「可否」とは?意味や「是非」などの類語との違いを解説

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ビジネスメールなどで使うことが多い「可否」「是非」「要否」という言葉ですが、正しい意味を理解していないと、ふとしたときに正しい使い方なのかわからなくなることがあります。

ここでは、頻繫に見聞きする「可否」の意味と「是非」「要否」との違い、「可否」の使い方・例文、英語表現を解説します。ここで正しい意味を学ぶことで、ビジネスメールでも間違いがなく使い回せるようになります。

可否とは?

可否の読み方や意味

「可否」は「かひ」と読み、「よしあし」という意味です。文脈によっては、賛成か反対かをあらわす「賛否」と同じ意味として使われることもあります。

可否と類語との違い

「可否」と「是非」「要否」との違い

可否の類語に、「是非(ぜひ)」「要否(ようひ)」があるでしょう。

「是非」もよしあしの意味ですが、「非」が使われていることから、正しいか正しくないかの意味があります。要求や依頼をするときの文頭に使われる「是非」は、強調の意味で使われています。

「是非を問う」とすると、正しいか正しくないかを問題にしている意味をあらわし、「是非お願いします」とすると、お願い・依頼を強調する言葉になるでしょう。

「要否」は、必要かそうでないかを意味しています。「可否」と「是非」はシーンによっては、同じように使われることもありますが、「要否」とは意味が違います。

例として、「国民投票で憲法改正の可否を問う」という文章は、「国民投票で憲法改正の是非を問う」といい換えることができるでしょう。「国民投票で憲法改正の要否を問う」とすると、改定自体の必要性を問うため、前述のの2つとは意味が変わります。

「可否」と「有無」との違い

「有無(うむ)」も「可否」の類義語のひとつ。「可否」の意味は「賛否」や「よしあし」ですが、「有無」は文字通り「あるかないか」をあらわします。また「承諾する意志の有無」から転じて「可否」と同様に「賛否」を意味する言葉でもあります。

「有無」は基本的に「承諾する意志が有るか無いか」を意味する言葉です。慣用句の「有無を言わせず」は「相手が何を言おうと関係なく強引に押し通す」ことをあらわします。

「可否」と「可不可」との違い

「可不可」は、「可能なことと不可能なこと」「よしあし」を意味する言葉です。「可否」の同義語ですが、「可不可」には「(ものごとが)可能か不可能か」というニュアンスがあります。

たとえば「業態転換の可否を問う」は「業態転換について賛否を問う」という意味ですが、「業態転換の可不可を問う」は「業態転換が可能かどうかを問う」という意味になるため、使い分けに注意が必要です。

可否の使い方・例文


「可否」は、話し言葉としてはほとんど使わないでしょう。

話し言葉では、「可否」ではなく「是非」を使う方がわかりやすい表現です。「可否」は、メールなどの書き言葉に最適です。よいか悪いかの意味だけでなく、可能かどうかの意味もある事を覚えておきましょう。

可否を使った例文

  • このプロジェクト案は役員に可否を問わなければいけない。
  • 私では、可否判断はできません。
  • 先日ご案内しました式典への出欠の可否ですが、3日以内にご返信くださいますようお願いいたします。

可否の英語表現


正しいかどうかの意味の可否であれば、right or wrongと表現できます。賛成か反対かなら、pro and conとあらわせるでしょう。

しかし、可否の意味は広いため、文脈に合わせた英語を選ぶ必要があります。「可否を問う」であれば、ask by voteやtake a vote countとあらわすことができます。例文は以下の通りです。

They will send me a reply about the decision by the end of the week.
今週中にその可否の返事をくれる予定ですなどとできます。

可否についてのまとめ

  • 「可否」(かひ)の意味は、よいか悪いか、よしあしという意味です。文脈によっては、賛成か反対か、「賛否」と同じ意味のこともあるでしょう。
  • 似たような言葉に、「是非」(ぜひ)、「要否」(ようひ)があります。「是非」もよしあしの意味ですが、「非」が使われていることから、正しいか正しくないかの意味があります。「要否」は、必要かそうでないかを意味しています。「可否」と「是非」はシーンによっては、同じように使われることもありますが、「要否」は2つとは意味が全く違います。
  • 「可否」の使い方としては、話し言葉としてはほとんど使わないでしょう。メールなどの書き言葉に最適です。「このプロジェクト案は役員に可否を問わなければいけない。」などと使うことができます。
  • 可否の英語表現には、正しいかどうかの意味合いの可否であれば、“right or wrong”、賛成か反対かなら、“pro and con”といえます。
  • しかし、可否の意味は広いので文脈に合わせた英語を選ぶ必要があるでしょう。