一衣帯水(いちいたいすい)の意味とは

一衣帯水とは、李大師・李延寿によって成立した、中国南北朝時代の南朝の歴史書・南史の「陳後主紀(ちんこうしゅき)」に記された故事を出典とした四字熟語です。

陳後主紀の内容

南朝・陳の第5代皇帝である陳後主は悪政を行い、贅沢三昧に耽る愚かな皇帝であった為、国力が衰えて庶民は飢えと寒さに苦しんでいた。北朝・隋の文帝は荒廃する南朝の様子を見て、陳に攻め入り民衆達を救おうと決心していった。

「私は民衆の親の立場にある。隋と陳は長江に遮られているが、そんなものは一本の帯のように細いものだ。その川に遮られているからといって南朝の民を救わないでよいのだろうか。いや、そんな事はない。救わねばならない。」

故事に記されるように、一衣帯水は、一本を意味する「一」と、帯を意味する「衣帯」と、川を意味する「水」という三つのパーツによって構成されています。

上記の事から一衣帯水とは、「両者の物理的距離が極めて近い事。あるいは、両者の関係が非常に深い事。」を意味しています。

類語には、衣帯一江(いたいいっこう)・一牛鳴地(いちぎゅうめいち)などがあります。

一衣帯水のビジネスシーンでの使い方

一衣帯水という言葉はビジネス用語ではありませんが、外交の場で一衣帯水は頻繁に使われます。

ビジネスシーンにおいてもスピーチをする際などに、社員の結束を意識させる・高めるなどの場合に使用できます。

一衣帯水の使い方と例文

我為百姓父母 豈可限一衣帯水 不拯之乎。
出典:李大師・李延寿「南史」
常陸との国境は、一衣帯水だ。
出典:吉川英治「平の将門 」
経済的には日本と中国は一衣帯水でかたく結ばなければならない。
出典:浅沼稲次郎「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」
我々社員一人一人は、一衣帯水の関係にある事を意識して結束力を高め、会社を支えていきましょう。