僥倖(ぎょうこう)は、気軽な日常会話では登場しませんが、かしこまったビジネスシーンや、テレビ番組などで耳にする事もあるでしょう。

この記事では、僥倖は一体どんなを持つ言葉なのか、どんな場面でどのように使えばよいのかを解説いたします。

僥倖の意味は思いがけない


僥倖とは、思いがけない幸いや、偶然得た幸運、幸運を願って待つことを意味する言葉です。

僥倖は、まったく予想していなかった幸せな出来事をあらわす言葉であるため、日ごろの小さな幸運な出来事や、予想出来てしまう幸運に使うのには適さない表現です。

僥倖の「僥」は「求めることや願うこと」を意味する言葉です。にんべんを取った堯には「気高い、この上なく高い」といった意味もあり、「僥」にも「この上なく高いものを求め願う」という意味があります。

「倖」は一字で、幸せや、思いもよらぬ幸運を意味しています。通常の「幸」よりも予期せぬ幸運をあらわす際に使われます。

かたい響きの言葉というだけでなく、僥倖を使うような場面自体が大変珍しくそう頻繁に起きることではないため、多用されない言葉です。

僥倖の使い方には二通りある

ずつ
僥倖を使う場面には以下の2通りがあります。

一つは、想像していなかった大きな幸運に巡り合せたときに、驚きや感動の入り混じったような喜びをあらわすケースです。想像も出来ないよいできごとがあってから、「これは僥倖であった」「なんたる僥倖だろう」などというように、幸せを噛みしめるときに使います。

もう一つは、幸運が訪れてくれることを願う場面です。「僥倖あれ!」「この件に関しては僥倖頼みです」などというように使います。

どちらの意味でも、使うシチュエーションはビジネスシーンでの会議中であったり、企業が記者会見を開いたり、有名人があらたまったコメントをするときなどに使われることが多いです。

僥倖の例文

冥利に尽きる
以下では、僥倖を「思いがけない幸せな出来事」という意味で使った場合の例文を解説します。

あまりよくない財務状況のわが社に融資してくれる銀行があるとは、なんたる僥倖だろう。
競技に初出場の自分が世界王者に勝利できたのは全くの僥倖でした。
今回のような場面で名案が浮かんだのは僥倖としかいいようがない。

以下では、僥倖を「思いがけない幸運を願うこと」という意味で使った場合の例文を解説します。

この問題に関しては出来ることがありません。僥倖頼みです。
掘り出し物で一攫千金があるかもしれないと、僥倖を期待して骨董品屋巡りをしています。
行動せずに僥倖を待っているだけでは時間を無駄にしてしまいますよ。

どの文章も少しかたい雰囲気になりがちですが、ビジネスで目上の人やお客様との交わす会話では「よいことがあればよいですね」より「僥倖に期待したいですね」といった方が言葉づかいのしっかりした人とい印象を与えることが出来ます。

僥倖の類義語

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僥倖の類義語には以下のような言葉があります。

幸運
ラッキー
好機
棚から牡丹餅(たなぼた)
奇跡
儲け物
御の字
零れ幸い
神頼み

上記の類義語を使って僥倖をいい換えた例文は以下の通りです。

この試験に一夜漬けで合格したのは全くの僥倖だった。
この試験に一夜漬けで合格したのは全くのラッキーだった。
僥倖を期待して一枚だけ宝くじを買った。
神頼みで一枚だけ宝くじを買った。
あの大事故であなた一人だけ無事だったとは僥倖でしたね。
あの大事故であなた一人だけ無事だったとは幸運でしたね。

同じ意味でも、僥倖を使った方が締まった印象になります。例として、僥倖をラッキーといい換えると意味は同じであれ、軽い印象に変わってしまいます。

場面や事の大きさによっての使い分けが必要です。

僥倖の対義語

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僥倖の対義語には、「災難」「災厄」「奇禍」「難儀」などがあります。

