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お祝いの席を飾る乾杯の挨拶は、その会や式の始まりを告げる大切な儀式でもあり、これからの会や式の進行に影響すると言っても過言ではありません。
もしも、乾杯の挨拶を頼まれた時でも、スマートかつ適切、そして周りの人へ好感触となる挨拶が行えれば、ビジネスマンとしては一人前であると考えても良いでしょう。
ここでは、式や会など状況別の乾杯の挨拶のポイントや例文についてまとめてあります。
社会人がおさえるべき乾杯の挨拶でのポイント
乾杯の音頭だけか、挨拶もすべきか
乾杯の挨拶を頼まれた時には、乾杯の音頭のみか、それともスピーチなのかを確認しておきましょう。
特に、結婚式や披露宴などの際には、乾杯の音頭を取る人と、挨拶をする人が分かれている事があります。乾杯の挨拶をお願いされた時には、自分が依頼された乾杯における役割について、きちんと依頼を受けた際に確認しましょう。
乾杯の挨拶は長くなり過ぎない
せっかくの良い乾杯の挨拶でも、長くなってしまっては台無しとなってしまいます。特に乾杯の挨拶は、周囲の人は皆グラスを持ったまま聞く事が多いので、長時間の挨拶ではグラスの構えが負担となり、思わずグラスを置いてしまう人も多くなります。
そして、長い挨拶は時間を取る事となるので、会や式の進行の妨げともなります。
人が退屈と感じないスピーチの長さは、約30秒から1分間と言われています。この長さに収まる乾杯の挨拶を考えておきましょう。
乾杯の挨拶は明るく大きな声で
乾杯の挨拶は会のスタートを飾る役割です。「皆さん楽しく盛り上がりましょう」という気持ちを込めて、明るく大きな声で挨拶することを心がけましょう。特に「乾杯!」の掛け声は、顔を上げ、背筋を伸ばして大きく声を張りましょう。
話し方でもう一つ気をつけたいがスピードです。自信が無かったり緊張していると早口になりがちなので、間を取りながらゆっくり話すようにします。自分ではゆっくり過ぎると感じるくらいが聞いているほうにはちょうどよく感じます。
乾杯の挨拶の流れ
乾杯の挨拶役に指名されたらどのような流れで行動すればよいのかを覚えておきましょう。
立ち上がって一礼する
はじめに司会者が乾杯の挨拶をする人を紹介します。「それでは乾杯の挨拶を〇〇さんにお願いしたいと思います。」のように紹介されたら、立ち上がって参加者に向けて一礼します。
会場が広いときや司会者から「〇〇さん、前にお願いします。」のように言われた場合には、会場の前の位置まで進み一礼します。
自己紹介する
挨拶の始めにまず簡単な自己紹介しをします。「ご指名をいただきました〇〇部の〇〇です。」のような簡単なもので構いません。
また、自分の名前に続けて、あらたまった会では「大変僣越ではございますが乾杯の音頭を取らせて頂きます」、あまりかしこまる必要がないシーンでは「今日はこのような素敵な集まりにお声がけいただき、ありがとうございます」などと続けてもよいでしょう。
短めにスピーチをする
乾杯の音頭だけでなくスピーチも頼まれているときには、自己紹介に続いて話します。長くなり過ぎないように注意しましょう。
乾杯の音頭をとる
乾杯の音頭を取る前に、参加者を見渡して飲み物がいきわたっているかを確認しましょう。挨拶の間にグラスをテーブルに置いてしまっている人がいれば「それでは皆さま、お手元にグラスをご用意ください」のように声をかけます。
「乾杯!」の掛け声は明るく大きく発声しましょう。
最後に一礼する
最後は「ありがとうございました。」と一礼をして締めましょう。
新年会・忘年会での乾杯の挨拶例文
新年会での乾杯の例文
皆さん、明けましておめでとうございます。(※1)今年は晴れ着美人のお姿も多く、この会が華やかになりそうで、私も浮足立っております。(※2)
さて、今年はわが社の創立〇〇周年の節目の年となっております。(※3)
今年の元気の良いスタートとして、皆様とともに杯を交わし、決意を新たにして参りたいと思います。
それでは乾杯の音頭を取らせていただきますので、ご唱和をお願いします。
新しい年が、わが〇〇株式会社にとりまして良い年となりますよう祈念いたしまして、乾杯!
※1:新年の挨拶を入れる
※2:新年会を盛り上げる為、多少のユーモアを挨拶に取り入れてもOK。
※3:特別な年の場合、その文言を挨拶に入れる。
忘年会での乾杯の例文
皆様、この一年本当にお疲れさまでした。(※1)
今年も皆様の努力により、当社は昨年を上回る業績を上げ、〇年連続で予算を達成する事ができました。(※2)
今日は一年をねぎらい、思い切り楽しみましょう。
それでは乾杯の音頭を取らせていただきますので、皆様ご唱和をお願いします。
皆さん、今年一年お疲れ様でした、乾杯!
※1:一年の締めとして、集まってくれた人へねぎらいや感謝の言葉から始める
※2:一年で達成できた業績や目標などを挨拶へ取り入れる
送別会・歓迎会・懇親会での乾杯の挨拶例文
送別会での乾杯の例文
〇〇部長からは、私が新卒で入社した時から、営業マンとしての基礎をしっかり叩き込まれました。ひとつひとつを丁寧に教えて下さる〇〇部長のご指導があったこそ、営業畑が初めてだった私も安心して日々の業務をこなす事ができました。今日の私は〇〇部長がいらっしゃったからこそと、深く感謝しております。(※1)
今日で部長は会社を去られますが、次のお勤め先でもますますお元気でご活躍されることと思います。(※2)
それでは、今後一層のご活躍をお祈りしまして、乾杯いたします。〇〇部長、たいへんお世話になりました!乾杯!
