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この記事では「杜撰」という言葉について解説していきます。
「杜撰」という言葉の漢字の読み方とその意味について、また、「杜撰」という言葉の由来や使い方についてもふれ、自分が知るだけでなく、この記事を通して人に教えられるようになるでしょう。
杜撰とは|読み方とその意味
杜撰は、「ずさん」と読みます。ずさんな管理体制など言葉にすれば聞き覚えあるかと思いますが、漢字だけですぐに読み方がわかる人は多くないかもしれません。
また、よく「とさん」という読み間違いをされることもありますので注意が必要です。
「杜撰」には以下の2つの意味があります。
1 詩や文章の出所が確かでなく、誤りが多いもの。
2 物事がいいかげん・てぬきのため誤りが多いこと。
また、先ほど「とさん」と読むのは誤りであると説明しましたが、これは「杜」という漢字が元々中国から来た漢字であり、漢音(遣唐使船以後伝わった中国音の読み方)で「ト」と発音することが原因だとされます。(ちなみに日本に来てからの読み方は「呉音」と呼ばれ、その場合は「杜」は「ズ」と読みます。)
杜撰の由来
一説には、「杜撰」の「杜」という漢字は「宋」の時代の中国にいた「杜黙(ともく)」という詩人をあらわしているとされています。
杜黙は、自身の詩を作る際、律(詩の決まった形、ルール)に捉われることなく自由なスタイルで詩を書き続けた人物だといわれています。形式に捉われることなく、新時代の詩を作ろうとした杜黙でしたが、その時代の他の詩人達にはそれが「ルールに反した誤りの多い詩文」と判断されてしまいました。
また、「杜撰」の「撰」という漢字はそのまま詩文を作ることを意味しており、「杜黙の書くようなルールに反した誤りの多い詩文、またはそのような誤りばかりを犯してしまう様そのもの」をあらわす言葉として「杜撰」が生まれたとされています。
杜撰の使い方
「杜撰」という漢字の意味や由来をから分かるように、この言葉は決して良い意味で使われるような言葉ではありません。
たとえば張り切って仕事をし過ぎているなと感じる同僚に向かって「もう少し肩の力を抜いてもいいんじゃない?」と声をかけたいときに、「もう少し杜撰に仕事してもいいんじゃない?」といってしまうと「いい加減な仕事をしなさい」という意味合いが強くなりマイナスな印象を与えてしまいます。
杜撰の例文
「杜撰な経営方針」とは
ニュースではよく「杜撰な経営方針」という言葉を耳にしますが、具体的にはどのような経営方針のことを指すのでしょうか。
「杜撰な経営方針」という語には、
・成り行き経営
など、企業経営に必要な計画・配慮が欠けた状態を指します。
具体的に言うと、「経理の管理がしっかりできているかどうか」に企業の経営方針が現れるようです。
現代は経営環境の変化のスピードが速いため、時代に合わせて経営環境を変化させることも必要です。
自社の業績が悪化している場合には、即座にそれに気づき対応する必要があるでしょう。
業績悪化の原因(客単価や購入数など)を突き止め、それに合わせて会社が一丸となり対策を取ることが大切です。
そのためには経理が信頼でき、すぐに状況を報告、相談してくれる必要があります。信頼できる経理事務所を見つけるか、あるいは自社内で経理を行うと良いでしょう。
自社内で経理を行うと、経理事務所に依頼するためのコストが削減できるというメリットもあります。
「うちの会社、杜撰な経営方針で心配」という人もいるかもしれません。経営者に企業への配慮や計画性がない場合、企業の成長は危ぶまれます。
転職することを考えているならば、会社や社員のために配慮し、利益を上げるために計画性のある経営を行う企業を選びたいですね。
「杜撰な仕事」をしないために
もし上司に「杜撰な仕事をしている」と指摘されたなら、すぐに仕事への姿勢を改めるべきです。
「杜撰な仕事」という言葉には、
・ミスが多い
・確認ができていない
・完成度が低い
・出来が悪い
といった意味が込められています。
仕事に対して力不足というよりは、本当はできるはずなのに、努力ややる気、意識が欠けているゆえに仕事の出来が悪くなっている状態に対して使われることが多いでしょう。
成長するために注意されているというよりは、仕事の取り組み方に対して改善を命じられていると受け取りましょう。杜撰な仕事だと評価されないよう、まずはうっかりミスをなくす必要があります。
うっかりミスは不注意、見落としが原因で起こります。注意力散漫になってしまう原因としては、
・集中できない環境で仕事している
・十分な時間が取れず、確認がおろそかになる
といったものがあるでしょう。
寝不足や疲れが溜まった状態で仕事するのを避けるために、睡眠時間を十分にとるようにします。デスクでのおしゃべりを避け、仕事中は作業に集中しましょう。
仕事をタスク化し、それぞれの仕事にかかる時間を把握することで、計画的に仕事をするとともに、できない仕事を抱え込むことを防げます。
杜撰の英語表現
「杜撰」という言葉の意味は「誤りが多い、根拠がない、いい加減、だらしのない」などですが、英語でも同じ表現が出来る言葉がいくつかあります。
たとえば日本語でも小さな間違いが多いことを「ケアレスミスが多い」といいますが、「careless」という言葉で「だらしのない、いい加減な」という意味をあらわすことが出来ます。
【例文】
「My father has a sloppy character」
私の父にはだらしのないところがある。
【例文】
「You were careless to lose my wallet.」
私の財布を無くすなんてなんて不注意な奴だ。
【例文】
「He’s rough of works. 」
彼は仕事が雑だ。
杜撰の類語と対義語
類語の例文
とりあつかうものが雑で投げやりなことをいいます。
【例文】
届いたばかりの荷物をぞんざいに扱われた。
性格・素行が乱暴な様をいいます。
【例文】
彼には粗暴なところがまるでない。
いい加減ででたらめなことです。
【例文】
与太話ばかり聞かされてうんざりする。
対義語の例文
仕事などが非常に細かい点にまでこだわり注意深く行われていることをいいます。。
【例文】
「精密な機械だから扱いには注意するように。」
すみずみまで注意が行き届いており、落ち度が無い有様をいいます。
【例文】
「この実験の成功は周到な研究の成果であると言える。」
仕事のやりかた、立ち居振る舞いが雑でなく、念入りなことです。
【例文】
「彼女の丁寧な言葉遣いを見習いたいものだ。」
まとめ 杜撰についてのおさらい
杜撰(ずさん)には物事がいい加減で、誤りが多いことの意味があります。
この言葉の由来は、昔の中国の詩人である「杜黙(ともく)」という人物で、ルールに囚われないオリジナルなスタイルで詩を作ったことが、「規則に合わない、いい加減な詩である」と評価されたことから来ているのだと言われています。
「杜撰」は良い意味で使われることはほぼありません。物事が極めて乱暴、雑過ぎるという場合にのみ使うことができる言葉です。
英語では「sloppy」と表現するのが一般的で、「だらしのない」とか「ぞんざい」という類語で表現する場合もあります。さらに、「杜撰」の対義語には「綿密」とか「丁寧」という言葉があり、それらの対義語と比較してみることで「杜撰」という言葉のニュアンスをより把握しやすくなります。