及びの使い方と読み方 及びを使った例文と使う際の注意点を解説

「及び」という言葉を見かけたとき、なんとなく意味は分かるものの、正しい使い方まで説明できる人は少ないのではないでしょうか。契約書や公的な文書で頻繁に登場するこの言葉は、実は「並びに」との使い分けに明確なルールがあります。

この記事では、「及び」の読み方や基本的な意味に加え、法令用語としての使い方、3つ以上の項目をつなぐ際の注意点、読点の打ち方までを順に解説します。読み終えれば、書類作成の場面でも迷わず「及び」を使い分けられるようになるでしょう。

目次

及びの読みと使い方

及びは「および」と読みます。「~と~」「そして」「ならびに」と似た意味を持ち、複数の物事を並列に結びつけるときに使う言葉です。つなぎ合わされる語句のあいだに上下関係や優劣はなく、同じ立場の事柄を並べる場合に使われます。

日常の会話ではあまり使われませんが、書面では硬さと正確さを兼ね備えた言葉として重宝されます。ビジネス文書や契約書、公的な通知文などで目にする機会が多いはずです。

法令用語における「及び」と「並びに」の違い

法令用語では、「及び」と「並びに」がそれぞれ厳密に区別されて定義されています。及びは小さな段階のつなぎに使い、並びには大きな段階をつなぎ合わせるために使うというルールです。

具体例で考えてみましょう。A組にはリーダーとサブリーダーがいて、B組にも同様にリーダーとサブリーダーがいるとします。両組のリーダーとサブリーダーを一度に呼び出す文面を作ると、次のようになります。

「A組のリーダー及びサブリーダー、並びにB組のリーダー及びサブリーダーは、〇日にきてください。」

組という大きな区分と、リーダー・サブリーダーという小さな区分が混在しているため、段階に応じて及びと並びにを使い分けているわけです。この区別を意識すると、複雑な文書でも読み手に誤解を与えずに伝えられます。

語句 使う段階 具体例
及び 小さな段階のつなぎ リーダー及びサブリーダー
並びに 大きな段階のつなぎ A組並びにB組

この表のとおり、及びは同じグループ内の項目を結びつけ、並びには複数のグループそのものを結びつける役割を持ちます。両者が同じ文中に現れたときは、どちらがより大きな区分を示しているかを確認すると使い分けやすくなります。

及びを使った例文

ここでは、法令用語ほど厳密な区別を必要としない、一般的な2つの物事をつなぐ「及び」の例文を紹介します。

「現在のところ、乗客、及び乗務員の安否は確認されていません。」
「責任者は、すべての義務及び責任を負うことになります。」
「フロントスタッフ及びレストランスタッフの募集をしております。」

いずれの例文も、並べられた2つの語句が対等な関係にあります。乗客と乗務員、義務と責任、フロントスタッフとレストランスタッフのように、どちらか一方が主で他方が従、という関係にはなっていない点がポイントです。

3つ以上をつなげる及びの使い方

3つ以上の物事をつなげる場合、及びの使い方には少し注意が必要です。法令用語の考え方に厳密に従うなら「A及びB、並びにC及びD」という形も存在しますが、これは段階の異なるグループが複数あるときに限られます。

単純に3つ以上の項目を並べるだけであれば、一般的には「A、B及びC」や「A、B、C、及びD」のように、最後の項目の前だけに及びを置く形が自然です。すべての項目のあいだに及びを挟むと、文章が冗長になり読みにくくなってしまいます。

先ほどのA組・B組のリーダーとサブリーダーを例にすると、次の2つの書き方が考えられます。

「A組のリーダー、サブリーダー、B組のリーダー、及びサブリーダー」
「A組のリーダー、サブリーダー、及びB組のリーダー、サブリーダー」

どちらも文法的には成立しますが、グループの区切りが伝わりやすいのは後者です。組ごとにまとまりを意識して読点を打つと、読み手が構造を把握しやすくなります。実務で複数の部署名や担当者名を列挙するときも、この考え方がそのまま役立つはずです。

及びと読点の使い方

文化庁の「言葉に関する問答集」では、「A、B及びC」という読点の打ち方を正式な形としています。最後の項目の直前にある及びの前には読点を打たない、というのが基本ルールです。

ただし、実際に文章を声に出して読んでみると、「A、B、及びC」のように及びの前にも読点を打ったほうが自然に感じられる場面があります。問答集でも、この打ち方を誤りとはしていません。文書の読みやすさを優先するなら、状況に応じて選んでよいでしょう。

短い単語同士を結びつけるときは、「A及びB」のように読点を省略することも珍しくありません。一方、長い文章を及びでつなぎ合わせる場合は、「…、及び、…」と前後に読点を打つことで、文の切れ目が分かりやすくなります。文の長さに応じて読点の有無を調整する意識を持つと、書類全体の読みやすさが変わってきます。

及びの類語との違い

及びと似た意味を持つ言葉には、「ならびに」「そして」「と」などがあります。これらは意味こそ近いものの、使われる場面には違いがあります。

「ならびに」は前述のとおり、及びよりも大きな段階をつなぐ法令用語としての役割を持ちます。「そして」は口語的で、話し言葉や柔らかい文章に適しています。「と」は最も口語的で、日常会話から簡易な文書まで幅広く使われますが、公的な書類では及びやならびにに置き換えられることが多いでしょう。

文書の硬さや対象読者に合わせて、これらの言葉を選び分ける視点を持っておくと、状況に応じた適切な表現ができるようになります。

及びの使い方についてのまとめ

及びは「および」と読み、「~と~」「そして」「ならびに」と似た意味を持つ、複数の物事を並列につなぐ言葉です。法令用語では及びと並びにが明確に区別されており、及びは小さな段階のつなぎに、並びにはより大きな段階のつなぎに使われます。

一般的な場面では「フロントスタッフ及びレストランスタッフの募集をしております」のように使われ、3つ以上の物事をつなぐ場合は「A、B及びC」のように最後の項目の前だけに及びを置く形が自然です。

読点の打ち方については、文化庁の「言葉に関する問答集」が「A、B及びC」を正式としつつ、「A、B、及びC」も誤りとはしていません。短い単語をつなぐときは読点を省略し、長い文章をつなぐときは読点を打って読みやすくするなど、文の長さに応じた調整が求められます。こうした細部への配慮が、書類全体の完成度を左右するといえるでしょう。

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