潔癖症は、「症」という字があるようにある意味では病気の一種です。

ただ、人によっては症といわれるような深刻なものでもなく、単なる「綺麗好き」の延長という場合もあるため、安易に潔癖症という事はできません。

ここでは潔癖症の意味と潔癖症の人の特徴、潔癖症が増えている原因として考えられる問題を解説します。

そもそも潔癖とはなにか?

潔癖という言葉は、不潔・不正なものを極度に嫌う性質を意味する言葉です。

潔癖な人が嫌うもののひとつは物理的な不潔さと、もうひとつは不正なことがあります。共通しているのは、いずれも「極度に嫌う」というところでしょう。

誰でも「不潔なもの」「不正なこと」を嫌うものですが、極度に嫌うと「潔癖」といわれる状態になってしまいます。

普通なら我慢できる人が多い中で、我慢できない人、気になって仕方がない人が「潔癖な人」といったいわれ方をします。

汚いものに触れてしまったあと、何度手を洗っても気が済まないとなると病気の可能性が高いでしょう。

潔癖症の人の特徴

潔癖症だと他人が手で作ったものを食べられない

潔癖症の人は、一般よりも高い清潔感の基準で他人の清潔度を推し測ります。

潔癖症の人から見るとほとんどの人は不潔で、雑菌が付いていると思い込んでいるため、他人の手に触れたものには強い抵抗を示します。

特にそれが食べ物であれば、不潔な他人が触れたものを直接口にすることになるため受け付けられないでしょう。

他人が作ったおにぎりは、ビニール手袋をしていたかどうかが問題ではなく、すでに想像の中で雑菌で汚れていると信じてしまっていることもあります。

潔癖症だと家以外のトイレには入れない

もともとトイレ周りは他所に比べ綺麗なものではないため、潔癖症の人は特に気を遣います。当然自分なりに清潔にし、トイレ周りの清掃や手入れには余念がありません。

しかし、自分の家以外のトイレであれば、一見綺麗そうに見えたとしても、誰が使ったのかもわからないものであるため清掃を信用していません。

潔癖症の人は、普通の住宅や、駅やレストランのような公衆性の高いところでは絶対に使用しようとしないでしょう。

潔癖症は他の人が触ったものを素手で触れない

潔癖症の人は自分以外の人の清潔さに常に疑いをもっているため、他人が触れたものは直接自分の素手で触れようとしません。

バスや電車のつり革、エレベータのボタン、ドアノブ、お金、古本、図書館の本など、ほとんど日常生活で何気なく素手で触られているものを、潔癖症の人は手袋などをはめてでないと触ろうとしません。

潔癖症だと温泉が気持ち悪い

温泉は、普通の人にとって疲れが取れる癒しの場所です。

しかし、潔癖症の人にとっては、前述の公共の場所と同様に「誰が利用したかわからない」と、清潔面で不信感を持つ場所です。

ましてや温泉では丸裸で入浴するため、体全体が汚れると思い込んでしまいがちです。

手足どころか顔から口元から、すべて湯に触れることになるため、悪い意味で想像力が膨らみすぎて気持ち悪いと思ってしまうでしょう。

潔癖症の人はいつもマスクをしている

潔癖症の人は常に外部から体を守ろうとしています。

呼吸によって外部の空気を取り入れていますが、潔癖症の人は空気自体も汚れていると思っており、マスクを常用することが多いです。

風邪の流行時や、排気ガス・大気の粉じんがひどい場合は誰でも気にしてマスクをすることがあるでしょう。

しかし、潔癖症となると、対面している人の体臭や口臭にも抵抗を感じるため、マスクが手放せなくなる傾向があります。

潔癖症にはタオルよりもティッシュ派が多い

手などになにか汚れが付いたり、顔を拭いたりするときに、普通はケースバイケースで、汚れや濡れがぬぐえれば方法にはあまりこだわらないというのが一般的です。

しかし、潔癖症の人にとっては、タオルとティッシュの2つには清潔度に大きな差があります。

タオルは先に使われていればすでに汚れているかもしれませんが、その都度使うティッシュは新しくて汚れていないと思っています。

また、使い捨てのタオルであればティッシュと同じように気にならないでしょう。

潔癖症の人が増えている原因

「清潔さ」「洗浄」などについて過度な情報が増えているため

潔癖症に人が増えている原因として、世の中で「清潔さ」「洗浄」などに関する情報が以前より増えているという点があります。

たとえば、「抗菌」や「除菌」という言葉がありますが、これは清潔さをPRする商品の宣伝として、TVCMや店頭商品から頻繁に見聞きするようになりました。

また、PM2.5(大気汚染)やアレルギー源などの情報も化学的根拠を示しながらビジュアルに訴えられると、「そんなに汚れているんだ!」と思い、本来あまり気にしなかった人まで過敏になってしまったという背景もあるでしょう。

親のしつけが厳しくなってきている

除菌・清潔さの情報に過敏に反応した大人は、特に免疫の少ない自分たちの子どもに対し、より一層清潔感を意識して子どものしつけをしてきたという歴史があります。

親自身が潔癖症になることで、当然子供は親のいうとおりに従い、汚れや洗浄に敏感にならざるをえなくなったということもあるでしょう。

「手を洗いなさい」「汚れているものに触れてはいけません」というのは、普通の親の教育としてなんらおかしいことではありません。

しかし、過剰に神経質な親であると指導や叱り方も厳しくなり、子供に汚れに対しての過剰な恐怖心を持たせるかもしれません。

潔癖症には五感に敏感で繊細な人が多い

アレルギー性の様々な疾患に代表されるように、現在、いろいろな原因でアレルギーを発症する人が増えています。

本当の原因はわかっていませんが、五感が敏感で、繊細な人が増えているという考え方もできるでしょう。

また、潔癖症の人が気にする汚れや雑菌と、アレルギーや体調不良の原因となる物質との因果関係は特定できていません。

しかし、潔癖症の人は、自分の体調コントロールや免疫性を心配して、極力原因になるかもしれないものには近づかないようにしている背景があります。

潔癖症についてのまとめ

  • 「潔癖」とは、不潔なものを「極度に嫌う」ことを言います。誰だって不潔なものは嫌いに決まっているのですが、潔癖症とまで言われる場合は、この「極度に嫌う」ことが問題です。単なる「綺麗好き」との違いはここにあります。
  • 潔癖症と言われる人の特徴はいろいろあります。「他の人が作ったものが食べられない」「自宅以外のトイレが使えない」「他の人が触った物を素手で触れない」「温泉が気持ち悪い」「いつもマスクをしている」「タオルより使い捨てのティッシュ派」などがあります。
  • 潔癖症の人が増えている原因は、「清潔や洗浄に関する過度の情報」「親のしつけが厳しすぎた」「五感に敏感で繊細な人が多い」などが挙げられます。