黎明期(れいめいき)の意味と使い方 類語表現を例文と共に解説

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黎明期(れいめいき)という言葉がありますが、日常で使われない言葉であるため、正しい意味や、どのような場面で使われるのかなどが疑問点としてあげられるでしょう。

黎明期の意味を理解するために、この記事では意味や由来、使い方と例文・対義語などを解説します。

この記事を通して、言葉の正しい意味が理解できるようになります。

黎明期(れいめいき)の意味

空前絶後
黎明期は、新しい事が始まろうとする時期という意味をもつ言葉です。「夜明けの時期」ともいわれています。

黎明期の由来

「黎明期」は、「黎明」という言葉に由来しています。

「黎」という字は「黒」や「~に及ぶところ」という意味をもっており、「黎」の後には「明」という文字がくるため、黒く暗い場所から明るい場所へというイメージを想像させる言葉です。

「明」という字は、あかるさ、はっきりしている事や、夜明けという意味ももっています。「黎明」という言葉に、時期を意味する「期」という言葉が加わり「黎明期」という言葉ができました。

黎明期の使い方と例文

黎明期は、新しい事が始ろうとする時期という意味の通り、新しい文化や時代が始まろうとする際に使用されます。

ある単語の後に「黎明期」とつけられることが多いです。

黎明期という言葉を使った例文は以下の通りです。

彼は会社の黎明期に活躍した人物である。
現代でインターネット黎明期を想像するのは容易ではない。

黎明期と過渡期(かとき)の違い

黎明期と似た言葉に「過渡期(かとき)」という言葉があります。

過渡期とは、ある状態から新しい状態へと移り変わっていく時期をさす言葉です。

黎明期が新しい物事が始まろうとする時期をさしているのに対し、過渡期は新しい物事へ移り変わる時期をあらわしています。

インターネット黎明期とは

ROA
黎明期がよく使われる例に「インターネット黎明期」があります。インターネット黎明期とは、1900年代後半、特に1990年以降に生じたインターネットサービスの成長期を指して用いられます。

インターネットを利用した電子メール、電話やビデオチャット、ブログやSNSなどはすべて1990年代半ば以降に登場しました。2000年に入るとその成長がさらに加速し、情報総量のうち51%はインターネットを使ったものになり、2007年には実に97%以上の情報はインターネットを通じたものであるという調査結果が出ました。

インターネット黎明期の時期に明確な決まりはありませんが、インターネットサービスの成長が著しい1990年代後半~2000年代のことを指す場合が多いようです。

このインターネットの急成長を受け、「インターネットバブル」という言葉も登場しました。それまでは「知識やアイデアはあるものの、資金がないため企業ができない」という人が多かったのですが、インターネットの普及により、低いコストで広告を出したり通信販売を行なうことができるようになり、多くの人にビジネスのチャンスが訪れたのです。

新たなアイデアを持つ人がインターネット上で様々なビジネスを展開して成功し、まさにバブル状態となったわけです。

しかしこのインターネットバブルも2000年3月に最高潮に達し、その後は衰退していきます。

現在はインターネットバブル期にはありませんが、低コストで企業できるというメリットは変わらないため、多くの人・企業がインターネット上のビジネス成功のために力を尽くしています。

「インターネット黎明期」と人との関わり方の推移

インターネット黎明期を象徴するのが「2ちゃんねる」だと言っても過言ではないでしょう。

2ちゃんねるとは、1999年に「ひろゆき」と名乗るユーザー(西村博之さん)により開設されたネット掲示板です。ネット掲示板を利用しない人でも、その名前なら知っているのではないでしょうか。

開設当時は利用者が少なかったようですが、2000年5月の「西鉄バスジャック事件」の犯人が書き込みをしていたこと等で話題となり、一気に利用者も増えました。

独特な造語が飛び交ったり、匿名のユーザーによるやり取りゆえのブラックな掲示板でしたが、ユーザーからは
「自分では知ることのできない、専門性の高い情報を知ることができる」
「共通の関心を持つ人と語り合うことができる」
というメリットがあると評価され、インターネット黎明期を過ぎてからも利用者は後を絶ちません。

現在の主流となっているSNSには、本名を使いながら自分の主張ができるというメリットがあります。インターネット黎明期の「匿名」ゆえにできる自己主張と異なっていることがわかりますね。

