企業倫理とは何か 法令遵守やCSRとの違い 企業倫理のよい企業

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企業倫理とは、企業で守るべき倫理的な考え方のことをさしますが、法律で定められている内容以外にもさまざまな考え方が含まれます。企業で働くならば、自分に合った労働環境で、組織としての考え方が合う場所で働きたいでしょう。

ここで解説する内容は以下の通りです。

この記事の内容
・企業倫理にはどのような内容が含まれるのか?
・企業倫理、法令、CSRとの違いは何か?
・企業倫理がよいとはどのような企業を指すのか?

企業倫理を理解するに当たり上記の内容を理解する必要があります。この記事を一通り読むことで、企業倫理の内容や似た言葉との違いが分かるようになるでしょう。企業倫理がよい誠実な企業について理解を深めることで、自分に合った企業を選択する参考になるでしょう。

そもそも企業倫理とはなにか?

企業倫理とは「企業活動をしていく上で重要な守るべき基準となる考え方」のことをさし、法令遵守(コンプライアンス)を表すことが多いです。しかし企業倫理は法令遵守にとどまらず、働く環境・道徳的な考え方など、法律でカバーできない範囲を規定している決まりも含まれます。

企業倫理が注目されるようになったのは、1980年代以降に企業での不祥事が問題になり始めてからでしょう。企業として、あらかじめ自社の企業理念・教育方針・判断基準などを明確に定義しておくことで、企業と労働者双方共に有益的な契約となるような働きかきだと捉えられます。

社内で企業倫理を進めていくことも、とても大切な動きでしょう。社員の研修・教育を行なって定期的に企業倫理について評価したり、企業内で相談・社内告発が可能なシステムを開発したり、働きやすい環境を整備するなど、その動きは会社によって多岐に渡ります。

企業倫理に似た言葉CSR

CSRはcorporate social responsibilityの略のことで、企業の社会的責任のことを表します。

企業としての利益追求以外にも、前述した企業倫理を始め、地球環境の保全・地域とのつながりなどといった、法令を超えて積極的に社会に貢献していこうという動きです。

具体的な活動としては、ボランティア活動の実施・消費者に対する適切で丁寧な対応・社内での積極的な情報開示と情報交換などがあげられます。

企業倫理と法令遵守の違い

法令遵守は、企業として最低限守るべき考え方をさします。法令以外に、企業活動を進めていく上で守るべき基準を含んだ考え方を企業倫理と呼んでいます。

更に、地域・地球といった社会にも目に向けた取り組みを含んだ考え方がCSR(企業の社会的責任)となります。

すなわち、CSRという大きいくくりの中に企業倫理があり、企業倫理のくくりの中に法令遵守があるという認識です。

企業倫理を評価する誠実な企業賞とはなにか

誠実な企業賞はIntegrity Awardと呼ばれます。2002年に創設され、2015年までの13年間もの間、表彰を行なっていました。企業の社会的責任・企業倫理・法令遵守(コンプライアンス)・内部統制などに優れた取り組みを行なっている企業を選出して表彰するものです。

誠実な企業賞は、既に受賞した企業に対して、社会的責任などを始めとする誠実な活動が、中長期的に渡る企業の発展に繋がったという点を評価しています。また、意識が高い企業を社会的にも応援しようという意味も込められています。

過去に誠実な企業賞を受賞した企業

2002年度から始まり、2003年春から2007年春までの5年間に渡って、大賞・事業法人部門賞・金融機関部門賞の3部門に分けて表彰されました。2003年春発表されたIntegrity Award 2012は、大賞が三菱地所株式会社、事業法人部門賞が株式会社ダイセキ、金融機関部門賞がみずほ信託銀行株式会社でした。

2008年春以降は最優秀賞・優秀賞のみの表彰となり、誠実な企業賞を表彰することによる一定の役割を果たすことができたことから、2015年の表彰が最後となりました。Integrity Award 2015として最後の受賞を飾った企業は、最優秀賞が伊藤忠株式会社、優秀賞は滋賀銀行・東レでした。

他にも、イオン株式会社、ベネッセコーポレーション、オムロン、セブン&アイ・ホールディングズ、資生堂など、誰もが耳にしたことのある有名企業の受賞実績もあります。

世界で最も倫理的な企業

Ethisphere Institute社では、2007年より、毎年世界規模で高い倫理基準のある企業を表彰しています。

名称はWorld’s Most Ethical Companiesと呼び、日本で過去に表彰されていた「誠実な企業賞」とは判断基準は異なっています。誠実な企業倫理を設定するだけでなく、グローバルに倫理を実践している企業が表彰されている傾向にあります。

2017年 世界で最も倫理的な企業

2017年の受賞企業で見ると、日本企業ではたった1社の受賞で花王のみでした。

2017年は19カ国・194社が選出され、米国が98社と圧倒的な中、素晴らしい快挙です。日本の判断基準とは異なりますが、世界的に見る「倫理的な企業」はどのような企業なのかの、参考にするとよいでしょう。

しかし日本にはいまだブラック企業といわれる、企業倫理の悪い会社が多く存在しています。ご自身の職場の考えについて行けず、苦しい思いをしている場合、一度就職・転職エージェントに相談することをおすすめします。

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企業倫理についてのまとめ

  • 企業倫理を簡潔に述べるならば、営利目的で企業活動を行なう上で守るべき考え方であるといえます。
  • 企業倫理には法令遵守だけでなく、法律ではカバーできない範囲も含まれる。
  • 法令遵守とは、企業として最低限守らなければならない考え方を指す。
  • CSRは企業の社会的責任を指し、企業の利益追求以外の地域・地球規模といった分野まで考えた取り組みを言う。
  • CSRという大きな範囲の中に企業倫理があり、更に企業倫理の範囲の中に法令遵守がある。
  • 企業倫理を始めとするCSRを、積極的に行なっている企業を表彰するという取り組みも行なわれていました。日本における「誠実な企業賞」は2015年までとなりましたが、World’s Most Ethical Companiesについては現在も毎年発表されています。
  • 日本においての基準と世界においての基準は異なりますが、企業倫理が進んでいる企業の方が比較的働きやすいのは事実です。企業を調べるにあたり、どのような企業倫理が述べられているのかにも注目してみましょう。ご自身にとって向いている企業選びの参考となれば幸いです。