やすくなります。

また、相手を褒める際あるいは欠点を指摘する際に用いる表現や言葉遣いについても、相手を極端に刺激しないやんわりとした表現ができるというところも、この性格の人ならではの特徴です。

世渡り上手な人との付き合い方

世渡り上手な人は、交友関係やビジネス上の関係を構築する上で、非常に参考になる存在といっても過言ではありません。

相手を不快にせず、常に自分の一定の利益を確保しつつ相手の利益を増やしリスクを回避する手法を自然体で執れるという性質は、ある意味、人間関係の最高の手法といってもよいでしょう。こうした性格の人が身近にいるのであれば、常に彼ら彼女らの一挙手一投足をつぶさに観察し、自身のこれからの行動の参考にすることをおすすめします。

ただし、自分自身が世渡り上手な人と接するのであれば、常に心の中に1枚だけガードを張り巡らした上で接することが基本。

世渡り上手な人の多くは、損得勘定なく本能的に様々な行動や言葉を使って素直に接してくれるのでこちら側も特に警戒心をもって接する必要はありませんが、あまりにも信頼しすぎてしまうと、今度は自分自身の考えに基づいた行動を行おうとせず常に世渡り上手な人に甘えたり頼ってしまいがちになりやすくなります。