インターネットの成長とそれを用いた自己主張の変化は、人との関わり方や自己主張の方法が移り変わっていることの証拠とも言えるでしょう。

黎明期の英語表現は「dawn」や「early days」

黎明期は、英語で「dawn」または「early days」とあらわします。

例として、「the dawn of the Internet(インターネット黎明期)」や、「the early days of TV(テレビ黎明期)」などと表現されます。

注意点として「the dawn of~」という形で表現する場合、前置詞は「at」を使い、「the early days of~」という形で表現する場合、前置詞は「in」を使う事があげられます。

黎明期の類語

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黎明期の類語①:「暁」

「暁(あかつき)」は、夜明けや、夜半から夜のあけるころまでという意味をもつ言葉です。

新しい物事が始まろうとする時期をあらわす黎明期と違い、暁は「物事が成就したとき」をさす言葉です。

黎明期の類語②:「転換期」

「転換期」は、物事が移り変わろうとしている時期という意味をもつ言葉です。

転換期は、これまで行っていた物事の方向性を変えるべき時期をさすため、新しい物事の方向性が定まっていません。

この点が、新しい物事の方向性が定まっており、新しい物事が始まろうとしている黎明期との違いです。

黎明期の類語③:「萌芽期(ほうがき)」

「萌芽期(ほうがき)」は、物事が始まる時期という意味をもつ言葉です。植物が芽を出す時期という意味ももっています。

黎明期は、まだ物事が始まっておらず、これから始まろうとしている段階の時期をあらわすのに対し、萌芽期は物事が始まってまもなくの時期をあらわす言葉です。

黎明期の類語④:「揺籃期(ようらんき)」

「揺籃期(ようらんき)」は、物事が発展する初期の段階の時期という意味をもつ言葉です。ゆりかごに入っている時期という意味ももっています。

揺籃期は、物事がすでに始まっており、発展する初期の段階にあるため、物事がまだ始まっておらず、これから始まろうとしている段階をあらわす黎明期と異なります。

黎明期の類語⑤:「草創期(そうそうき)」

「草創期(そうそうき)」は、物事の始まりの時期という意味をもつ言葉です。

物事がこれから始まる段階を表す黎明期と違い、草創期は物事が始まった段階をさしています。

黎明期の対義語

堂々とした人

黎明期の対義語①:「薄暮(はくぼ)」

「薄暮(はくぼ)」は、「日没後の黄昏(たそがれ)」という意味をもつ言葉です。

薄暮は「夜明け」という意味をもつ黎明との対義語です。

黎明期の対義語②:「衰退期(すいたいき)」

「衰退期(すいたいき)」は、栄えていたものが勢いを失い衰えていく時期という意味をもつ言葉です。

衰退期は、これから始まるという意味をもつ黎明期との対義語として使うことができます。

黎明期の類語・対義語を使った例文

黎明期の類語「暁」を使った例文

暁の空が綺麗だ。
当選した暁には、必ず公約を実現する。

黎明期の類語「転換期」を使った例文

今が人生の転換期だ。
大きな転換期を迎える。

黎明期の類語「萌芽期」を使った例文

萌芽期における課題は〇〇である。
4月ごろが萌芽期だ。

黎明期の類語「揺籃期」を使った例文

〇〇はまだ揺籃期にある。
この時代は〇〇の揺籃期にあたる。

黎明期の類語「草創期」を使った例文

この事業はまだ草創期にある。
この時代は〇〇の草創期にあたる。

黎明期の対義語「薄暮」を使った例文

薄暮の時間帯の事故に注意が必要だ。
薄暮の空が好きだ。

黎明期の対義語「衰退期」を使った例文

一度衰退期が訪れたが、中興した。
衰退期は売上が減少する。

黎明期についてのまとめ

  • 黎明期は「れいめいき」と読み、「新しい事が始まろうとする時期」という意味をもちます。
  • 黎明期の「黎」は「黒」や「~に及ぶところ」という意味をもち、「明」は「あかるさ」「はっきりしている」「夜明け」という意味をもっています。
  • 黎明期は、新しい文化や時代が始まろうとする際に使用されます。
  • 黎明期が新しい物事が始まろうとする時期を指しているのに対し、過渡期は新しい物事へ移り変わる時期をあらわしています。
  • 黎明期は、英語で「dawn」または「early days」とあらわします。
  • 黎明期の類語には、「暁」「転換期」「萌芽期」「揺籃期」「草創期」などがあります。
  • 黎明期の対義語には、「薄暮」「衰退期」などがあります。