「なので・だから・ですので」は敬語ではない?ビジネスでの正しい言葉使い

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ビジネスの場では敬語などの丁寧な言葉遣いが求められます。しかし、こちらは正しい表現だと思って使った言葉でも実は間違っていたなどということもありえます。

例えば「なので」「だから」という言葉があります。これらの言葉は良く使われる言葉ではありますが、どんな場面でも使える言葉という訳ではありません。今回は正しい使い方について見ていきたいと思います。

「なので」はビジネスシーンでは使わない

「外は雨が降っているようなので傘をお持ちしました。」一見「気の利く人間だな」と思われる表現ですが、これは正しい敬語であるとは言えません。

原因や理由を説明するために使う「なので」という言葉。使い勝手の良いとても便利な言葉ですが細かく見てみると、断定を表す「だ」+「ので」からできている言葉となります。そこには敬意を示す表現は含まれていないので、上司に「なので」と使うのは避けたほうが良いでしょう。

ただし、日本語として間違っているという訳ではないので、同僚や後輩には使っても全く問題はありません。

目上の人には「なので」の丁寧な表現「ですので」を使おう

例えば「外は雨が降っているようだ」を丁寧な表現で表すならば「外は雨が降っているようです」と使いますよね。同じように考えますと「なので」を上司に使う場合は「ですので」と使ったほうが良いでしょう。

前項の例でいえば「外は雨が降っているようですので傘をお持ちしました」と使ったほうが適切となります。

「だから」もビジネスシーンでは使わない

「外は雨が降っているようです。だから傘をお持ちしました」。こちらも違和感を感じてしまいますよね。丁寧な表現をするならば「だから」は使わないようにしましょう。

「だから」は間違いの指摘や注意の場面で使われることのある言葉です。例えば「だから言っただろう」のように、こちらが責められている印象を抱かせてしまうような響きを持つ言葉です

「だから」の丁寧な表現は「ですから」

ビジネスシーンでは、「だから」ではなく丁寧な表現の「ですから」を使うのがいいでしょう。

目上の人には「ですから」と使ったほうが良いでしょう。「なので」と同様、日本語して「だから」は間違いではありません。ですから、ビジネスシーンでも同僚や目下の人との会話、また日常生活では使っても問題ないでしょう。

「なので(ですので)」と「だから(ですから)」の違い

「なので(ですので)」、「だから(ですから)」はどちらも原因や理由を表す言葉であり、ほぼ同じような意味で使われていますが、この2つには若干のニュアンスの違いがあります。

「雨だから傘が必要だ」のように「だから」を使った場合は断定を表す気持ちが強く感じ取れます。一方「雨なので傘が必要だ」のように「なので」を使った場合は状況の説明を強調していますので、「だから」と比べて柔らかい表現と感じ取ることができます。

「ですので」「ですから」の使い方と例文集

○○君はまだまだ入社2年目ですので、そのプロジェクトには少し早いように感じます。
バスが到着しているようですのでお急ぎください。
少々立て込んでいるようですのでもうしばらくお待ちください。
こちらは立ち入り禁止ですからお引き取り下さい。
頂上まであと少しですからそこで昼食を取りましょう。
外出は危険ですから私もお供します。

このように、自分が言いたいことの原因や理由を表す場面で「~ですので」「~ですから」と使います。これらの例文の「ですので」と「ですから」を入れ替えても意味はほとんど変わりませんが、前章でも触れたとおり「ですから」のほうが断定を表す気持ちが強く感じますし「ですので」は柔らかく感じます。

ただし、「なので」「ですので」は文法上接続詞ではないとされています。そのため、文章の先頭にこの言葉を置くと間違った使い方となってしまいます。

例えば「外は雨が降っているようです。ですので傘をお持ちしました」との使い方は文法上正しくありません。「外は雨が降っているようですので傘をお持ちしました」のように文中で使う言葉となりますので注意が必要です。

「ですので」と「そのため」の違い

「ですので」と「そのため」は意味は同じですが、使い方が違います。「ですので」は文章と文章をつなぐ言葉、「そのため」は句点(。)で区切られた前の分を受けて、後半の文の文頭で使われる言葉です。

「ですので」は話し言葉で、「そのため」は書き言葉とされています。
ビジネスシーンの正式な書類や履歴書などでは、「ですので」は「そのため」や「したがって」、「ゆえに」などと置き換えるのがいいでしょう。

「ですので」の英語表現

一般的には「ですので」の英語表現として、”so”や”because”があがるでしょう。しかし、これらはややカジュアルな表現で、会話で使われることが多いでしょう。
ビジネスシーンのより丁寧な「ですので」は、”therefore”、”since”、”as”を使うのがおすすめです。

○○君はまだまだ入社2年目ですので、そのプロジェクトには少し早いように感じます。
It is too early to join the project for him since this year is only his 2nd year here.

「なので・だから・ですので」のまとめ

「なので」「だから」について使われるべき場面やそれぞれの違いについて進めてきました。どちらも原因や理由を表す場面で見かけ、それぞれ良く使われる言葉ではありますが、敬意の意味を含む表現という訳ではないので目上の人に使う場合には「ですので」「ですから」と丁寧な表現をするように心がけましょう。

また、便利な言葉ですのでついつい接続詞として「なので」「ですので」を使ってしまうこともありますが、文法上間違いである点には注意が必要となります。

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