※1:送別の対象となっている人への感謝の気持ちや、人となるの分かるエピソードを盛り込んだ挨拶にすると良い
※2:転職ではなく、退職や引退の場合には、「また、今後は趣味のゴルフを奥様と一緒に楽しまれるそうです。長い間の勤務疲れをぜひリフレッシュしていただきたいと思っております」など、今後の人生が明るい物である気持ちを込めた挨拶に代える。
歓迎会での乾杯の例文
平成〇〇年度入社で人事部の△△と申します。(※2)皆さんとは研修で顔を合わせる機会も多いと思います。どうぞ宜しくお願いします。
それでは乾杯の音頭を取らせていただきますので、ご唱和をお願いします。
平成〇〇年度新入社員の皆さんのご活躍、ならびにわが〇〇株式会社の更なる発展を祈念致しまして、乾杯!
※1:人数が少ない場合には「山田さん、佐藤さん」など個人名で呼びかけても良い。
※2:「皆さんよりも〇年先輩の~」など、自分の入社年度が分かる自己紹介を取り入れる。
懇親会での乾杯の例文
おかげさまで今年も「〇〇会」を盛会裏に終えることができ(※2)、心より御礼申し上げます。
それでは乾杯の音頭を取らせて頂きますので、皆様ご唱和をお願いします。
〇〇商事への一層のお力添えと、本日お集りの皆様のご健勝とご活躍を祈念致しまして、乾杯!
※1:集まった人への日ごろの感謝の気持ちを挨拶に込める。
※2:懇親会の趣旨や目的も挨拶の中に取り入れる。
結婚式での乾杯の挨拶には、2つのポイントを押さえよう
乾杯の挨拶では「忌み言葉」を避ける
結婚式では、別れや再婚を連想させる言葉は「忌み言葉」として避けられます。
以下の言葉は絶対に使用しないようにしましょう。
別れる、切れる、欠ける、割れる、離れる、去る、終わる、戻る、戻す、冷える、冷める、帰る、飽きる、など。
重ね重ね、たびたび、しばしば、かえすがえす、 など。
長く挨拶する場合には、来賓に着席を促す
乾杯の挨拶の前の、主賓の挨拶が短かった時には、結婚式の乾杯の挨拶を長めにする事があります。その際には、出席者にはいったん着席してもらった方が良いので、冒頭に着席を促す言葉を入れましょう。
結婚式での乾杯の挨拶例文
できれば皆様にお許しを頂きまして新郎新婦にお祝いを述べたいので、恐縮ながら、ご臨席の皆様には合図をするまでご着席いただき、少しだけお時間を頂戴したいと存じます。どうか皆様ご着席下さい。(※1)
太郎君、花子さん、結婚おめでとうございます。(※2)
太郎君とは彼が入社して以来のつきあいとなりますが、彼が花子さんを紹介してくれてからは、一緒にキャンプや野球観戦をし、家族ぐるみのお付き合いをしております。
数カ月前に彼がようやくプロポーズしたと聞いて一番喜んだのは私の家族かもしれません。二人は本当にお似合いの素敵なご夫婦だと思います。今後ともぜひ変わらぬお付き合いをお願いします。(※3)
それでは乾杯の音頭を取らせて頂きますので、皆様ご唱和をお願いします。
お二人の末永いお幸せをお祈りいたしまして、(※4)乾杯!
※1:挨拶が長くなる時の着席の挨拶を入れる時には、冒頭に入れる。
※2:祝福の言葉から始める。
※3:新郎・新婦とのエピソードを盛り込む。
※4:幸せを祈る言葉で締める。
落成式・創業記念式などの記念式典での乾杯の挨拶例文
本日はお忙しいところ、弊社の新社屋落成祝賀会(創業記念式)へご臨席いただきましたこと、心より厚く御礼申し上げます。(※1)
先ほど弊社代表取締役の△△が申しましたように、弊社も今年で創立××周年を迎えます。(※2)
この度、その創立記念の一環として、新社屋が完成したわけでございますが、これは、ひとえに本日お集まりいただきました皆様の温かいご指導ご鞭撻、ご協力のお陰だと深く肝に命じております。
社員一同を代表して、あらためてこの場にてお礼を申し上げます。(※3)
今後はますます気を引き締めて、社内一丸となって精進して参りますので、何卒これまで以上に、皆様よろしくお願い申し上げます。
それでは、乾杯の発声をさせていただきます。皆様、大きな声でご唱和ください。
乾杯!どうもありがとうございました。
※1:集まった人への感謝を述べる。
※2:先に挨拶をした人の中に重要な項目があれば、挨拶に引用しても良い。
※3:今までの周りの人の協力への感謝も入れる。
乾杯の挨拶のおさらい
・挨拶は長すぎず、簡潔にまとめる
・挨拶は明るく大きな声で、早口にならないように注意する
・会の場合は趣旨、集まった人への感謝の気持ちを込める
・結婚式は忌み言葉を避ける
ポイントを押さえて、適切でスマートな乾杯の挨拶ができるようにしましょう。