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取引先や上司に対して依頼されたことを「できない」と伝えるとき、相手に失礼ではないかと不安になったり緊張したりしていませんか? 相手に不快感を与えることなく上手に断るにはどのような表現が適切なのか、また、どのような点に注意するべきかをご説明します。
「できない」の敬語表現
「できない」という旨をそのままの言葉で目上の人に伝えるのは失礼に当たります。そのような場合は「できない」の敬語表現である「できかねます」や「致しかねます」といった言葉を使うと良いでしょう。
このように「できない」ことを伝える時に「〜できかねます」や「〜致しかねます」と表すのはビジネスシーンでの常套句だといっても過言ではないくらいよく用いられます。新卒や中途入社直後などでのマナー研修などで習ったという人もいるかもしれません。
例えばある商品の通常の納期が1週間であるところ、顧客の都合で3日以内での納入を要求されたとします。そのような場合には「その商品は納期を1週間と設定しているため、恐れ入りますがお客様のご要望にはお答えしかねます」のように表現するということです。
「できません」「できないです」は敬語ではない
社会人になりたての人や敬語が不得手な人の中には「できない」の敬語表現のつもりで「できません」や「できないです」と使っているケースが散見されますが、「できません」や「できないです」は敬語ではないとされています。
なぜなら語尾で敬語のように表そうとしているものの、目上の人に対して「できない」ということをストレートな言い回しをしているからです。このようなはっきりした断り方をすると、予期せぬクレームやトラブルを招きかねません。
そのようなことがないように、社会人としては先述のような「できかねます」や「致しかねます」といった言い方を覚えておいた方が良いといえるでしょう。物理的にどうしてもできないことや断らなければならないことはあるものです。
そんな時には無理に引き受けたりきっぱり断ったりせず、丁重にお断りするのが社会人としてのマナーだといえます。
誤解を生むこともある「〜かねます」は使い方に注意
「致しかねます」「できかねます」の用法について説明します。
「できかねます」と「致しかねます」はどう違うのか
「できかねます」「致しかねます」は、両者ともに「するのが難しい」という意味の婉曲的な言い回しです。次のように使います。
2つの言葉の違いは、「できかねます」が丁寧語での表現であるのに対して「致しかねます」は敬語表現である点です。「致す」は「する」の謙譲語なので、「致しかねます」は敬語の謙譲表現となります。
より相手に敬意を示したいシーンでは「できかねます」よりも「致しかねます」を使いましょう。
「できかねます」「致しかねます」の正しい使い方
「できかねます」「致しかねます」など「~かねます」という表現は、「できません」に比べると婉曲的です。このような婉曲表現をビジネス場面で使うのは、推奨される一方で注意も必要です。できる可能性があるのではないかと誤解を招く恐れがあるためです。
「~かねます」を使う場合には、事情や対案等を補足して、できること、できないことを明確に伝えることが重要です。
⇒ 明日の納品は致しかねます。納品までに2日お時間をいただいており、明後日の納品であれば可能です。
ビジネスで使える「できない」時のお断り表現
ビジネスシーンで上手に断るために押さえておくべきポイントは2点あります。1点目は、できるだけ婉曲かつ丁寧な表現を使うこと。2点目は「クッション言葉」を添えることです。
クッション言葉とは、依頼や断り等の表現の前に添えて柔らかい印象を与えるためのフレーズ。以下のような表現を組み合わせて使いましょう。
クッション言葉での断り方
ビジネスメールで使える!鉄板クッション言葉10選
婉曲表現、丁寧表現での断り方
「できません」は肯定表現に言い換えるとイメージアップ
通常、否定表現より肯定表現の方が、相手に与える印象が良いものとなります。断る場面においても、できるだけ肯定表現を使うように心がけましょう。
⇒[肯定]本商品は、あいにく在庫を切らしております
⇒[肯定]本日は予定が入っております
メールで使える類語・例文
お客様などに対してメールで断る場合には、口頭表現よりもややフォーマルな文語調の敬語表現を使うのが適切です。また、相手の気持を和らげるようなフォローの表現も添えましょう。
メールでの断りの敬語表現
一言添える場合の例文
「できない」の敬語の英語表現
「できない」の敬語の英語表現は、例えば「I’m afraid we aren’t able to 〜」といったものが適当でしょう。「I’m afraid」は「残念ながら(〜しなければならないと思う)」という意味で、丁寧にお断りをする際にたびたび用いられる表現です。
「I’m afraid」の代わりに「I’m sorry」を使っても問題ないでしょう。どちらもほとんど同じ意味として使うことが可能です。
また「be able to 〜」は「can」と同じで、「〜できる」や「〜することが可能である」といった意味があります。しかし「can」よりも控えめで丁寧な表現なので、「できない」の敬語の英語表現としては「be able to 〜」を使用した方がより適切だといえるでしょう。
なお今回は「be able to 〜」の前に「not」を用いて非定形にしていますが、「be unable to 〜」と表現することも可能です。「unable」は「able」の否定表現で、「be unable to 〜」は「〜することができない」という意味を持っています。
まとめ
ビジネスでは、取引先のお客様や上司などに対して断らざるを得ないような様々な状況が発生します。時には緊迫感を伴う状況もあるでしょう。そのような時こそ、相手に敬意を示して適切な表現でお断りしたいですね。ビジネスでの断りの基本は、できるだけ婉曲で丁寧な表現を使うことと、クッション言葉などを用いて断り表現を和らげることです。急な事態でも慌てないように、普段から適切な断りの表現を確認しておきましょう。