今回は「溌剌」という言葉について解説します。

溌剌と書くと、日常生活に馴染みのない、難しい言葉のように見えますが、実はよく耳にする言葉なのです。人の様子を表現するために使うので、うまく使いこなせば表現の幅が広がります。

ただ、実際に使うとなると、どう使えばいいのか悩ましいところです。だけでなく、や語源、類義語とともに覚えておくと自然と使いこなせるようになることでしょう。

溌剌の読み方と意味

溌剌は「はつらつ」と読みます。「溌溂」と書くこともありますが、あまり漢字で使われることはありません。

溌剌の意味は「生き生きとして元気な様子」です。子供に使われることが多いですが、大人に対しても「ものごとに取り組む意欲のある様子」というニュアンスになるので、使っても問題はありません。

溌剌を使った言葉

溌剌を使った言葉には下記のようなものがあげられます。

元気溌剌

元気溌剌は非常に元気な状態を表す四字熟語です。炭酸栄養ドリンク「オロナミンC」のCMで、キャッチコピーとして使われたことでも有名です。

オロナミンCには糖分やカフェイン、各種ビタミンなどが配合されています。糖分は体内でブドウ糖に変換されて脳のエネルギー源となり、思考力や集中力を高めます。カフェインには覚醒作用があり、ブドウ糖とセットで摂ると効果がアップするのです。

また、ビタミンのうちではとくに役立っているのが、ビタミンB2とB6です。それぞれ脂質とタンパク質を代謝することでエネルギーを作り出しているのです。ビタミンCもレモン11個分含まれており、免疫力を高めて病気にかかりにくくする効果が期待できます。

このような成分の働きによって、飲んだ人を元気にするという効果を一言で説明するのに、溌溂という言葉はうってつけだったといっても過言ではありません。

溌剌颯爽

溌剌颯爽は四字熟語ではありませんが、元気で生き生きとしているのが一つ一つの行動に表れ、きりっとして勇ましく見えることを表現する言葉です。実業家や思想家として知られている中村天風が考え出したと言われています。

天風は、悩みのない人生はないということを指摘し、多くの人は悩みごとに直面すると苦しむが、「人生に悩みはつきものだ」と理解している人は苦しんだり落ち込んだりせずに克服しようと立ち向かっていくのだと述べています。そうした姿を表現したのが溌剌颯爽です。悩みごとに対して向き合い、克服していこうとする意欲的な姿勢を表現するのに、溌剌という言葉がふさわしかったのだと考えられます。

溌剌の語源

溌剌の語源は、魚がよく飛び跳ねている様子です。元気が良い、生き生きとした人間の様子を魚に例えて、溌剌という言葉を使うようになりました。そのきっかけとなったのが夏目漱石の小説『それから』で、作中で溌剌が使われています。

「溌」には「跳ねる」「水などを注ぐ」という意味があります。注いだ水が跳ねるというイメージの漢字です。一方、「剌」にも「跳ねる」という意味がありますが、もう一つの意味として「背く」という意味もあります。こちらは何かに反発して跳ねるイメージといえます。

溌剌の例文

溌剌の使い方、例文についてです。

「幼稚園では、園児たちが溌剌と遊んでいる。」

溌剌を子供に対して使った例文です。子供たちは元気よくぴょんぴょんと飛び跳ねながら遊ぶ光景がよく見られます。まさに活きの良い魚に似ているといっても過言ではありません。

 

「今年の新入社員も溌剌としていて、会社が明るくなった気がする。」

こちらはビジネスシーンでの例文です。会社で元気がある存在といえば、新入社員をイメージします。新しいスーツに身を包み、元気よく挨拶をする様子を見ていると、先輩社員たちは初心に帰って頑張れることでしょう。

 

「今年の甲子園でも、高校球児たちが溌剌としたプレーを見せている。」

スポーツなどの好きなことをしている人というのは、プロアマを問わず、生き生きとして見えるものです。ワンプレーごとに声を出す威勢のいい様子は「溌溂」と形容するのにふさわしいです。

 

溌剌の類義語

溌剌の類義語には「活きの良い」、「エネルギッシュな」、「意気軒昂」、「明朗快活」などがあげられます。

活きの良い

語源が魚が飛び跳ねる様子ということで、「活きの良い」という言葉も元気のいい人を表現するのに用いられます。とくに若い人に対して使うことが多いです。

エネルギッシュな

エネルギー、すなわち元気や活力に満ち溢れている様子のことをいいます。ちなみにエネルギーやエネルギッシュはではなくドイツ語の言い方で、英語では「エナジー」と言います。

意気軒昂な

元気があり、意欲に満ち溢れている様子を四字熟語では「意気軒昂」といいます。「軒昂」はものごとに勢いがある様子を表す言葉です。意気軒昂の対義語は「意気消沈」です。

明朗快活

こちらも元気な様子を表す四字熟語です。「明朗」は文字どおりほがらかで明るい様子であることを意味します。また、「快活」は元気に溢れて活気のある様子のことを言います。

類義語の例文

先述の類義語を使って例文を作ると、以下のようになります。

「今年のプロ野球は活きの良い若手選手の活躍が目立ち、世代交代の予感すら抱かせるほどだ。」

野球に限らず、スポーツを見る人は長年活躍した選手に敬意を示す一方で、若手の台頭にも期待を寄せています。そんなときに目覚ましい活躍を見せる若手選手が現れたら、見る人はその選手を活きの良い選手だと感じることでしょう。

「私の祖父はとてもエネルギッシュな人で、いろいろな習い事をしている。」

人間は年齢を重ねると、体が動かなくなるなどの理由で次第に活動的ではなくなっていきます。しかし、一部の高齢者は若者に負けないくらい活発に動き回り、「スーパーおじいちゃん」「スーパーおばあちゃん」などと呼ばれるような人までいます。そうした様子を見ていると、「精力的だ」「エネルギッシュだ」と感じてしまうものです。

 

溌剌の英語表現

溌剌の英語表現としては、「energetic」「 alive」「vital」などがあげられます。

「He looks very energetic.
彼はとても溌剌として見える)」

先ほど少し触れたエネルギーを表す英単語「energy」の形容詞形「energetic」は「精力的な」という意味を持っており、溌剌と言い換えられます。

「My mother is alive. It seems like there was a good thing for her.
(母が溌剌としている。何か良いことがあったようだ)

alive」は「生き生きした」という意味で訳されることが多いですが、言いかえれば溌剌と表現することが可能です。

「The president of our company is  vital leader.
うちの社長は溌剌としたリーダーだ)」

vital」という英単語は「活気のある」「生き生きした」という意味があります。名詞形の「vitality」は日本語でもおなじみです。

まとめ この記事のおさらい

  • 「溌剌」とは、生き生きとして元気な様子のこと
  • 溌剌を使った言葉には「元気溌剌」「溌剌颯爽」がある
  • 溌剌の語源は活きの良い魚が飛び跳ねる様子

溌剌は口に出すだけでも元気になれそうな気がする言葉です。また、他人から溌溂としていると言われるのは嬉しいことです。

勉強や仕事、家の用事などで忙しい日々を送っている人はたくさんいます。その中で毎日溌溂とした状態でいるのは難しいものです。一方で、そんな忙しさを物ともせずに元気に動いている人もいます。

元気が出ないという人は、そういう人の生活習慣を真似してみるなど、あやかってみるのも一つの手段です。