「健啖/健啖家」とは?大食漢との違い、長生きするって本当?

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この記事では健啖・健啖家という言葉について解説いたします。

健啖・健啖家の読み方や意味、使い方を解説し、その言葉の語源や類語、対義語、さらには英語表現なども合わせてご紹介いたします。

「健啖」の読み方や意味

秀逸
健啖という言葉は「けんたん」と読みます。

健啖とは、「好き嫌いなく盛んに食うこと。多く食うこと。大食い」という意味を持った言葉です。

「健啖」の語源

「健啖」の詳細な語源は不明ですが、その漢字をひとつひとつひもとくと言葉の成り立ちが分かってきます。

「健啖」の「健」は、「からだが強くしっかりしている」という意味を持つ漢字で、訓読みで「すこやか」と読まれます。

「啖」は「貪り食う」という意味を持つ漢字で、 「口」と「炎」という2つの漢字でつくられています。「火の付いたような~」という言葉がありますが、「火・炎」という漢字は「あわただしい様子」や「勢いがすさまじい様子」をあらわす場合に使われることがあります。この「啖」という漢字もそのひとつです。

この2つの漢字を合わせて「健康的に何でもたくさん食べる」という意味の「健啖」という言葉が生まれました。

「健啖家」の意味とは

渾身
「○○家」という言い方をすると人物をあらわす言葉になるので、「健啖家」の意味は、「食欲の旺盛な人・大食いで何でもたくさん食べる人」です

好き嫌いなくたくさん食べることは決して悪いことではありません。また「健やか(すこやか)」という漢字が使われていることから健康的なイメージがこの言葉に含まれていることが分かります。

「健啖/健啖家」の使い方

検討
健啖はここまででも説明してきたように「健やかにたくさん食べる」様子を健康的だと捉えたポジティブな言葉です。

また「好き嫌いをしないでなんでもよく食べる」という意味も含んでいるので褒め言葉にも使われる言葉であります。

以下に「健啖/健啖家」の例文をいくつか挙げたので、自分で言葉の響きを確認しつつ実際に使う際の参考にしてみてください。

「健啖/健啖家」の例文

私の祖父は歳の割に健啖家だ。
実は彼女は驚くほど健啖な女性である。
大した健啖ぶりだと感心する。

「健啖家」と「大食漢」の違い


「大食漢(たいしょくかん)」と「健啖家」はどちらも「大食いな人」を示す言葉ですが、実は2つは異なる意味を持つ言葉です。

「大食漢」は「おおぐらいの男」という意味です。「健啖」と同じように「大食」という言葉で「普通以上にたくさん食べること」を意味していますが、「漢」と言う字は「男子・男性」をあらわす言葉なので、両性どちらにも使える「健啖家」とは異なります。

また、「健啖家」は先ほども述べたように「好き嫌いをせず何でもたくさん食べる人」という意味ですが、「大食漢な人」というのは「好き嫌いもあるがたくさん食べる人」という意味で使われます。

「健啖家」は長生きする?


「健啖家」は長生きするとよく言われます。しかし、大食いの人は肥満気味で病気にかかりやすく「長生きできない」というイメージがあり、実際力士の平均寿命は一般的な男性よりも短くなっています。

これは高カロリーな食生活により高血圧や糖尿病などにかかりやすくなっていることが原因と考えられます。では、このようなリスクの高い大食いの「健啖家」がなぜ「長生きする」と言われるのでしょうか?

厚生労働省の研究班が高齢者を対象におこなった調査では、やせている人よりも太っている人は死亡リスクが低くなっていると報告されています。やせている高齢者は「肺炎」や「骨折」のリスクが高く衰弱しやすいのです。

「健啖家」は、好き嫌いなくなんでもモリモリ食べる人です。栄養バランスの良いエネルギッシュな生活をしています。長生きするのは当然と言えるでしょう。

健啖の類語

健啖の類語と例文

食道楽(くいどうらく)
美味しい料理を食べ、また自分でも料理をし、食す人のことをいいます。
【例文】
「せっかく大阪に転勤になったのだから、食道楽を極めたい。」

 

飽食(ほうしょく)
飽きてしまうくらい、お腹いっぱい食べることをいいます。
【例文】
「彼のあまりの飽食ぶりに、こちらの食欲も勢いを増してきた。」

 

食欲旺盛(しょくよくおうせい)
食欲があり、たくさん食べるさまをいいます。
【例文】
「子供が食欲旺盛なのはとてもよいことだ。」

 

酒豪(しゅごう)
食べ物ではなくお酒をよく飲み、全然酔わない人のことをいいます。
【例文】
酒豪だと豪語する割にはちっとも酒が進んでいない。」

健啖の対義語

cf.
健啖は何でもたくさん食べる人という意味ですが、その対義語として食が細いという言葉もあります。

「食が細い」とは「あまりたくさん食べることが出来ない人」のことをいいます。

他にどのような対義語があるか以下で解説いたします。

健啖の対義語とその例文

小食・少食(しょうしょく)
食べる量が少ないことをいいます。
【例文】
「私の父は体が大きいわりに、小食な人である。」

 

偏食(へんしょく)
好き嫌いともよばれ、食すものに偏りがあるさまをいいます。
【例文】
「彼女の偏食ぶりには恋も冷める。」
舌が肥える(舌がこえる)
食に対して贅沢なことをいいます。
【例文】
舌が肥えているお嬢様になんて物を食べさせようというのですか。」

「健啖」の英語表現

英語

gourmand(健啖家)
【例文】
「He is a gourmand.」(彼は健啖家だ。)
glutton(おおぐらい)
【例文】「You glutton!」(このおおぐらい者め!)
※この言葉は少し非難めいていますので「健啖」とは別のニュアンスを含みますが、「健啖」の英語訳として度々目にします。

健啖のまとめ

健啖(けんたん)は「好き嫌いなく盛んに食うこと。多く食うこと。またはそのような人。」という意味です。使われている漢字の意味からも分かるように「健啖」というのは健康的な大食いのことで、「大食漢」(大食いの男性)と違い、女性にも使うことが出来る言葉です。

また、類語として「飽食」などがあり、好き嫌いばかりすると言う意味の「偏食」とは反対の言葉になります。英語では「gourmand」という単語で表されます。