「災難」や「災厄」には、「思いがけず身にふりかかる不幸な出来事」という意味があり、僥倖と正反対の言葉です。
また「奇禍(きか)」にも「思いがけない災難」という意味が、「難儀」には困難や面倒、苦労することや貧乏という意味があります。

すべて不幸な出来事や災いに見舞われる言葉で、思いがけず起こったことで苦労を経験する様を指しています。

僥倖の同音異義語

僥倖の同音異義語には、「行幸」があります。

行幸は、天皇が外出すること、お出ましを指す語で、「ぎょうこう」または「みゆき」と読みます。
天皇が外出する際に目的地が複数ある時には「巡行(じゅんこう)」と言います。

また天皇以外の上皇、法皇、女院が外出する時には、「御幸(ごこう、ぎょこう、みゆき)」という言葉が用いられます。

ビジネスで「僥倖するのみ」は正しいか

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僥倖という言葉はビジネスにおいて、
「あとは僥倖するのみです」「僥倖するしかありません」
というように使われることもあります。

この場合、「あとは幸運が訪れるのを待つのみだ」「神に頼むしかない」
といった意味合いが込められており、もう手を尽くした状態の時に使われる言葉です。

この言い回しは、自分の側では本当にベストを尽くしており、次の手は思いつかない、という状況の時のみに使うことができます。軽はずみに使用すると、「努力せずに偶然成功したいと思っている人」と思われてしまうかもしれません。

努力をした最後に幸運を願うのは間違っていませんが、現実逃避をしないように気をつけましょう。結果がどうなるかは、大部分が運よりも自分の努力にかかっています。

「僥倖」には宝くじに当たるような幸運が訪れる、という意味合いがあります。常に僥倖を願っていると、楽をして一攫千金したいという気持ちが芽生えてしまい、日々の努力の積み重ねを面倒に感じてしまうでしょう。

幸運を願う前には、損得勘定を抜きにして日々努力することが大切です。今日行う仕事が将来に繋がることを考え、地道に与えられた仕事をこなしましょう。

一攫千金を狙う人ほど、幸運があった時に「周りの人のおかげ」と思えず、感謝心が薄い傾向があります。周りの人への感謝心があれば、良いことが起こった時にも自分だけでなく周りの人の手柄と考え、感謝を表すことができます。そうすることで、より人間関係も良くなり、仕事がしやすくなるでしょう。

僥倖の表現

瓦解
英語では僥倖をどう表現するのかを解説します。まったく同じ意味の英語表現はありませんが、幸運という意味では以下のような単語に置き換えることができます。

僥倖の英語表現
chance
luck / lucky / luckily
good fortune / fortunately / fortunate

ラッキーやチャンスは日本語のように使われている言葉です。ラッキーは日本語でも英語でもほぼ同じ意味の言葉として使われています。単語のluck = 運も、Good luck! = 幸運を!のように普段使いされている英語の一つです。

一方で、チャンスは日本語で「好機=物事をするのにちょうどよい機会」という意味で使われています。「このチャンスを逃すわけにはいかない。」「形勢逆転のチャンスだ。」など、物事がよい方向に進む可能性があるときに使われます。

英語ではチャンスの意味に幅があり、同じ好機という意味でも使われていますが「偶然に起きたよい出来事」という意味でもよく使われます。

It was pure chance that I succeed my business.
全くの僥倖でビジネスに成功しました.
Don’t trust to chance.
僥倖頼みにするな。
My rapid promotion was due to luck.
私の早い昇進は僥倖でした。
Luckily (Fortunately) he was not involved in the earthquake because he was out for business trip.
出張に出ていたため、僥倖にも彼は地震に巻き込まれなかった。

僥倖についてのまとめ

  • 僥倖は「ぎょうこう」と読みます。
  • 僥倖の意味は2つあり、「思いがない幸運」「思いがない幸運を願うこと」があります。
  • かしこまったシチュエーションで使われます。
  • 他の表現には、幸運・ラッキー・棚から牡丹餅などがあります。