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首相などが述べる「所感」のほかに、一般に「所感」はビジネス用語として使われています。ビジネス状況やタスク、プロジェクト、会議などに関して、日報・レポート等で自分の意見や感想を表すときに使う言葉です。ただし、ビジネスでは所感と感想には違いがあり、主観的な印象を述べるだけでなく、より根拠に基づいた論理的な意見が求められることが多い点に注意しましょう。
ビジネスで「所感をまとめて提出するように」と言われたら、主観的な感想が聞きたいのではなく、経験や知識を元にした意見を受けて、商品を改善したりビジネス上の意思決定を行うことが目的だからです。
いざ自分が所感を求められたときに焦らないよう、所感の役割や意味合いを理解しておきましょう。
所感とは
「所感(しょかん)」とは、何かに触れて心に感じた事や、感想のことを表す言葉です。
ビジネスにおいての所感
ここで重要なのは、ビジネスにおいて「所感」と「感想」は違うものだという事です。自分の感じた事や思った事をそのまま書く事が感想ですが、所感はただ感想を述べるだけでなく、次回に繋がる仕事の関わり方や進め方といったPDCAサイクルを意識した内容である事が求められます。
「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(確認)」「Action(改善行動)」
所感は、PDCAサイクルにおいての「Check」と「Action」と考えるとよいでしょう。
感想を言って終わりではなく、所感というOutputは次のActionを考えるためのInputという側面を持っている点に注目しましょう。
ビジネスの所感で単純な感想を述べるだけでは不十分な理由をまとめると、以下の通りです。
問題解決に役立たない
感想は主観的であるため、他の人がその情報をどのように活用すべきか明確ではありません。具体的な提案や分析がないと、問題解決に役立たないことが多いです。
意思決定に寄与しない
ビジネスでは、意思決定の過程で客観的な情報や具体的な提案が求められます。感想だけでは、妥当か判断できないため、意思決定に寄与しにくいと言えるでしょう。
チームの協力やコミュニケーションが促進されない
単純な感想では、他のメンバーとの共通認識や発展的な展開が生まれにくく、チームの協力やコミュニケーションが促進されません。
プロフェッショナルさが欠ける
ビジネスシーンでは、プロフェッショナルな意見やアドバイスが期待されます。特にお客さまから所感を求められた際、感想だけではその要求に応えられない場合があります。
以上の理由から、ビジネスの所感では、単純な感想を述べるだけでは不十分とされることが多いです。具体的な提案や分析に基づく意見を述べることで、ビジネスシーンでの所感がより価値あるものになります。
ビジネスで所感を求められる場面
ビジネスにおける所感は、次のような場面で求められる事があります。
研修や出張の報告時に求められる所感
研修や出張で得た事や学んだ事だけではなく、今後の仕事に生かせそうな点・あるいは業務の改善点と方策について報告書・レポート等にまとめます。
「日報」に記載する所感
新人や営業職に対しては、日報が求められる会社もあります。新人が業務や組織に慣れ、スキルを向上させるため、日報を通じて自身の活動や学び、課題を振り返り、上司とフィードバックを共有することが重要です。営業職に対しては、営業活動の進捗や成果を把握し、顧客対応や提案の改善につなげるため、日報で情報共有や報告が求められます。営業職は外出が多く業務内容が把握しづらいため、日報を通じて上司や組織が進捗を把握できるようにします。
日報には、一般的に日付、業務内容、実績・達成状況、問題・課題、所感・感想、次回の予定・目標などの入力欄があります。職種や業種によって、これらの項目は変わってきます。
新人の場合、所感欄にはその日の業務を通じて得た学びや気づき、実績・達成状況、あるいは問題・課題に対する自己評価と改善点を記入します。
営業職の場合、所感欄には顧客対応の反省・改善点や、営業戦略の考察などを記入します。
所感欄では感想にとどまらず具体的で客観的な意見が求められます。また、自分の成長や今後につながる内容を追加すると、視野が広くなるでしょう。
朝礼でのスピーチなどで所感を述べる場合
定められたテーマで、自分の感想と業務に生かせる部分などを自分の意見としてまとめる。スピーチの時間は特に指定が無い場合は、3分~4分程度にまとめる事が望ましい。
所感の書き方
報告書での所感
報告書で所感を書く際は、報告内容の最後に自身の所感を記載します。また、報告内容と所感の内容が一致している事が最も重要です。
どんなに立派な所感を書いたとしても、報告書の内容が身の無いものであれば所感の重みが無くなります。また、報告書と所感の内容に齟齬や矛盾が生じると所感の価値も無くなってしまいます。
報告書のテーマと内容に一貫性があるか、具体性があるかなど報告書の内容も重要になります。
その上で、報告内容を前提とし事実を中心とした感想、意見、アイディアを盛り込んで所感を作成します。
日報での所感
日報で所感を書く場合は、「〇〇だった」「〇〇だと思った」といった感想だけで終わらせず、業務内容や結果について深く堀り下げたのちに、具体的な解決策や、成功した要因の分析などを行い、簡潔に記載します。
スピーチで所感を述べる際
スピーチで所感を述べる場合、時間や場所が決まっている事が殆どです。
誰に向けて、どの程度の時間のスピーチを行うかによって内容が変わってきます。
朝礼などの限られた時間の中で行うスピーチであれば、3~4分程度にまとまる程度で内容を作ります。
スピーチの場合は、前提となる事例の報告、要因分析と方策の2部構成で内容を作成すると簡潔に所感を述べる事が出来ます。
所感の例文
例文:研修報告書の所感
今回の研修では徹底的なコスト管理と、無駄を省く必要性について学びました。現在当社で行っている業務は〇と〇と〇の3工程に分けられます。
各スタッフがマニュアルに沿って工程をこなしていますが、その中でも無駄な動作や不要な工程がある事が今回の研修を通して明確になりました。
今回の研修の成果を生かし、まずは無駄な動作や工程の洗い出しを行い新たなマニュアルを作成する事で更に業務の効率化を図れるのではないかと思います。
例文:日報での所感
所感をのべる際のネタに困ったら
朝礼のスピーチなどでテーマを自由に選定し、所感を述べるという取り組みを行っている企業もあります。
ネタに困ったら以下のような質問を自分に投げかけ、作った所感を織り交ぜてスピーチしてみましょう。
「所感」についてのまとめ
- 所感と感想は違う
- 所感はPDCAに基づいて語られるとよい
- 報告書の所感は、報告内容と所感の内容に一貫性を持たせる必要がある。
- 日報の所感は、その日の出来事を深堀し、要因分析とその方策を簡潔にまとめる。
- スピーチで所感を述べる場合は、3~4分でまとまる程度の簡潔な内容にする。