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この記事では「運否天賦」の読み方や意味について解説いたします。勝ち負けの場面などで見聞きする言葉ですが、その意味や使い方についてはよく分からないという人もいるかもしれません。
そこで今回は「運否天賦」の由来やビジネスシーンでの使い方、類語や対義語なども含めてまとめました。それでは一つずつ確認していきましょう。
運否天賦の読み方や意味とは
運否天賦は、「うんぷてんぷ」と読み、「人の運命は天命であり、あらかじめ定められた宿命であること」または転じて「運を天に任せる」という意味の言葉です。
「天賦」とは、天から与えられたという意味で、人の運不運は運命づけられたものであり天に任せてしまえという意味をあらわします。
運否天賦の由来
運否天賦は「運否」と「天賦」が合わさってできた四字熟語です。「運否」は「運のあるなし」、「天賦」は上述のように「天から与えられた」という意味があります。
「賦」という字は中国では「租税」や「割り当てる」という意味があるため「天賦」は上記のような意味になるということです。そして「運否」と合わさることによって「人の運命は天命であり、あらかじめ定められた宿命であること」や「運を天に任せること」という意味で使われるようになりました。
残念ながら明確な出典は定かではありませんが、歌舞伎の「けいせい天羽衣」(1753年)などに「運否天賦」の記載が見られます。
運否天賦のビジネスシーンでの用法
運否天賦は非常にギャンブル性が高い意味の熟語であるため、ビジネスシーンには向きません。
報告書の文言や会議の発言などで使ってよい言葉ではないでしょう。
あえて使うとするならば、他人をフランクな場で評価する際に「あの人は運否天賦を持ち合わせているようにみえますね」というように使うことができます。
他には、上司から「やるだけのことはやった。後の結果は運否天賦に任せよう。」といわれるシチュエーションなどでしょう、しかしもともとビジネス用語としては博打の要素が強いため、好んで使う人は多くありません。
また、「あの人の営業力は天賦の才能」など切り離して使うとポジティブなイメージになるため、あえて四字熟語として使うことを意識せずに、各々の言葉の意味を理解した上で臨機応変に使った方がよい言葉です。
運否天賦の使い方と例文
運否天賦の使い方については、具体例や解説があった方がイメージしやすいことでしょう。そこでこの項目では、運否天賦の使い方を例文に解説を添えてまとめました。
試験では自分の成績だけではなく、周囲の成績や合格枠など様々な外的要因が合否に影響することがあります。この例ではそういった事情も踏まえて、試験の結果が運否天賦だと表現しているのでしょう。
実力が伯仲しているということは、ちょっとしたことでどちらが勝つか分からないくらい実力が拮抗しているということです。今回の例では、だからこそ運を天に任せる気持ちで試合に臨むつもりでいるということが読み取れます。
運否天賦の類語
運否天賦の類語は「人間万事塞翁が馬」や「天命を待つ」といったものが考えられます。
人間万事塞翁が馬は「にんげんばんじさいおうがうま」と読み、「人生は良いことも悪いことも予測がつかない」という意味です。その持っている意味が似通っていることから、人間万事塞翁が馬は運否天賦の類語だといえるでしょう。
なおこの四字熟語は中国前漢時代の思想書『淮南子』(えなんじ)「人間訓」の故事に由来しています。「塞」は「城塞」、「翁」は「老人」(お爺さん)のことで、「塞翁」で「城に住む老人」という意味です。
また天命を待つは「人の能力でできる限りのことをしたら、あとは天の意思に任せる」という意味があります。「人事を尽くして」とセットで「人事を尽くして天命を待つ」という形で使われることが多いかもしれません。
運否天賦の対義語
運否天賦とは運を天に任せることなので、その対義語は自分の実力で物事をどうにかしようとすることを意味する言葉が当てはまります。したがって運否天賦の対義語は、「準備万端」や「用意周到」といったものが挙げられるでしょう。
「準備万端」は「じゅんびばんたん」と読み、「準備することの全て」という意味です。よく誤解されますが、準備万端だけでは「準備が全て整っている」という意味にはなりません。
その場合は例えば「準備万端に整った」のように、後ろに別の語を用意する必要があることには注意する必要があります。
また「用意周到」の読みは「よういしゅうとう」で、意味は「準備を怠りなく行うこと」です。結果を天に任せるのではなく自分の力で行おうとしているという点において、用意周到も運否天賦の対義語だといえるでしょう。