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依頼したことをすぐに準備してもらったとき、「迅速に手配していただいて…」とお礼を言うことがあります。
この表現を丁寧に書くと、「ご手配いただいて」、「お手配いただいて」、「ご手配くださり」、「お手配くださり」などいろいろな言い方が考えられます。
ここでは「手配」という言葉について解説します。迷ってしまうという方はぜひ参考にしてみてください。
手配の意味
まずは「手配」の意味から確認していきます。
・人員を配置して準備すること(手配り)
・車など、ものを準備すること
・犯人逮捕のため、必要な指令や処置をすること
手配の使い方
前述の意味は大きく分けると2つです。どんなタイミングで使うのか例文を含め、みていきます。
例)ハイヤーを手配する。名刺を手配する。航空券は手配済みです。
例)指名手配
「ご手配」と「お手配」の違い
「ご手配」と「お手配」はどちらが正しい敬語なのか?
接頭語「ご」や「お」をつけると、謙譲語表現、尊敬語表現となるものがあります。(お断り、ご説明など)ここで迷ってしまうのが「ご手配」「お手配」のどちらを使えばよいかという点です。
「ご」と「お」の違いをチェックしてみましょう。
・訓読みする言葉(和語)→「お」
例)お名前、お手紙、お荷物、お米、お酒、お水、お肉
・音読みする言葉(漢語)→「ご」
例)ご用心、ご立派、ご主人、ご理解、ご意見、ご卒業
・和語なのに「ご」が付く場合
例)ごゆっくり、ごもっとも
・漢語なのに「お」が付く場合
例)お食事、お散歩、お掃除
・「ご」と「お」両方使える場合
例)お返事/ご返事、お病気/ご病気、お勉強/ご勉強
では、「手配」という言葉には「ご」と「お」のどちらがつくのでしょうか。
「手配」は「てはい」と読み、「訓読み+音読み」です。原則に従うと、「ご」でも「お」でも間違いではありません。
ただし、「ご手配」と「お手配」では意味が少し異なるので、場面によって使い分けされているようです。
「ご手配」と「お手配」の正しい使い方
実際に、どのように使い分けされているのか考えてみます。
「手配」という言葉の場合、気をつけなければならないのは「お手配」の「お」の使い方です。
接頭語の「お」には尊敬やへりくだるための用法以外に、美化語としての「お」があります。
美化語とは、お茶、お酒など物事をを丁寧に表現し上品にするためのものです。お稽古や、お買い物など言葉によっては女性的なやわらかい印象をあたえる場合もあるでしょう。また、おトイレやおズボンなど幼児を相手にする丁寧な言い回しも美化語に含まれます。
「お手配」の「お」はこの美化語になります。
対して「ご手配」の「ご」は尊敬や謙譲のため接頭語です。
したがって、「ご手配」と「お手配」の正しい使い方は以下の通りです。
・お手配:緊急性がなく、急かす必要のない場合、お手配を使用する。
ビジネスシーンで「ご手配」「お手配」どちらか悩んだ場合は「ご手配」を使用しましょう。
「ご手配」と「お手配」の例文
上司が自分のチケットも一緒に用意してくれたことに対する感謝の意を伝えられます。
先方に物を注文するとき、「手配をお願いします」の意味で「ご手配のほどお願いいたします」と使います。
物を受け取ったときのお礼を丁寧に伝えるときに使う表現です。
参考記事:ビジネスにおける「早速」の意味と類語 迅速,早々,取り急ぎとの違い
社内で自分よりも肩書きが上の人に何かを準備してもらったとき、「ご手配いただいて」というフレーズを使うことができます。「ご手配くださり」と表現すれば、さらに敬意を高められます。
社内に向けて急ぎでない場合「お手配」のほうが柔らかい印象を与えることができるでしょう。
1週間後の北海道出張への旅券がまだ手元にございません。早急にをご手配くださいますようよろしくお願いいたします。
早急に連絡が欲しい場合は「お手配」ではなく「ご手配」としましょう。
「ご手配」と「お手配」についてのまとめ
「ご手配」と「お手配」、どちらも間違いではないのですが、ビジネスシーンでは「ご手配」を使用すれば間違いないでしょう。
また「手配」のあとに続く、「ご手配いただく(謙譲表現)」と「ご手配くださる(尊敬表現)」この使い分けにも気を配れるとさらにビジネスマンとしてスキルアップできるでしょう。
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