労働力人口とはなにか?労働力人口の推移と労働力人口減少の対策

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人口のうち働いている人、働く意思を持っている人がどれくらいいるのかをあらわわす労働力人口は、国の経済力を示す指標のひとつです。

この記事では、労働力人口の推移と、今後労働力人口が減少していくことへの対策を中心に、日本の労働力人口について解説します。

そもそも労働力人口とはなにか?

労働力人口とは、15歳以上の人口のうち、「就業者」と「完全失業者」を合わせたものをさしています。

労働力人口の内容である就業者、従業者、休業者、完全失業者については以下の通りです。

就業者 
「従業者」と「休業者」を合わせたもの。
従業者 
調査週間中に賃金、給料、諸手当、内職収入などの収入を伴う仕事(以下「仕事」という。)を1時間以上した者。家族従業者は、無給であっても仕事をしたとする。
休業者
仕事を持ちながら、調査週間中に少しも仕事をしなかった者のうちの以下に当てはまるもの。1.雇用者で、給料・賃金の支払を受けている者、または受けることになっている者。2.自営業主で、自分の経営する事業を持ったままで、仕事を休み始めてから30日にならない者。
完全失業者
以下の3つの条件を満たす者
・仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった(就業者ではない。)。
・仕事があればすぐ就くことができる。
・調査週間中に。仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む。)。

労働力人口に含まれないのは「就業者」と「完全失業者」以外の者ですが、具体的には「専業主婦」「学生」「高齢れや病気で働けない人」などがあてはまります。

労働力人口は、総務省統計局が毎月実施・公表している「労働力調査」により調査、算出されます。

労働力調査は、全国で無作為に抽出された約40,000世帯の世帯員のうち、15歳以上の者約10万人を対象とし、就業・不就業の状態を調査して算出されています。

参考
総務省統計局 労働力調査 用語の解説

日本の年齢階層別人口の推移

日本の人口は毎年減少しており、2018年の発表では1億2642人ですが、2065年には約8800万人まで減少すると推定されています。

少子高齢化がさらに進むことにより、労働力の中心となる15歳~64歳の全人口に占める割合は2016年には59.9%ですが、2026年には51.4%と推定されています。

75歳以上の割合は、2016年が13.8%、2026年には25.5%となるといわれています。

日本の労働力人口の推移

労働力人口はまで5年連続で増加している

日本の労働力人口は、2017まで5年連続で増加しています。

15歳~64歳までの生産年齢人口は減少していますが、女性や高齢者が働きやすい環境が整備されてきたことが、労働力人口が増加した要因のひとつでしょう。

今後も労働力人口の増加のカギは、女性と高齢者がどれだけ労働力となるかにあると予想されています。

労働力人口は2024年から緩やかに減少する

労働力人口は2023年までは上昇を続け、2024年に減少に転じます。

現象ベースは緩やかで、2030年の労働力人口は 6693万人と、2017年の水準を27万人下回るにとどまると予想されています。

就業者数でみると、失業率が低下していくためさらに減少ペースが緩やかで、2030年の就業者数は、2017年と比べて23万人増加すると見込まれています。

労働投入量は2023年から減少が加速する

労働力人口は5年連続で増加しており、2024年からは減少に転じますが、減少のペースは緩やかであると予想されており、深刻な人手不足を引き起こすことはないように見えるでしょう。

しかし、労働力増加は女性や高齢者の労働への参加が要因です。

女性や高齢者は平均的に労働時間が短く、2023年頃から労働投入量(労働者数×1人当たりの労働時間)の減少が加速すると考えられています。

参考
三菱UFJリサーチ&コンサルティング「2030年までの労働力人口・労働投入量の予測」

労働力人口減少への対策

今後予測される労働力人口減少への対策には、以下のものがあげられます。

非労働力人口の労働力人口化を促進する
現在、働いていない人が働こうと思う環境を構築することで、労働力人口を増やすことができます。
労働力人口の非労働力人口化を止める
現在、就業している人が職を離れなることがないような施策を講じることが、労働力人口減少の対策となります。
生産性を維持したまま労働時間を増加させる
短時間のパート、アルバイトの正社員登用などをすすめ、労働投入量としての労働時間を増加させる対策です。

女性が活躍できる職場づくりをする

女性が働きやすい職場の環境づくりは、近年どの企業でも力を入れていることですが、結婚や出産を機に退職する人も少なくありません。

産休や育休などの制度を導入して満足するのではなく、育休中の社員とコミュニケーションをとることや、復帰後のポジションを確保すること、ライフステージが変わっても仕事から離れなくてよい環境づくりが大切です。

高齢者も活躍できる職場づくりをする

女性の活用と並び、高齢者が活躍できる職場づくりも労働力人口減少の対策として大切です。

今後はますます人口における高齢者の割合が増加していきます。

現代では、すかいらーくホールディングスがパート・アルバイトの定年を75歳に引き上げたことがニュースになりましたが、諦念の延長をはじめ、高齢者が働きやすい職場づくりや人事制度の見直しなどが必要でしょう。

非正規社員の正規社員への登用

パート・アルバイトなどの非正規社員を正規雇用することで、労働投入量の増加を図ることができます。

社員のヘルスケアや治療と両立できる職場

健康上の理由から職を離れてしまう人もいます。

社員の健康状態に普段から気を配る仕組みを作ることや、病気にかかってしまった場合に、治療しながら仕事を続けられる制度を設けることなども、労働力人口減少の対策として考えなければならないでしょう。

労働力人口についてのまとめ

  • 労働力人口とは、15歳以上の人口のうち、「就業者」と「完全失業者」を合わせたものをさします。
  • 日本の労働力人口は5年連続で増加していますが、2024年から緩やかに減少することが予測されています。
  • 労働力人口減少の対策としては、女性が活躍できる職場づくり、高齢者の活用、非正規社員の正規社員への登用、社員のヘルスケアや治療と両立できる職場づくりなどが考えられます。