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「問題提起」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。ビジネスの場では、しばしば使われることがあります。
今回はこの「問題提起」について解説していきます。
「問題提起」の意味を理解して、ビジネスシーンで活用していきましょう。
「問題提起」とはそもそもなにか
問題提起の一般的な意味として、問題や課題を解決すべき事項として投げ掛けること。議論を行うためのたたき台として、疑問を投じること。といわれています。
いま問題であると考えることを問題として投げかけることさしています。言われたことをその手順通りに行ったり、ある課題に対しての最適な解決策を見つけたりすることは、どんどんAIなどの機械がするようになっていきます。
現状を見て、問題を見つけて、それを投げかける、というのは、今後重要な力になるといえるでしょう。
「問題定義」との違い
また、似た言葉に「問題定義」という言葉があります。
問題定義は問題を定義すること、解決すべき課題を明確に設定すること、といった意味があります。
問題提起は、問題を投げかけること、問題定義は、ある問題をきちんと解決すべき課題として設定することになります。
「定義」と「提起」の意味の違いを見ると、よりわかりやすくなります。
「定義」:ある概念内容・語義や処理手続をはっきりと定めること
おのずと「問題提起」と「問題定義」の意味の違いがわかるでしょう。
「問題提起」の使い方や例文
「問題提起」は、より良い解決策を導くための論理的な道筋です。そのためには、どのような問題提起をおこなうかが大切なポイントになります。多くの人々の反感を買ったり、誰もが納得したりするような問題提起は意味がありません。
従来常識と思われていることに対する疑問や賛否がわかれるような問題提起が効果的です。例えば、「社内ミーティングは必要なのか?」「カジノは町おこしになるのか?」のような内容ならさまざまな意見が導かれるでしょう。
「問題提起」を使った例文には以下のようなものがあります。
- 売り上げ拡大のためにも、いくつか問題提起させていただきます。
- 今回の問題提起は、A社との提携に関するものです。
- 会議が長引いた原因は、部長からの問題提起があったからです。
「問題提起」の類語
「問題提起」の類語には、疑問を投げかける、課題の提示などがあります。
様々な表現方法があるので効果的に使用しましょう。
「問題提起」の英語表現
「問題提起」の英語表現には以下のようなものがあります。
また、「問題を提起する」という英語表現もあります。
問題提起する際に解決策は必要か
仕事をしていて、数年経験してくると、「このやり方は本当にいちばん良いやり方なのか」、「他部署との連携はこれではいけないんじゃないか」など、漠然とでも違和感をおぼえたり、このままではいけないんじゃないかと疑問に思ったりすることがあると思います。
こんなとき「これは問題なんじゃないか」と周りに投げかけるのが、問題提起です。このとき、「問題なんじゃないか」と言うだけではなく、「問題なので、このように解決したい」と解決策まで提示する必要はあるのでしょうか。
もちろん、解決策まで提案できるのが一番よいです。しかし、「問題提起」というのは、あくまで問題を投げかけることです。問題を提起するだけでも十分に価値があります。
自分が問題だなあ、と思っても、奥に潜んでいる根深い問題などは自分だけでは解決策までわからないこともたくさんあると思います。でも、問題だと自分が提起することで周りとそれを共有することができます。
共有すれば、自分以上に色々なことを知っている先輩から、解決策を教えてもらえるかもしれません。
そのため、まずは、問題を提起することが第一歩。解決策はそのあとについてきます。
問題提起するときの注意点
問題提起するときに気をつけたいのは、問題を提起することが相手に批判と取られないことです。
「ここが問題では」と投げかけることは、すなわち現状では問題があるということになります。現状をつくりあげてきた人にとっては、批判されている、と取られてしまうこともあります。
「ここを改善すればもっとよくなるのでは」、「システムも進化してきたので、今のやり方よりもっと良いやり方があるのではないか」、「解決策まではまだ調べきれていませんが、ここはもっと改善する必要があると思う」などと、言い方には十分に注意しましょう。
問題提起されたときの注意点
また、部下などから問題を提起されたときには、無下にしないようにしましょう。
部下が問題を提起してくるときは勇気を持って言ってきていることが多いです。
また、無下にしてしまうと、「どうせ問題を言っても聞いてもらえないなら、言わないで言われたことだけをきちんとこなしていたほうが評価も上がるし良いのでは」と思い、結局指示待ち人間を作ってしまうことにも繋がりかねません。
部下が解決策まで考えられる力がある場合には、問題を提起してきてくれたことをまずは認め、さらに「解決するにはどうしたら良いか考えてみてくれないか」などと、解決策を考えるよう促しましょう。
また、漠然とした問題提起がされた場合、漠然としていることで、解決策にうまく結びつかないことが往々にしてあります。
漠然とした問題は、具体例を検討するなどして、解決すべき問題をしっかりとつかめるようにしましょう。
問題提起に関するおさらい
問題提起に関するおさらいは以下の通りとなります。
- 問題提起は問題を投げかけること
- 「問題提起」とよく間違われる「問題定義」という言葉は、問題を解決すべき課題として設定すること
- 問題提起したことを、いざしっかりと解決しようとした時に、解決すべき対象をしっかりと設定することが、問題定義
- 問題提起する際には、解決策も一緒に提案できるのが一番ですが、解決策まで考えることができなくても、まずは問題を提起して、周りと共有するだけでも十分に価値がある
- 周りと共有することで、誰かが解決策を提案してくれるかもしれませんし、もしかしたらそれは問題ではなかった、ということもある
- ただし、問題提起するときは言い方も大切
- 問題提起は現状では不備があることと思うことに対して行われるため、現状への批判と受け取られてしまうこともある
- また、部下から問題提起を受けた場合、無下にしないことも大切
- 一度無下にしてしまうと、その部下は二度と問題を提起せず、言われたことだけをやる指示待ち人間になってしまうかもしれない
- これからの社会では指示待ちではなく、自ら問題を見つけて「問題提起」し、解決する力が求められる